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第24話 開催。『魔都武闘大会』

魔都武闘大会。

ある者は富と名声を求めて。

ある者は強者との闘いを求めて。

またある者は己の欲求を暴力という形で満たすため。

様々な思いが入り混じる武闘大会に意図せずユウヤは参加する事となった。


武闘大会と言っても世界各地から参加する超大規模な大会からローカルの大会まで様々らしい。

今回オレが参加するのも残念ながら小規模、トライゾンの住民しか参加しないと言われている大会らしい。

規模は優勝商品に応じて変わるらしく、賞金しか出ない大会もあれば国宝級の武具防具が出る事もあるらしい。


ここは選手控え室。小規模と言われている通り、周りを見渡すと魔族ばかりである。ユウヤは椅子に座りながら気怠そうに出場者を眺める。武闘家のような出で立ちの老人や巨大な鎌を持った魔族、中には小さな子供もいる。

見ただけでは強さなどわかるはずもないのだが明らかにヤバそうなのも混じっている。

中でも危険と思われるのが数名。

壁にもたれ掛かり腕組みをしながら瞑想している全身真っ黒な服を着て同じく真っ黒な肌、一際目立つ白い一本角の若い魔族。一目で只者ではない気配が漂っている。

控え室中央付近にて筋トレをする熊の獣族。茶色い体毛に覆われた体は極限まで鍛えられているのが見て取れる。身長は2メートルを軽く超え、腕はユウヤの腰回りほどはありそうだ。正に鋼の肉体の持ち主である。

他にも数名明らかにヤバいオーラを纏っている者がいる。


アイツらとは当たりたくないな…あ、アイツも強そうだ…そんな事を考えながら参加者を眺めていると

「ただ今より予選を開始いたしま〜す。参加者番号1番から20番までの方、奥までお進みくださ〜い」

突如、控え室に響き渡るアニメ声。見ると限界まで露出した服を着た桃色の髪の魔族がいた。

セフィと接戦を繰り広げるに違いない素晴らしい肢体を恥ずかしげもなく披露している。その服どこで売ってんの?

発言からして司会進行役なのであろう。そうでなければただの痴女だ。

先ほどの白い角の魔族も奥へと進んでいく。

さきほど見かけた子供も一緒だ…怪我しないことを祈ろう。


司会進行兼痴女の発言からして予選を数回行い、本線が行われるのだろう。受付で説明をされたような気がしたが今イチ覚えていない…

覚えていないのには理由がある。断じてオツムの出来が原因ではない。ないったらない。

受付を済ませた後レクスとシヴァと別れこの控え室に入ってきた。その直後から凄まじい殺気がユウヤに向けて放たれている。他の出場者を眺めている時も軽く身体を動かしている時もトイレの時も…

何より気になるのがその相手。

若い虎の獣族。ある時は目にも留まらぬ速さで両手に短剣を持ち逆手の構えから斬撃を叩き込む強者、またある時は全幅の信頼を寄せる主人に叱責され生まれたての子鹿もとい子虎となる…名をロイドと言う。

「いいかよく聞け。主人がどれほど貴様を認めようともオレ様に勝てぬ内は貴様の事を決して認めぬからな?」

「別にお前に認めてもらおうと思ってないよ…つーかその殺気引っ込めろよ。鬱陶しい…」

心底うんざりした顔で答える。戦闘中ならまだしも何故控え室で敵意を向けられなければならないのか…それも唯一の顔見知りから。

「オレ様に勝てれば少しは認めてやってもい『続きまして参加者番号21番から40番までの方〜奥までお進みくださ〜い』…チッ、話は後だ。いいか?こんな大会ごときで予選落ちなど許さんからな⁉︎」

散々キャンキャンニャンニャン騒ぎ立てた後、予選に参加すべく奥へと消えていくロイド。よほどレクスティアがオレに好意を向けてくるのが気に入らないらしい。

あのトラ坊主予選落ちしないかな…


ロイドに同意するわけではないが気持ちは分かる気がする。確かに出会ったばかりであるにも関わらずあそこまで好意を向けられると少なからず途惑いを覚える。

ロイドにしてみれば付き従ってきた主人が突如現れた馬の骨に誑かされているように見えるのだろう。

一人で椅子に座りその理由を考える。まぁ考えるまでもなくレクスティアから既に聞いているのでわかっているのだが…


『運命の転生者』

シヴァもレクスティアも言っていた言葉。

その名が何を意味し何を為さねばならないのか。

今はまだ謎に包まれている。シヴァもレクスもそれ以上は何も教えてくれない。答えないというより答えられないようにも見える。いつかわかる時が来るのだろうか…


また司会痴女が番号を呼んでいる。このグループが終われば次はいよいよオレの番だ。奥へと進む集団に一際目立つ巨体、熊の獣族だ。さっきの子供と同じぐらいか少し年上ぐらいの子も一緒に奥へと進んでいく。あんな小さな子、しかも女の子だ。熊と比較すると大人と子供どころではない。まるで城と犬小屋だ…例えが悪いな。

まぁどんなに心配したところであの子達も自分の意思で参加しているのだろうしそもそもオレにできる事はない。ただただ無事を祈るばかりだ。


『お待たせいたしました‼︎番号札61番〜78番までの方、今残られている全ての皆様で最期の予選を行いま〜す。皆さま奥へとお進みくださ〜い』

よく通る声で痴女兼司会進行役が叫ぶ。身に纏っているのは最早紐である。サイコーかよ


とにかく今は予選を勝ち抜くことに集中しよう。

どれぐらい強い奴がいるのか楽しみだ‼︎


更新が遅れに遅れ申し訳ありません。執筆頑張ります

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