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孤狼の転生~最速スキルでゼ 口から始める〜  作者: Ebi
(第二章:エルドリア遠征と独立王国の建国 - Dainishō: Erudoria Ensei to Dokuritsu Ōkoku no Kenkoku)
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第八十二話:青天の凱歌と、神狼の真なる家族

中庭を埋め尽くす魔物の残党を前に、俺――ハナシ・リョウガは全マナ(魔力)を爆発させ、凄まじい咆哮 と共に【双焔魔導(レベル6)】を完全起動した 。


「おい、野郎ども! このゴミ どもを今すぐ完全に叩き潰して やるぞ!」


俺は即座に【最速スキル(レベル71)】を並行展開した 。世界が完全に減速し、ほぼ停止する。神速の領域へと突入した俺は、紅蓮と蒼氷の魔導回路が脈動する拳 を突き出し、魔物の大軍のど真ん中へと猛烈な勢いで突撃を仕掛けた 。


ドゴォォォォォォン!!!


俺が拳を振るうたび、まるで巨大な活火山が噴火したかのような「炎の連山」が巻き起こり、何百頭もの魔物を一瞬にして焼き尽くし、炭化させていった。コンマ数秒の狭間に縦横無尽に戦場を駆け抜け、街 を埋め尽くしていた魔物の大半を瞬時に殲滅していく。レベル7۱へと至った俺の圧倒的な人外の武力を前に、生き残った魔物どもは恐怖に怯え、ついに陥落都市の敷地外へと無様に (敗走)を始めた 。


魔物の群れが都市の防壁を越え、遥か彼方の広大な大地の荒野へと逃げ延びていくのを見届けたその瞬間、俺は重力を無視して真昼の空へとゆっくりと上昇し、天空へと**「(浮遊)」**した 。


俺は眼下の地平線を埋め尽くす魔物どもを見下ろし、冷酷で残虐な 悪魔の笑み を浮かべた。


「……逃がすわけがねえだろ。今こそ、お前たちの存在のすべてをこの世界から消し去ってやる」


俺は右腕を真っ直ぐに伸ばし、手のひらを大地の荒野へと向けた。

「――『原子崩壊(Atom Crush)』」


キィィィィィン――ッ!!!


世界から音が消え、次の瞬間、逃走していた数千頭の魔物の肉体、そして空間そのものが、不可視の超重力に握り潰されるかのように分子レベルで急激に『超圧縮』され始めた。荒野の全域に、魔物どもの絶望的な 断末魔の悲鳴と咆哮 が地鳴りのように轟き、(響き渡った)。奴らの巨大な質量が一点へと凝縮されていく 。


間髪入れず、俺はその伸ばした右手を、力強く握りしめた 。


「――『消滅(Extinction)』」


ヒュン――ッ。


凄まじい空間の歪みと共に、荒野を埋め尽くしていたすべての魔物どもが一瞬にして虚空へと「消滅 」し、跡形もなく消え去った 。後に残されたのは、肉体の残骸すら残さぬ絶対の無。そして次の瞬間、消滅した数万の魔物たちが遺した、無数の眩い『魔石 』が、まるで美しい流星雨の如く大地へと降り注ぐ「 (雨)」となったのだ 。



その時だった。どこか神聖で気高き複数の**「 角笛 」**の音が、大森林の境界から厳かに響き渡った 。


俺が天空から目を凝らすと、そこには約束通り、エルフの国王ウラニウス六世が派遣した高位の『エルフの魔導士部隊 』が到着していたのだ 。


彼らは都市の防壁の周囲に陣取ると、即座に古代の広範囲大気純化魔術『大気純化の儀式 』を発動した。大壁の周囲に猛烈な突風 が巻き起こり、三百年間この街を支配していた悍ましい猛毒の魔霧 を強引に吹き飛ばしていく。


わずか数分後、不気味な黒紫色の暗雲が完全に払い除けられ、頭上にはどこまでも澄み渡る美しい『青空 』が姿を現した。そして、暖かく眩い太陽の光 が、三百年の時を経てついにこの大理石の床へと降り注いだのだ 。



タリンは驚喜して顔を輝かせ、防毒マスクを剥ぎ取った。「ガハハハハッ!! 最高の気分だぜ! もうこんな息苦しいマスク なんざ必要ねえな!!」


キングラッドもエナリルも、二人の姉妹も、全員が絶望から救われた大勝利に歓喜し、 笑顔(笑い合っていた)を見せていた 。


しかし、地上へと降り立った俺は、怪訝そうに眉をひそめてキングラッドを見た。「おい、一体どういうことだ? なぜエルフ がもうここにいる? 奴らの派遣は三日後のはずだったろ」


キングラッドが苦笑いを浮かべ、俺の肩を叩いた。「リョウガ、お前はあの魔族ハカム(ヴェルモロス)を倒した強力な反動ダメージのせいで、丸一日 もの間、完全に失神・昏睡 していたんだぞ。エルフたちは約束の期日通りにここに現れた。つまり……お前が眠っている間、俺たちはこの城を死守するために、一昼夜 休むことなく魔物の残党と戦い、防衛線を維持し続けていたのさ」



その言葉を聞いた瞬間、俺の胸の奥に、かつて前世(前の世界)でも今世でも味わったことのない、温かくも激しい感情が込み上げてきた 。

俺が動けない間、彼らは命を懸けて俺を護り、この防壁を守り抜いてくれた。


俺は静かに彼らの傷だらけの姿を見つめ、唇の両端を小さく持ち上げて、不器用ながらも温かい 笑顔 を向けた 。そして、胸の内で静かに呟いた。


(……なるほどな。どうやら俺は、このクソみたいな弱肉強食の世界で、本当の『 家族 』ってやつを見つけちまったらしいな。……悪くねえ。生まれて初めて、心から『 嬉しい 』と感じているぞ)


大気を完全に純化したエルフの魔導士たちは、さらに都市の境界全域を覆う強大かつ強固な『古代魔導結界 』を設置した。これにより、仮に外部から死者の地の猛毒の魔霧が再び接近 してきても、都市の内部への侵入を永久に遮断する絶対の防壁が完成したのだ 。


魔霧が消え去り、白日の太陽の下に完全に曝け出された古代都市『エルドリア』は、かつての栄華を物語る壮麗な大理石の建造物 や見事な石像 の全貌を現した。しかし同時に、至る所が崩壊し、三百年前の無数の『 屍骸 』が転がっているため、早急な大掃除と(クリーンアップ)が必要な状態だった 。


クラン『神狼の刃』の面々がホールの中心に集まると、タリンが武器を置いて叫んだ。「ついに、ついに俺たちはこの地獄の戦争に勝ったんだ!!」全員の顔に、言葉にできないほどの歓喜が溢れていた 。



そこへエルフの魔導士たちが室内へと入ってきて、高度な治癒魔術を使ってメンバーたちの傷 を優しく癒やしていった。特に、数名の高位魔導士が未だに昏睡していたブロムル の元へと集まり、集中治療を施したおかげで、彼の胸の深刻な傷は急速に塞がり、呼吸は安定して元通りの健康な状態へと 治療(回復)を遂げた。この日は、全員の休息 と負傷者の完全治療のために丸一日が費やされた 。


その日の夕刻、エルフの魔導士たちは全員で一つの巨大な広範囲浄化儀式 を執り行った。街の至る所に転がっていた、化け物どもに惨殺されて化石 や皮と骨 のようになっていた三百年前の犠牲者たちの無数の屍骸を、聖なる光の焔で優しく包み込み、すべての魂を天へと還す大がかりな慰霊祭 を敢行したのだ。


光の粒子となって消え去り、何世紀もの呪縛から解放されて完全に『 浄化 』された美しい都市を見つめながら、俺は静かに胸に刻んだ。


(お前たちの無念は俺が引き受ける。この場所に、お前たちの生きた証となる『 慰霊碑 』を必ず創ってやる)


すべての儀式を終えたエルフの魔導士の長が、俺の前へと進み出て一礼した。「我らの任務 はすべて完了いたしました。これよりルミナリアへと帰還 いたします」


「感謝する。国王によろしく伝えてくれ」俺の言葉に見送られ、エルフの部隊は静かに街を立ち去った 。


俺は残されたメンバーを振り返り、冷酷ながらも絶対の主権の意思を込めて告げた。


「全員、今夜はこの王宮 の最高級の部屋で身体を休めろ。明日 、俺たちのこれからの具体的な『国の運営方針 』を正式に発表する。今夜は腹一杯に飯 を食って眠れ」


こうして、血の海と化した大理石の王宮で、俺たちは初めて手にした平和な夜を祝い、美味い料理 を囲んで静かに 休息(休息)をとった。すべては、明日から始まる真なる『孤狼の神狼(建国)』の夜明けのために―― 。



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