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孤狼の転生~最速スキルでゼ 口から始める〜  作者: Ebi
(第二章:エルドリア遠征と独立王国の建国 - Dainishō: Erudoria Ensei to Dokuritsu Ōkoku no Kenkoku)
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第七十一話:終末の境界線と、深淵の地下奇襲

第二章:大理石の墓標(The Marble Crypt)編・序幕(プロローグ)


リョウガがレベル62に到達し、第三の魔眼**【混沌の魔眼】**を覚醒させ、最強のクラン『神狼の刃(The Blades of Divine Lupus)』の王土となる陥落都市「エルドリア」――現在の『大理石の墓標(The Marble Crypt)』の領有権を掴み取ったことで、第一章は覇道たる幕を閉じました。

そして、第七十一話より、物語は待望の「第二章」へと突入します。


ここから始まる第二章では、さらにダークで過酷な建国への戦いが幕を開けます。リョウガとクランメンバー(エナリル、タリン、キングラッド、ブロムル、カゼミ、キヤム)は、特製の防毒マスクを装着し、不浄な魔霧と死臭が渦巻く【死者の地】の深奥へと堂々と足を踏み入れました。


しかし、彼らの前に立ち塞がるのは、生体構造すら常識外れの瘴気獣「ミアズモア」や、絶対的な武力と知性を備えたAランク・第四位の凶悪な魔族**『ヴェルモロス(Velmeroth)』**といった、異次元の化け物たち。さらに、影では聖殿のレベル5修道僧やルシアン公爵の冷酷な陰謀がうごめいています。


窮地に立たされるクラン、そしてレベル71へと至り、ついに限界突破を果たしたリョウガ。第二章では、さらなる進化を遂げた固有魔法【原子崩壊(Atom Crush)】の真の解放、そして覚醒の時を待つ**「第四の魔眼」**の恐怖が世界を震撼させます。


神狼の真なる玉座を築くための、血と硝煙に塗れた大遠征が今、始まります!




白昼の戦いから一夜が明け、心地よい早朝の静寂の中、俺――ハナシ・リョウガは耳元に届いた静かで温かい声によって目を覚ました。


「主上、朝食の用意が整いました。遠征の全装備と物資も、すでに馬車 への積み込みを完了しております」


俺がゆっくりと目を開けると、そこには整った戦闘服を身に纏ったカゼミ(Kazemi)が凛とした姿勢で立っていた。俺はベッドから身体を起こすと、机の上の数通の書簡を彼女に差し出した。


「カゼミ、出発する前に、この数通の『手紙 』を街の特定の人物たちの元へ届けてくれ」


「御意にございます、主上。ただちに」カゼミは深く一礼すると、音もなく部屋を立ち去った。


その手紙は、ギルドマスターのイーゴリ(Igor Stone-Crusher)と領主ガレス様へ宛てたものだった。エルフの国王ウラニウス六世との激闘、そして彼らと交わした公式な軍事同盟 の全貌を詳細に書き記しておいた。これから始まる俺たちの独立作戦において、誰が真の同盟者であるかを、あらかじめ彼らに掌握させておくためだ。


エナリルの作った朝食を平らげ、特使の任務を終えたカゼミが戻ってきた後、俺はリビングに集結した全クランメンバーに向き直った。


そこには、タリン、キングラッド、エナリル、ブロムル、カゼミ、キヤムの六人が、引き締まった表情で俺の言葉を待っていた。


「ついに約束の日 が来た。今日、俺たちが足を踏み入れる場所は、二度と生きて戻れぬ かもしれない真の死地だ。だからこそ、最後に一度だけお前たちに問う。……命を懸けて、この俺と共に戦う覚悟はあるか?」


キングラッドが自身の槍を強く握り締め、不敵に笑った。「今さら言うまでもない。リョウガ、俺は物語の結末 まで、お前の傍らで戦い抜くさ」


タリンも大斧を担ぎ直し、熱い目を俺に向けた。「ガハハ! お前は俺の血の兄弟であり、気高き大将 だぜ! お前以外の誰のために戦うってんだ、当然付いていくに決まってんだろ!」


カゼミとキヤムの姉妹も同時に床に膝をついた。「お方は私たちの絶対の主君。捧げた忠誠の誓いに、寸分の迷いもございません」

エナリルとブロムルも、信頼に満ちた笑みを浮かべて深く頷いてみせた。



「よし。出発するぞ」

俺たちは仕立ての良い遠征用の巨大な馬車に乗り込み、要塞都市『王の盾』の重厚な「南門の城門」へと向かって堂々と進軍を開始した。


大壁の城門をくぐり、法の及ばぬ外界の荒野へと一歩踏み出したその瞬間、馬車の御者台の影からカゼミとキヤムが音もなく俺の傍らに寄り添い、声を潜めた。

「主上、やはり背後から複数の不審な気配 が追ってきています。ルシアン公爵の息の根がかかった密偵どもでしょう」


俺は冷酷な笑みを浮かべ、薄く目を細めた。


「放っておけ。どうせ俺たちの排除を企む反対派のクズどもだ。クラン『神狼の刃(The Blades of Divine Lupus)』の真の人外の武力を、その薄汚い目で特等席からじっくりと拝ませてやるさ。奴らの最高権力者 が、俺たちの恐怖に怯え、震え上がるようにな」


馬車が荒野を駆ける中、エナリルが不安げな目を俺に向けた。


「ねえ、リョウガ。エルフの魔導士部隊が約束通り『三日後』にあの街へ到着するとして、私たちはそのわずかな期間で都市全体を完全に『 奪還 』しなければならないわ。本当に時間が足りるかしら?」


タリンが自身の新しい大斧を誇示するようにガハハと笑った。「心配すんじゃねえ、エルフの嬢ちゃん! この俺様の新しい武器 があれば、街の化け物どもごと、その建物を木っ端微塵に叩き潰してやるぜ!」


キングラッドが即座に呆れたように青筋を立てて怒鳴り散らした。「お前は本当の本物の大馬鹿野郎だな、タリン! 俺たちは街を奪還し、再び民が暮らせるように『 復興 』しに行くんだぞ! なぜお前が真っ先に破壊 しようとしているんだ!」

「んだとぉ!? キングラッド、お前また俺に カティ(言いがかり)をつけやがって!!」


「静かにしろ、二人とも」俺は冷徹な声で彼らを制した。「俺の頭の中には、すでに完璧な『 侵攻作戦 』が構築されている。俺たちなら、確実に成功する」


馬車は何時間も走り続け、太陽が不気味な黒紫色の地平線へと沈む頃、ついに俺たちは【死者の地 】の絶対の境界線へと到達した。


遠くからでも目視できるほど、その領域から立ち上る猛毒の黒い魔霧 は重苦しく、見る者を精神から圧殺せんばかりの悍ましさを放っていた。


一同は結界を張ったキャンプの焚き火 を囲んで座り、しばしの休息と食事を取ることにした。


俺はブロムルが作った古い詳細な地図 を机の上に広げ、全員を見渡した。


「……いいか、地図を見ろ。この『大理石の墓標(The Marble Crypt)』には地上に二つの巨大な城門しか存在しねえ。だが、独自の調査の結果、この街の地下には、膨大な地下水路と古代の巨大な『下水システム 』のトンネルが無数に張り巡らされていることが分かった」



俺は指先を地図の最奥、王宮のマークへと滑らせた。


「俺たちの作戦はこうだ。地上の正面から無駄な消耗戦は仕掛けねえ。この地下トンネル から密かに街の内部へと侵入し、まずは街の心臓部である王宮 を奇襲する。そして、その最奥の玉座に君臨し、この街を支配している根源の『上級魔族 』を真っ先に暗殺・消滅させる。首領を失えば、残りの数万の魔物どもの掃 など赤子の手をひねるより容易い」

キングラッドもエナリルも、その冷徹かつ完璧な戦略に深く感銘を受け、力強く同意した。


――しかし、まさに全員が作戦を承認した、その瞬間。


ウゥゥゥゥゥォォォォォォンッッ!!!!!


死者の地の底知れぬ深淵の奥から、空間そのものを激しく振動させるような、悍ましく巨大な「未知の咆哮 」が響き渡り、キャンプの静寂を容赦なく切り裂いたのだった――。




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