第5話 管理者(サーヴァント)
BAD END WORLDS それは矛盾の物語
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第5話 管理者
ジャバウォックをどうにか撃破するとこが出来た私達は一度それぞれの家に戻って着替えてからシンデレラの家に集合した
「その服可愛いじゃない!」
「はあ、シンデレラだってだけで置いてある私服がこんなのばっかりだなんてやってられないわよ」
紫を基調とした舞踏会に着て行くようなドレスは着たまま戦闘も出来るように軽い素材で作られているが一体誰がこんなのを着て大衆の前で戦うというのか不思議でならない
本人はそんなことを思っているが鏡に映る彼女のポニーテールにそのドレスは不思議と似合っている
「あなたはあまり変わらないのね、羨ましいわ」
アリスの服は水色のワンピースで先程とほとんど同じだった
「アリスと言ったらきっとこんな感じなのよね、どのタンスを開けても似たようなのばっかりだったわ」
彼女はくるりと一回転して答える
「服トークはそこら辺にして報告書を書きましょうか、えっと確かこの辺りに...」
乱雑とした机の上から一枚の紙を引っ張り出す
「随分散らかってるのね、これ全部報告書?」
「最初の頃に雑魚を倒した分がまだ全然書き終わってないのよ、報告書を書くのは知ってたけど、まさかあんな低レベルな奴を倒しても書かなきゃいけないなんて思わなかったのよ」
「ジャバウォックのを優先していいの?」
「こっちは大物だし王殺に頼まれてるからね、早く書いて今日中には出しに行くわよ!」
気合いを入れて日付からどんどん書き始めるが途中で手が止まる
「矛盾名って私達のと同じ?」
「ええ、矛盾の化身は物語から生まれるものだから、たまに全く同じ存在が来ちゃうのよ、それを区別するために矛盾名をつけるらしいわ」
ジャバウォックの矛盾名は何にすべきか...
悩むが中々良いアイデアが浮かばない
そもそもあんなに報告書の山が出来上がっているのもそのせいだった
「忘却の敵なんてどうかしら?」
「良いわね、それにしちゃいましょう!」
それから先は何度も書いているだけあってスラスラと書き進めることが出来た
「よしっ、こんなに早く書き上がるとは思わなかったわ、アリスのおかげよ」
「えへへー、それほどでもあるかな」
アリスは嬉しそうに手を顔に当てる
「そんな優秀なあなたを見込んで1つ頼みがあるわ、ここにある報告書の矛盾名を後で考えてくれないかしら?」
「いいけど、見たこともない奴の名前なんて思いつくかな?」
「矛盾の化身の形状と特徴は細かく書いてあるわ、大丈夫あなたならきっと出来る!」
「うん何故か無性に出来る気がしてきた!」
馬鹿正直な子だと心の中で微笑しながらも顔には出さないようにする
「それじゃあよろしくね、そうだ、そろそろ報告書を届けに行きましょうか」
24時間営業だと言っていたが流石に深夜に行くのを申し訳ないと思う心くらいはある
「そうだね、ところで管理者さんってどこに居るの?」
「街の中央にあるバベルと呼ばれている塔の最上階にあいつは居るわ」
「あの大きな塔ね、1番上まで登るのにどれくらいかかるかしら」
「報告書を出すだけなら登る必要は無いわよ、あそこにはねちょっとした仕掛けがあるの」
天高く聳え立つのは崩壊する前の神話の神秘、その見た目はこの世界が崩壊しても最後に残るのはここだろうと誰もが思うほど厳格で偉大であった
内装は壁に掘られた彫刻に天井にあるシャンデリアと豪邸と見間違えそうなほどである
その一階にシンデレラとアリスは足を踏み入れる
「不思議な場所ね、外から見るよりも中の方がずっと広い気がするわ」
「そうね、ここだけ異様に空間が歪んでるわ、まあだからこその仕掛けなのだけどね」
彼女はそう言いながら装飾の施された台座の上に報告書を乗せる、すると報告書は突然上に浮かび上がり一瞬で見えなくなってしまった
「凄い!今のどうやったの?」
「私は何にもしてないわよ、さっきも言ったけどこの塔の空間は歪んでいるの、外見よりも内は広く下にあるものは上にある、何もかもが矛盾してるのよ」
「塔全体が矛盾しているのに矛盾が起きるのは台座の上と形状だけなのね」
「その台座がここ一帯の矛盾を制御してるらしいわよ、まあ私も管理者に聞いただけだから詳しくは知らないけれど」
「それじゃあ私達もこれで簡単に上がれるわね、どうせなら管理者さんに会ってお話を聞きましょう!」
そう言ってアリスは台座の上にちょこんと座る、だが何も変化は起きない
「矛盾の効果が現れない私達みたいな存在には意味が無いのよ、会いたいなら階段で地道に上がるしか無いわよ」
「仕方ないわね、頑張って行こう!」
あからさまに嫌そうなシンデレラを差し置いてアリスは元気いっぱいに登っていく
「はあ、結局そうなるのね」
溜息をつきながらも置いていかれないように登っていく
最上階の柱の隙間はこの街全体が一望出来る絶景ポイントであった
一足早く着いたアリスはその光景を見ている
「はあ、はあ、あなたよく元気があるわね」
ジャバウォックに全力を出し切った彼女に階段を余裕で上がりきる体力など残っていなかった
「塔の上からの景色を見て見たかったんだ、そういえば管理者さんは?」
その瞬間アリスの背後の空間が歪み何かが現れる
「どうも新人さん、僕が管理者だよ」
まるで矛盾の化身のように突然現れた彼はアリスに一礼する
「こちらこそはじめまして、忘却のアリスです、管理者さんは名前は無いんですか?」
「そうだね、一応あるにはあるが君達に話すほどのものでもないしなあ...」
しばらく考えた後彼はポンと手を叩く
「管理者とかどうかな?」
「いいと思うわ、この街の何もかもを管理しながらも世界の奴隷であるあなたにはピッタリよ」
「おや2日ぶりだね幻影、君も訪ねてくるとは思わなかったよ」
「出来れば来たくなかったのだけど、生憎この子を1人にするのは心配だったのよ、それよりも報告書に目は通してくれた?」
「ああ、いつもの君の報告書は矛盾名以外なら完璧だが今回はどこも完璧だ、だからこそ不思議に思うよ、今回の矛盾の化身は本物だったのかい?」
管理者の名前を支配者から変えたのまでは昨日の記憶があるんですけどそれ以降覚えてない....
疲れとるんかなー




