第61部~第63部
第六十一話:聖殿の階級律と、三十万の金貨響
俺――ハナシ・リョウガは手の中に握らされた密書 を鋭い眼光で見つめた。封筒の裏に押された刻印の紋様……それは間違いなく、国王直属の最高機密情報機関――**『王の眼耳 』**の極秘の紋章だった。
俺が立ち止まって深く考え込んでいる のを見て、隣にいたタリンとキングラッドが顔を覗き込んできた。
「どうした、リョウガ。その手紙は一体誰からだ? 何か不穏なことでも書いてあるのか?」
俺は手紙を素早く懐にしまい、前を向いた。「……いや、何でもねえ。今は急ぎ冒険者ギルド へ向かうぞ。詳しい話は、クランハウスへ帰ってからお前たちに説明する」
二人は神妙に頷き、俺たちは足早にギルドの本部へと滑り込んだ。
受付のカウンターへ進み、リズに向かって「マスター・イーゴリに会いに来た」と告げると、彼女は深く一礼し、すぐに俺たちを奥の執務室へと案内してくれた。
扉を叩いて中に入ると、ギルドマスターのイーゴリ(Igor Stone-Crusher)が即座に立ち上がり、大きな両手を俺の肩へと力強く置いた。
「よく来たな、リョウガ! お前は一人のマジャラジュ(冒険者)として、まさに『 (最高)』の戦士だ! あの規格外の戦闘スタイルと大金星の噂は、今やこの要塞都市だけでなく、アラマンドン王国の全域、さらには一部の隣国にまで轟き渡っているぞ。ギルドの本部には、各地からお前への感謝と絶賛の手紙が山のように届いている。街を滅亡の地獄から救ってくれたこと、ギルドマスターとして、そしてこの街の住人として心から感謝する。本当にありがとう」
「感謝には及びません、マスター」俺は (冷徹)に応じた。「俺にとっても、これはギルドからの正当な依頼の一環に過ぎませんからな」
イーゴリはフッと満足げに笑うと、次にタリンとキングラッドに向き直った。
「そしてタリン、キングラッド。お前たち二人にも最高の祝辞を述べねばならんな。お前たちの指輪のレベルアップ を、ギルドの魔導システムが完全に検知し、登録を更新したぞ。マジャラジュの指輪が進化する際、ギルドの総本部へも自動的にそのマナ波動の通知が届く仕組みになっているのだ。これで二人の地位も格段に上がったな」
イーゴリは机の上の重厚な鉄の箱を指差した。
「さて、本題だ。一回目と二回目の防衛戦で回収された、無数の魔物どもの魔石の買い取り報酬 の準備がすべて整った。だが、あまりにも天文学的な金額になるため、ギルドの資金繰りの都合上、二回の『 (分割払い)』とさせてもらう。……まず、第一回目の として、本日**【金貨300۰۰枚】を支払おう。そして残りの【金貨400۰۰枚】**は、来月に第二回目の として確実に引き渡す。合計で金貨7万枚だ」
その莫大な金額を耳にした瞬間、タリンは顎が外れんばかりに大口を開け、(目玉)を大きく見開いて硬直した。
「ぎ、金貨3万枚だとぉ!? おいおいおい! 今夜は美味い酒を死ぬほど浴びるように飲む、人生最大の『(大宴会)』を開くしかねえな!!」
キングラッドがそれを見て、呆れたように笑い飛ばした。「ハハハ! お前たちドワーフ の脳みそには、酒 以外の概念は詰まっていないのか、この大馬鹿野郎」
イーゴリは笑いを収めると、急に真剣な面持ちになって声を潜めた。
「……だがリョウガ、一つだけ極秘の『警告 』がある。聖殿 の内部にいる俺の密偵から報告があった。先日の審問官殺害の一件、およびお前の規格外の力の調査のため、聖殿の本部から**『レベル5の修道僧 』**がこの街へ向けて派遣されたらしい。聖殿と正面から戦争をするのは得策ではない。俺も全力で知恵を貸す、何か別の切り抜け方を探すんだ」
それを聞いた俺は、ただ鼻で冷酷に笑い飛ばした。「……奴らが何を考え、誰を送り込んでこようが、俺の知ったことじゃねえ。もし俺の主権を侵し、敵となるならば、俺は聖殿の者だろうが神だろうが、一切の慈悲 をかけずに『消滅』させるだけだ」
「相変わらず恐ろしい少年だ……」イーゴリは苦笑いした。
「マスター、俺たちは一度戻る」俺はそう告げると、タリンに金貨の入った重い袋を持たせ、四人はギルドを後にしてクランハウスへの帰路についた。
その道中、俺は懐から例の『王の眼耳』からの密書を取り出し、歩きながら目を通した。手紙の主は領主ガレス様だった。彼はギルドマスターと同じく、聖殿から派遣される『レベル5の修道僧』について詳しく説明していた。
手紙によれば、聖殿の内部における修道僧(審問官)たちの 階級( ランク)は、以下のように厳格に (体系化)されているという。
【最上階級:神の息子たち 】
わずか「三名」のみで構成される聖殿の最高権力者。彼らに個人の名はなく、ただ『第一の息子』『第二の息子』『第三の息子』の階位でのみ呼ばれ、神の代行者としての絶対的な神聖魔力を有する。
【上級階級:レベル1〜レベル10の修道僧(سطح های یک تا ده)】
数字が小さくなる(あるいは、特定の聖殿の位階)ほど強大な魔力を誇る、聖殿の実質的な最高戦力部隊。今回派遣される『レベル5』は、一国の軍隊を単騎で壊滅させうるほどの凶悪な固有魔法の使い手である。
【中下級階級:一般的な修道僧 】
先日、リョウガが広場で『消滅』させたあの審問官のように、各都市の聖殿に無数に配属されている、異端審問の末端の執行者たち。
手紙の最後にはこう締めくくられていた。
『リョウガ殿、奴らの力は油断ならん。どうか今は (冷静)に徹してくれ。国王陛下も私も、いざという時は全力でお前をバックアップ する』
俺は手紙を魔導の焔で焼き尽くし、内容をタリンとキングラッドに共有した。
「なるほどな、人間の敵の中に、今度は聖殿の本格的な化け物が混ざってきたわけか」キングラッドが槍の柄を握りしめ、表情を引き締めた。「注意深く動きを見極める必要 があるな」
そんな会話を交わしているうちに、俺たちは新居であるクランハウスの正面玄関へと辿り着いた。タリンが金貨の袋を抱えたまま、大きな音で扉を叩いた ――。
第六十二話:日出ずる国の階級と、神狼のクラン協定
タリンが金貨の袋を抱えたままクランハウスの重厚な扉を叩くと、中からエナリルが静かに扉を開けた。俺――ハナシ・リョウガをはじめとする一行がリビングへと足を踏み入ると、そこには見違えるような光景が広がっていた。
エナリルの手配によって温かい風呂に入り、泥を洗い流した二人の亜人の少女が、仕立ての良い見事な衣服 に身を包んでそこに立っていたのだ。一人は艶やかな長い黒髪 を背中に流し、もう一人は少し短めの髪 を綺麗に整えている。
俺たちの姿を見ると、二人は静かに前に進み出て、深く丁寧に (拝礼)をした。その瞳からは、**今朝 **の奴隷市場の檻の奥で見せていた狂暴な恐怖と激しい(怒り)の波動が、明らかに薄れて消え去っていた。
俺たちはソファーに腰掛け、それぞれ己の自己紹介を済ませた。正式に俺は、二人の目を正面から見据えて再びその名を問いかけた。
今度は、長い黒髪を持つ姉の方が、凛とした声で静かに口を開いた。
「……助けていただいたこと、心から感謝いたします。私は**『カゼミ(Kazemi )』、 shadow そしてこちらは私の妹の『キヤム(Kiyamu )』にございます。私たちの名前は遠き故郷の古代語で、カゼミは『剣を動かす暴風 』、キヤムは『静寂なる忠義の守護者 』を意味します。私たちは、日出ずる国(東の国)の『カワムラ(Kawamura)一族』**の者です。しかし、敵対する大クランとの戦いに敗れ、我が一族の領地はすべて奪われ、民は惨殺されるか、私たちのように奴隷として売り飛ばされてしまったのです……」
その言葉の途中、隣にいた妹のキヤムが、一族の無念と凄惨な記憶を思い出したのか、その美しい瞳から大粒の涙を流して激しく啜り泣いた。
俺は冷徹ながらも、どこか静かな声で告げた。「泣くな、少女よ。終わった過去を悔やんでも意味はねえ。それよりも、お前たちの故郷である『日出ずる国』の現状について、俺に詳しく教えてくれ。俺はあの東の国の力に興味がある」
カゼミは涙を拭う妹を庇うように抱き寄せ、静かに言葉を続けた。
はい。日出ずる国は本来、広大な大地を支配する『7つの大一族 』によって分割統治されておりました。各領地の間では常に血で血を洗う戦乱が続いていましたが、今から三百年前、死者の地の深淵から湧き出た魔物の大侵攻により、7一族は一時的な(和平条約)を結ぶことを余儀なくされたのです。しかし時は流れ、現在の一族の首領 たちは皆、再び私欲に駆られ、7つの全領域を我が物とせんと裏で暗躍しております。その7つのクランとは――我が**『カワムラ(Kawamura)』、『アルカニア(Arkania)』、亜人のニンジャを擁する『ハンゾー・アジン(Hanzo-Ajin)』、暗黒の魔術を操る『闇のツクヨミ(Dark Tsukuyomi)』、『アンドラ・ミソ(Andra-Misu)』、『シンザール(Shinzhar)』、そして『カゲロイン(Kageroyin)』にございます。しかし私の最新の情報では、すでに2つの一族が滅ぼされ、今や5つのクランしか残っておりません。 shadow そして、我がカワムラ一族を無残に滅ぼし、現在国で最も強大な覇権を握っているのが……あの恐るべき『闇のツクヨミ 』**の一族なのです」
俺は手を顎の下 に当て、冷酷な笑みを浮かべた。
(なるほどな……。遠く離れた東の国でも、同じように弱肉強食のシステムがうごめいているわけか。だが、面白い)
俺は視線を二人に戻した。「過酷な地獄を生き抜いてけきたようだな。だが安心しろ、お前たちは今日この瞬間から、俺たちのクラン『神狼の刃』の『家族 』だ」
俺は続けて、俺たちがこのアラマンドン王国を離れ、死者の地の最前線にあるあの陥落都市『エルドリア』を強引に奪還し、誰にも属さぬ独自の『独立都市』を建国する壮大な計画をすべて彼らに語って聞かせた。
その人外の野望を耳にした瞬間、カゼミとキヤムの姉妹は驚愕のあまり息を呑んだが、次の瞬間、二人はソファーから滑り降りるようにして俺の御前に平伏し、絶対の『忠誠の誓い 』を立てた。
「我が命、そして我が一族の残された刃のすべて、今日より英雄リョウガ様の玉زهのために捧げます……!」
「良い覚悟だ。立ち上がれ」俺は不敵に笑った。
「明日、俺の従兄弟である最高のドワーの(鍛冶屋)から、大量の最高峰の遠征装備と(甲冑)がこの屋敷に届く手はずになっている。お前たちの武器や装備も、その中から好きなものを自由に選ぶがいい。この豪邸には空いている部屋 がいくらでもある。各自気に入った部屋を一つ選び、今夜は泥のように休息をとれ。そして明日、お前たち二人を冒険者ギルドへ連れて行き、我がクラン『神狼の刃』の正式な構成員として登録 を済ませる」
「「御意にございます、主上」」
建国のための新たな強固な『刃』を手に入れ、俺たちはそれぞれの自室へと戻り、明日からの遠征に向けて静かに眠りについた。
――しかし、翌朝の早朝。
まだ夜が明けきらぬ薄明明の中、クランハウスの敷地外から、不穏に大地を駆ける無数の「馬の足音 」が重々しく響き渡り、静寂を切り裂いた――。
第六十三話:異国の最強姉妹と、聖殿の五位法僧
早朝の凍てつく冷気を切り裂き、クランハウスの敷地外から無数の馬の足音 が響き渡り、やがて正面玄関の扉のすぐ目の前でピタリと止まった 。
リビングにいたキングラッドとタリンが即座に武器を握り締め、警戒態勢に入る 。
その時、扉の外から重々しく な声が響いた。「おい、開けろ! 荷物を持ってきたぞ!」
それを聞いたタリンが、ガハハと豪快に笑い飛ばした。「おい、安心しろよ二人とも! 俺の従兄弟のブロムル だ!」
タリンが扉を開けると、そこには大量の遠征装備を馬車に積んだブロムル・グレイビアードが立っていた。彼は屋敷に足を踏み入れるなり、大きな声を張り上げた。「すべての装備を完璧に仕立てて持ってきたぜ! ところで朝飯は何だ? 腹が減って死にそうだぜ!」その騒がしい様子に、エナリルが温かい微笑みを浮かべて応じた。「どうぞ中へ、すぐにご飯 の支度をしますね」
全員で賑やかに朝食を平らげた後、ブロムルは茶杯を置き、真剣な目を俺――ハナシ・リョウガに向けた 。
「リョウガ、俺は昨夜のうちにすべての仕事を終わらせ、店 を弟子に譲ってきた。今日から正式にお前たちのクラン の一員として同行させてもらうぞ」
「最高だ、ブロムル」俺は薄く冷酷な笑みを浮かべて頷いた。「ちょうど朝食の後、俺と新入りの二人の少女を連れて、冒険者ギルドへ登録 へ向かうところだったんだ。お前も含めて四人で向かうぞ」
出発の前、俺はブロムルが運んできた最新の遠征装備を精査し、二人の亜人の姉妹に向き直った。「カゼミ、キヤム。そこから自分の好む武器 と z zره(防具)を選ぶがいい」
二人は驚くほど手際よく、身軽に動ける軽量の『軽装甲の防具 』を選択した。さらに姉のカゼミは、自身の俊敏さを活かす二本の『双剣 』を、妹のキヤムは超高密度の『鋼鉄の双短剣 』を腰に帯びた。その佇まいは、一瞬にして気高き暗殺者のそれへと変貌していた。
四人で活気に満ちた冒険者ギルドの本部へと入ると、受付のリズが深い敬意を込めて俺たちを迎え、新入りの魔力測定の儀式を開始した 。
まず最初にブロムルが進み出て、測定用の『魔導の水晶球 』へとその分厚い掌を置いた。水晶球が激しく脈動し、赤色の輝きの中に二つの黄金の星が浮かび上がった。
『登録変色:ゴールド・Bランク(2つ星)』
「ほう、さすがはドワーフのベテラン戦士だな。見事だ」俺の言葉に、ブロムルは自慢の灰髭を撫でながら胸を叩いた。「ガハハ! 俺たちドワーフ は生まれながらに全員が最強の戦士なんだよ!」
続いて、姉のカゼミが静かに水晶球へと手を触れた。次の瞬間、ギルド内の全魔力センサーが悲鳴を上げるほどの凄まじい波動が走り、水晶球が眩い『黄金色 』に染まり、一つの巨大な星が浮かび上がった。
『登録変色:ブロンズ・Aランク(1つ星)』
その異次元の才能の数値に、受付のリズをはじめ、周囲にいたすべての冒険者たちが「開いた口が塞がらなくなり 」、絶句して硬直した。平民の少女が最初からAランクの輝きを放つなど、常識ではあり得ないからだ。
最後に妹のキヤムが手をかざすと、今度は赤色の輝きの中に三つの星が鮮烈に明滅した。
『登録変色:プラチナ・Bランク(3つ星)』
新入りの三人が、いずれも一国の精鋭騎士を凌駕する超高位のランク の持ち主であることに、俺は胸の内で深い満足の笑みを浮かべた。これならば、あの失われた都市の掃討も容易い。
ギルドでの正式な登録をすべて終え、俺たちは遠征の最終準備のためにクランハウスへの帰路についた。
――だが、真昼の賑やかな中央通りを歩いていた、まさにその時。
数十人の純白の外套を纏った聖殿騎士団の軍勢が、殺気を放ちながら突如として俺たちの四方を完全に「包囲 」したのだ。
カゼミが即座に二本の剣の柄に手をかけ、鋭い声を漏らした。「主上、気を付けて……! この防囲の奥から、今までに感じたことのない異次元の悍ましいマナ の気配が接近してきます!」
群衆がパニックを起こして割れる中、金色の刺繍が施された高位の法衣を纏った一人の男が、冷酷な足取りで前に進み出て、大声を張り上げた。
「我が名は聖殿の上級審問官。ハナシ・リョウガよ! 前日の聖殿修道僧殺害、および異端の契約容疑により、貴様をここで再び拘束し、真なる異端審問室へと連行する!」
右目の魔眼が一瞬で奴の階位を見通す。聖殿の実質的な最高戦力部隊の一角――**『レベル5の修道僧 』**だった 。
「そこまでだ、聖殿の審問官殿!」
その時、異変を察知したギルドマスターのイーゴリ(Igor Stone-Crusher)が、ギルドから怒号と共に飛び出してきた。
「リョウガはこの街を救った不屈の英雄であり、国王陛下直々の『名誉騎士』であられるぞ! 確固たる王法の証拠もなしに、これ以上の不当な拘束はギルドの法が許さん! 先日の裁判で、奴はすべての(陰謀の証拠)によって完全に無罪放免 となっているはずだ!」
しかし、レベル5の修道僧は顔を怒りに染め、手にした魔導の杖を地面へと激しく叩きつけた。
「黙れ、冒険者の長よ! 我ら神の使徒の御前には、人間の王法もギルドの规则も(微々たる塵)ほどの価値もない! 聖殿の法こそが絶対正義! 騎士たちよ、その悪魔を捕らえよ!」
修道僧の命令により、数十人の銀の騎士たちが一斉に大剣を引き抜き、一触即発の地獄の空気が通りを支配した 。
タリンやカゼミたちが今にも飛びかかろうとした、その刹那――俺は圧倒的な『(冷徹)』を保ったまま、ゆっくりと一歩前に進み出た 。レベル5۸へと至り、新覚醒した固有魔法【原子崩壊(Atom Crush)】の狂暴なマナが、俺の右拳の奥で凶暴に脈打っている。
俺は右目の魔眼をギラリと光らせ、レベル5の修道僧の瞳を正面から睨みつけた。
「おい、勘違いするなよ、聖殿の羽虫ども。俺の進む路を遮り、敵となるならば……相手が神の使徒だろうが神そのものだろうが、俺は一切の慈悲をかけずに『消滅』させるだけだ」
リョウガの肉体から放たれた、空間を窒息させるほどの絶対的な終末のマナの波動を前に、さっきまで勝ち誇っていたレベル5の修道僧の顔が初めて驚愕と冷や汗に染まり、恐怖に激しく引き攣った。
「貴様……もし抵抗するならば、我がレベル5の『破壊の魔術 』を以て、この街のすべてごと灰にしてくれるわ!」修道僧が狂ったように叫ぶ。
戦場が恐怖で凍りついた、まさにその瞬間――。
「そこまでだ! 聖殿の審問官よ、王の街でこれ以上の暴挙は許さん!」
広場を割って、王宮騎士団を率いた**『領主ガレス様 』**が、圧倒的な威厳を纏って戦場へと乱入してきた―― 。




