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終活アイドル ラスト☆スターズ ~アイドルの寿命は短い!~  作者: 水鳥 いつき


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13/20

13話 アイドルとファンの絆

マコは高校3年生になった。推し活の為に推薦で合格して早く進学を決めてしまいたいと日々勉強をしていた。それでもライブがある日は遠くの所以外の都内のライブは出来るだけ行っていた。


ラスト☆スターズのフォロワーは15000人を超え、順調に成長していた。 ライブの規模も大きくなり以前の様なデパートの一角とかではなく、ライブハウスで行う様になっていた。 ファンが増えると嬉しい半面、残念な事が起きる。握手会になかなか当たらないのだ。

ラスト☆スターズは他のアイドルグループと違って喋れる時間が30秒と決まっている。お金もタダなのだが何回も喋れる事が出来ない。抽選に当たらなければならないのだ。初めの頃はファンも少なかったので余った時間はまた話事もできたが、今はもう無理。 


また外れた……最近全然当たらない。


ファンが増えるのは嬉しいけど、昔はもっと沢山話せたのにな…… 

ゲンちゃんに会いたいな……

やっと当たった握手会。ゲンちゃんの列に並び順番を待つ。次のライブはゲンちゃんの生誕ライブだ。これだけは行きたかったのだが英語のテストと被ってしまった。

やっと自分の番。ゲンちゃんが私を見て微笑む。


「元気。勉強頑張ってる?」


「うん。 だけどゲンちゃんの生誕ライブに行けなくなった。英語のテストが、ごめんね」


慌ててゲンちゃんが謝らなくていいよと。


「配信でみるね。リアタイでは観れないけど塾があるから、でも夜に観る」


「僕、マコちゃんがそこにいると思って歌うから」

「会場にいなくても、配信でもマコちゃんにちゃんと届く様に歌うよ」


マコの目が少し潤んだ。


「ありがと、でも勉強に集中出来なくなっちゃうかも」


マコが微笑む。


「いや集中してよ、勉強頑張ってね」


「うん、頑張るね」


握手会の後、控え室に戻るとキヨがスマホをみてニヤニヤしている。


「どうしたの」


「アヤカちゃん」


「テニスの?」


キヨは俺にスマホを見せる。


「全国大会出場決定しました」


アヤカがラケットをかかげて笑っている。


「おお!」 俺も思わず声を上げた。

「あの大会無くなった子だよね」


「そう」 キヨが嬉しそうにうなずく。


「凄いじゃん」


「凄いよな。 最初会った時テニス辞めたいって言ってたんだ」


「頑張ったんだね」


「うん、本当に頑張ってんだと思う」


「俺が応援してる気持ちになったんだけど、逆に元気を貰ってる気がするよ」


俺も頷く。


「アキくんがね。」リョウが俺達に話かける。


「アキくんはアメリカに行く事が決まったんだよ」

リョウが微笑む。


「アメリカに行って、勉強とスポーツの二刀流でトップを目指したいんだって。 彼は才能がある、何よりも全力で打ち込みたい気持ちが素晴らしいんだ。彼は出会った時とは全然違うよ、1%の才能を99%の努力で活かせる人間に成長したんだ」


「そこで、佐々木さんに提案があるんだ」


「はい? なんでしょう?」


リョウの目が光る。


「僕達の握手会やネットでのファンミーティングの時間を増やして欲しい。お金はいらない」


「いいけど、あなた達のお休みが減っちゃうよ。大丈夫かしら」


「僕は自分の使える時間を無駄にしたくない。 ファンのみんなと出来るだけ語り合いたい。会場が無理ならネット上でもいい」


「ワシもマキちゃんと喋れる頻度が減ってきちゃったから、それええやん」


「せっかくモモカさんが可愛いかっこで来てくれてるんだから、出来るだけ握手会にも来れるようにして欲しいな」

ヨーくんも続く。


佐々木プロデューサーはまた簡単に泣いてしまった。


「そうね、一部のファンを特別扱いは出来ないけど、出来るだけ多くのファンにあなた達と出会えるように時間を増やしましょう」


俺は少し考える。


マコちゃんも、アヤカちゃんも、アキくんも、マキちゃんも、モモカさんも必死に人生を生きている。

そんなみんなの人生に俺達が少しだけ寄り添える。

笑顔になってもらえる。

それはきっと、とても幸せなことなんだと思う。

たとえ一瞬だとしても・・。





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