第70話、シーズン1の最終回
第七十話:破天荒な同盟と、動き出す復讐の死刻
魔物どもの大軍勢を圧倒的な一撃で『消滅 』させた後、俺――ハナシ・リョウガは虚空からゆっくりと地上へと降り立ち、冷酷かつ(冷徹)な足取りでエルフの国王の元へと歩み寄った 。
「……お前の『(答え)』を聞こうか、ウラニウス六世」
国王は激しい驚愕と呆然 からようやく己を取り戻すと、深く溜息をついて重厳に頷いた。
「……王宮へ戻るぞ。皆、付いてまいれ」
王は周囲の兵士たちに直ちに持ち場へ戻るよう命じ、再び敵の奇襲 があっても即座に察知できるよう、複数の精鋭斥候を国境の境界へと放った 。
俺たち『神狼の刃(The Blades of Divine Lupus)』の四人と王の側近たちは、静まり返ったエルフの王宮へと入り、重厚な椅子に腰掛けた 。
ウラニウス六世(King Uranius VI)は俺を真っ直ぐに見つめ、信じられぬといった面持ちで問いかけた 。
「ハナシ・リョウガよ、これほどの圧倒的な人外の武力を持ちながら、一体我が国とどのような『交渉 』を交わそうというのだ? 貴様ほどの怪物ならば、我が国を力任せに蹂躙することすら容易いだろうに」
俺は冷淡に鼻で笑った。「勘違いするな。俺は無駄な血を流しに来たわけじゃねえ。俺は『和解と友誼 』のためにここへ来た。だが、俺たちの計画のために、エルフの高位魔導士 たちの力が必要不可欠なのだ」
「我が一族の魔導士を……何のために必要とする?」王が怪訝そうに尋ねる 。
俺は、死者の地の最前線にあるあの陥落都市『大理石の墓標(The Marble Crypt 』を完全掃討し、独自の独立都市を建国する壮大な計画を再び説明した 。
それを聞いたウラニウス六世は、驚きと共に隣のエナリルを見つめ、どこか自嘲気味に微笑んだ 。
「……フッ、どうやら我が娘 は、この老いた私よりも遥かに優れた『(統治者)』の資質を持っていたようだな。私よりも早く、世界の戦略の行方を見極め、このような規格外の漢と同盟を結ぶ外交 を成し遂げたのだからな。良いだろう、リョウガ。お前の要求を全面的に呑もう。三日以内に、大気を純化する我が一族の高位魔導士部隊をあの『大理石の墓標』へと派遣し、古代の浄化結界 を以て、あの街の猛毒の霧を根こそぎ消し去ってやる」
王は立ち上がると、すれ違い様に俺の耳元へと顔を近づけ、低く重い声で囁いた 。
「……我が愛しき娘を頼むぞ、神狼の漢よ」
王はそう言い残すと、残務処理のための王宮評議会 へと足早に向かった。
「これで契約は完了だ。戻るぞ」
俺たち四人は再び馬車 に乗り込み、エルフの里を後にして要塞都市『王の盾』へと向かってひた走った。クランハウスの正面玄関に辿り着いた時、空は美しくも不気味な (夕焼け)に染まっていた 。
中に入ると、リビングにはタリン、キングラッド、そしてブロムルの三人がすでに集結していた 。
俺がエルフの里での激戦、そしてウラニウス六世との公式な『軍事同盟 』の成立を説明すると、タリンが大斧を床に置いて豪快に笑い転げた 。
「ガハハハハッ!! さすがは大将だぜ! あの高慢ちきなエルフの王様まで平伏させちまうなんてな! よし、全員で美味い酒 を開けて最高の『(宴)』を始めようじゃねえか!」
すると、キングラッドが真剣な表情で俺に向き直った 。
「リョウガ、お前が不在の間、ギルドマスターのイーゴリ(Igor)と領主ガレス様が、あの聖殿の『レベル5の修道僧』と極秘の交渉を行い、一応の妥協案 を取り付けたぞ。先日の審問官殺害の一件、聖殿側へ巨額の『賠償金 』を引き渡すことで、これ以上の追及はせず、完全に和解 とするそうだ。お前がここにいなかったため、俺がクランの資金からそのマブラー(金額)を立て替えて支払っておいた」
俺は目を細め、冷酷にキングラッドを見据えた。「いくら支払った?」
「……**【金貨40000枚】**だ」キングラッドが答えた 。「本来はさらに法外な額を要求されていたのだが、イーゴリと領主様が強引に額を削って引き下げてくれた のだ」
俺の唇が、自然と他者を圧するような残虐な笑みの形へと歪んでいった。
「キングラッド……お前は本当に、あの欲深き聖殿のシステム が、たかが金貨4万枚程度でこの俺を放っておくと思っているのか?」
キングラッドは一瞬言葉に詰まった。「……俺は、ただ少しでもお前の足枷(問題)を減らし、件を穏便に終わらせた
かった だけなんだが……」
「気にするな。お前が間違った わけじゃねえ。むしろ都合が良いさ。奴らが再び俺の領域に踏み込んできてクソみたいな邪魔 をしやがったら……今度こそ、聖殿の羽虫どもを合法的に一人残らず『 惨殺 』する絶対の『(大義名分)』ができるからな」俺は骨の髄まで凍りつかせる声で言い放った。
その冷徹な威圧感に全員が背筋を凍らせる中、ドワーフのブロムル(Bromur)が大きな革袋を机の上にドンと置いた 。
「大将! こいつが俺の特製の『防毒マスク 』だぜ! お前のアイデア通り、この顎 のフィルター部分にエナリルの精製した『治癒の魔導液体 』を注入して呼吸 すれば、猛毒の霧を完璧に中和して清浄な空気を体内に送り込める仕組みだ。ただし、中の液体のマナ濃度 によって、マスクの稼働持続時間 は変わってくるからな」
ブロムルは俺を見てニヤリと笑った。「だからよ、出発までに持てる限りの治癒液体 を大量生産 しておいてくれ。明日、いよいよあの『大理石の墓標』へ出陣 するんだろ?」
「ああ。明日、遠征を開始する」俺は短く応じた 。
全員で一杯の酒 を干した後、各自が明日の遠征に向けた最終的な武器の点検やポーションの管理 に取り掛かった。
俺は自身のマナの循環を高め、明日へと備えるために、静かに二階の自室 へと戻った。
部屋に入り、重厚な扉を閉めたまさにその瞬間――頭の中に、冷徹な機械音 が不気味に鳴り響いた―― 。
【ステータス更新 】
プレイヤーレベル (Level): 58 ➔ 62 (UP! - レベル60を超えると、マナの上限を突破することがより困難で、より重荷になる。)
固有魔法 (Magic):
【影魔法】 ➔ Level 8
【双焔魔導】 ➔ Level 6 (UP! - 炎と氷の竜のオーラは、原子レベルでの安定状態に達した。)
【原子崩壊(Atom Crush)】 ➔ Level 3 (UP!)
【消滅(Extinction )】 ➔ Level 3 (UP! - 爆発後の大量絶滅の速度は、100分の1秒の領域に達した。)
保有魔眼 (Magic Eyes):
• 【第一の魔眼:分析の魔眼】 ➔ Level 5
• 【第二の魔眼:合成の魔眼】 ➔ Level 4
【第三の魔眼:混沌の魔眼】 ➔ Level 3 (UP! - 半径500メートル以内のマナと物理元素を同時に瞬時に破壊する)
物理ステータス (Physical Status):
筋力 : +270
敏捷 : +335 (完璧な筋肉協調と絶対的なスピード)
称号 : 【戦場を統べる孤狼 】
リョウガがレベル62に到達し、**【混沌の魔眼】を覚醒させて陥落都市「大理石の墓標」**の領有権を手にしたことで、第一章は無事に幕を閉じました。
読者の皆様、これまでの温かいご声援と執筆への熱いサポートに心から感謝申し上げます。次回の第七十一話より、本作は待望の「第二章」へと突入いたします! クラン『神狼の刃(The Blades of Divine Lupus)』の、死者の地での新たなる建国と覇道の旅路をぜひお楽しみに!
愛を込めて。
著者:Ebi




