第23話 発覚。転送装置の「条件」
纏わりつくレクスティアを宥め主人を取られて拗ねるロイドに気を使いニヤニヤと眺めているシヴァを睨みながら…何とか話を元に戻す。はっきり言って疲れた。
「もう一回聞くよ?転送装置を使うには大金積むかこの魔都に有益な人物であると証明しないとダメって事?」
ユウヤは改めて先ほどレクスティアから聞かされた内容を確認した。転送装置を使用するには条件があるらしい。
1、高額な使用料を払う。
2、魔都に対し多大な功績を残した人物
3、『議会』が有益であると判断した人物
前例としてはこの3つらしい。ほとんどが1らしいが。
「そうです。転送装置は太古の遺産。自由に使える代物ではないと聞いております。私もこの街に来た目的の1つに転送装置があります。私の場合は獣王という称号と資金のどちらかで使用可能だと思います。」
じゃあオレを人族の領地まで送って、とは言えないよな。流石にそれは他人を利用しすぎだろう。
「金もないし功績なんか簡単に残せないし…参ったな。」
酒場の依頼をこなしたところで大金を稼ぐとなると果たしていつになることやら…
「もっと確実な方法がありますよ!武闘大会で優勝すればいいんです。この街では力こそが全てです‼︎」
エロ狐が豪語している。いくらオレがドラゴンスレイヤー(自称)だからってそれは…
「もうエントリーは済ませております!私めにユウヤ様の実力を見せてくださいまし」
アホ狐が寝言を言い出した。暴走にも程があるだろ…
「オレ様も出場する。トーナメントで当たったら運が悪いと思って諦めろ」
マジかよ…コイツとは当たりたくねぇ。確実に殺しにくるな。
「ロイド…勿論その時はわかってますわね?」
レクスティアが気温を下げにかかる。ロイドが途端にプルプルし始める。
「も、勿論でございます。」
曖昧に回答してやがる。勿論殺します、じゃないだろうな?
「つーか何勝手にエントリーなんかして…いや待てよ?シヴァにもらった刀と新しい魔導闘衣も試してみたいし。いい腕試しになるかもな」
この世界に来てオレも変わってきているのかもしれない。戦闘に対し前向きになっている気がする。シヴァの言う魂が馴染むってこういう事なのかもな。
少し離れた建物の屋根からユウヤ達を見下ろす二人の子供がいた。一人は髪の短い金髪の少女。同じく金髪の少年。軽装に身を包みユウヤ達を観察している。
「姉ちゃん、本当にアレがジェノス様を倒したやつなの?なんかあんま強そうに見えないけど」
「あの人族と闘ってる最中に獣族に不意打ちをくらい敗れたらしいわ。ケダモノらしい卑怯な戦い方だわね」
「そうだよな。まともに戦えばジェノス様が負けるわけないもんね。つーかオレ一人で充分だろ」
「油断は禁物よ。少なくとも獣王も相手にするとなると一筋縄ではいかないわ」
「じゃあさ、アイツらどうやら武闘大会に出場するみたいだしオレらも参加しようよ」
「武闘大会か…そうね。そこなら一対一だし簡単に手出しも出来ないわね」
「よし決まり。エントリーしに行こう」
ユウヤの知らないところで新たなる火種が起きようとしていた。
応援宜しくお願いします




