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孤狼の転生~最速スキルでゼ 口から始める〜  作者: Ebi
(第二章:エルドリア遠征と独立王国の建国 - Dainishō: Erudoria Ensei to Dokuritsu Ōkoku no Kenkoku)
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第七十八話:災厄の魔族ヴェルモロスと、神狼の絶望死線

キヤム(Kiyamu)が虚空から急降下し、全力の短剣撃を放ったその瞬間、ハカモ であるその化け物は全く動じることなく、鋼鉄の短剣 の如き巨大な『爪 』を一閃させ、その連撃をいとも容易く防ぎやがった 。


俺――ハナシ・リョウガは即座に、右目の【分析の魔眼(レベル5)】を奴へと向け、そのステータスを(解析)した 。


『対象:魔族ハカム。真の階位:第四位の悪魔・魔族 』

『登録変色:ブロンズ・Aランク 』


「なっ……!?」

その常識外れの数値を視認した瞬間、俺の瞳は激しく引き攣り、顔面は一瞬にして『紙 』のように真っ白に染まった。俺は魂の底から絶叫した。


「総員、最大警戒しろ!! 奴はただの下級魔獣じゃねえ……本物の『Aランク・第四位の魔族』だ!!」


その絶望的な叫びに、全員の額からどっと (冷や汗)が流れ落ちた 。

エナリル(Anaryril)は強烈な恐怖のあまり膝をガタガタと震わせ、恐怖 に満ちた声でその名を口にした。


「あ、あの禍々しい姿……古文書に刻まれた、不浄の魔将**【ヴェルモロス(Velmeroth )】**よ……!!」


「怯むな! 総員、奴を囲め !!」キングラッドが槍を構えて大声を張り上げたが、エナリルは恐怖のあまり足の誇りが『 sす 』になり、「私たち、全員ここで殺される ……!」


と絶望を口にし続けた 。


その様子を見たタリンが、自慢の髭を震わせながら大斧を握りしめて怒鳴り散らした。「ガハハ! どうせ死ぬなら、誇り高く戦って死ぬ のがドワーフの生き様だぜぇっ!」


しかし、悪魔ヴェルモロスはただ下劣な笑み を浮かべ、俺たちを嘲笑うばかりだった 。


「一斉に仕掛けるぞ!」キングラッドの命令により、タリン、カゼミ、キヤム、そして新入りのブロムル(Bromur)の五人が、同時に四方からヴェルモロスへと決死の突撃を敢行した 。

――しかし、次の瞬間だった。


バキィィィン!!!


一百分の数秒の狭間、あの巨躯 からは到底想像もつかない神速 でヴェルモロスの短剣の爪が虚空を裂いた。五人の強者たちは、奴の一撃によって一瞬にして四方八方へと派手に『吹き飛ばされ 』、壁や床へと激突した。俺は自分の目が信じられなかった。


「クソッが……!!」

俺は即座に【影魔法(レベル8)】と【最速スキル(レベル7۱)】を同時並行強制展開し、漆黒 の影マナを纏わせた剣を握りしめ、神速の残像となってヴェルモロスへと肉薄した 。しかし、奴は不敵な笑みを浮かべたまま、俺の神速の影の剣撃をいとも容易く『回避 』し、全ての刃をその爪で冷酷に弾き返しやがった 。


吹き飛ばされたキングラッドたちが、苦痛に喘ぎながらも再びその足で立ち上がり、武器を必死に強く握り直した 。だが、ヴェルモロスの真の残虐な猛攻は、ここから始まったのだ 。


奴は巨躯の蛇体をくねらせ、最前列にいたブロムルへと目にも留まらぬ電撃の爪撃 を仕掛けた 。


ザシュゥゥゥゥゥンッッ!!!


一瞬だった。俺たちの目の前で、ブロムルの頑強な『胸 』の装甲皮膚が容赦なく引き裂かれ、ヴェルモロスの巨大な手が彼の肉体を内側から完全に『貫通 』していやがった。



「ガ、ハッ……!?」


ブロムルの口、そして引き裂かれた胸口から、大量の鮮血 が激しく噴出し、地面を真っ赤に染めた 。


「ブロムルゥゥゥゥゥッッ!!!!」

その凄惨な光景を目撃した従兄弟のタリンは、激しい(怒りと狂気)に我を忘れ、体内の全大地マナを大斧へと凝縮させてヴェルモロスへと大跳躍した 。


しかし、タリンが放った怒りの第一撃、第二撃を、悪魔は嘲笑うように軽々と『回避 』した。タリンの斧の凄まじい風圧によって、大理石の床 が爆音と共に粉々に粉砕 されるが、奴には掠り傷一つ付けられない 。


そしてタリンが第三撃を放つべく再び空中へ跳ね上がったその刹那、ヴェルモロスはその強固な大蛇の『尾 』を鞭のようにしならせ、タリンの身体を真横から強烈に叩きつけた 。


ドゴォォォォォン!!!


タリンの身体は大理石の壁 へと激しく叩きつけられ、その衝撃で頭部を強打してその場に『気絶・失神 』し、崩れ落ちた。彼の頭部と耳 からは、ドロドロとした鮮血が絶え間なく流れ出している 。


「カゼミ、キヤム、行くぞ!!」


残された二人の姉妹が同時に鋭い咆哮を上げ、瞬間移動 の連撃を織り交ぜながらヴェルモロスへと肉薄した 。しかし、奴の全身を覆う黒と赤の鱗の皮膚はまるで『絶対の鉄石 』の如く頑強であり、彼女たちの双剣と短剣の刃は、火花を散らすだけで全く刃が通らない。


「クックック……小癪な羽虫どもが」


ヴェルモロスはその短剣の爪 を容赦なく振るい、カゼミとキヤムの『手足 』を深く切り裂いた。肉を深く抉られ、激しい出血 に見舞われた二人の姉妹は、もはや武器を握る自由すら奪われ、戦闘不能 となって床へと崩れ落ちた ――。


周囲の仲間たちが次々と血の海に沈み、満身創痍となっていく最悪の地獄絵図 。


大理石の間の中心で、漆黒の影の剣を握りしめた俺――ハナシ・リョウガの右目の魔眼が、これまでにないほど激しく、狂暴な漆黒と黄金の殺意に染まって燃え上がろうとしていた―― 。

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