第2話 忘却(メモリー)のアリス
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第2話 忘却のアリス
現在
「もう、もう一度最初から始めるわよ、あなたの名前は?」
「そこから!?アリスだよ、不思議の国のアリスの主人公の」
「はあ、あなた何にも覚えてないのね、さっき本名は名乗るなって言ったじゃない」
「そうだった、えーっと矛盾名を考えるんだっけ?」
「そうよ、この世界に来る矛盾の化身は私達とは違ってまだ不安定なの、だから元の世界で関わっていた人とこの世界で関わると矛盾が起こってその戦闘能力が上がることがあるわ、それを防ぐ為に私達は本名ではなく矛盾名を使うってさっき説明したでしょう?」
「えへへ、ごめんごめん、それで私の矛盾名は何がいいかなー?」
矛盾名はその者がかつて犯した罪を称している事が多い、何故ならそれこそがこの世界で生きる意味に等しく、物語から降ろされた彼らに残るのもは矛盾だけであるからである
「そうね、自分の事を忘れていて何の矛盾を犯したのかもわからない、忘却なんてどうかしら?」
「それだと覚えてるってことなんじゃ」
「矛盾名は矛盾しているものが大半よ、まあたまにひねくれてるのも居るらしいけれどね、忘却なんてあなたにピッタリじゃない」
「そうなんだ、なら忘却でいいかな、でも私だって自分の矛盾くらいは覚えてるよ!」
「えっ、だったら何で言わなかったのよ」
「だって質問攻めにされて言うタイミングが無かったんだもん」
「それは悪い事をしたわ、ならそれを使えばいいんじゃない?」
「うーん、あんまりいい思い出でも無いからねー、私は忘却でいいわ」
彼女は紅茶を一口飲んで尋ねる
「そういえばこの世界にはあなた以外の方はいるの?」
「それもさっき説明したはずなのだけど、まあいいわ、どうせ全部説明することになりそうだし」
「えへへー」
「笑って誤魔化そうとしないの、この世界にいる人の話の前にこの世界の事から説明するわね」
「この世界は矛盾の街エンズを中心に東西南北の4つのエリアに分けられるの、そして1つのエリアには1つの門があってその周りは特徴的な地形で囲まれているわ、そしてここが私達が守るべき東門よ」
私は地図を持ってきて東門を指差す
「1つの門を守るのは原則として2人の矛盾執行者よ、だから門を挟んでお互いの領民が住む居住区を構えているわ」
アリスが手を挙げる
「はい!領民って誰ですか?」
「領民というのは私達が犯した矛盾のせいで持続不可能になった世界から零れ落ちた何の責任もない一般人のことよ、彼らは物語に関わる権利すらも無いのにも関わらず世界から弾かれる、だから罪を犯した私達がこの世界で彼らを守っていくのよ」
「要は守らなきゃいけない人達ってことだね、わかったよー」
随分と軽い反応に心配になるがそんな事を一々言っていたら話が進まないので構わないでおく
「次に矛盾の化身についてよ、奴らを倒すことが私達がこの世界で第2の生を歩む目的よ、ただ奴らの生態はいまいちわかってなくて1つ確実に言えるのは奴らは門から現れて門に帰ることくらいよ」
「なら門の前で待ち伏せしてたらいいんじゃ無い?」
「門から現れた瞬間は存在を感知できないのよ、見えないし触らない、完全に空気と同じってことよ」
「不思議な生き物なんだね、でもそのうち見えて来るんだよね?」
「そうよ、’太陽が出ている時間帯’に突然街の中心部で現れて出てきた門に帰るのよ、お陰で始めの頃の街は毎日のように大混乱よ、門の周りでいきなり現れるならまだ楽なんだけれどね」
「見えないのに門から出てきたってなんでわかるの?」
「この世界で他の場所と繋がってるのなんて門くらいだからよ、そういえばその説明はしてなかったわね」
シンデレラは黒板に絵を描き始める、中心に大きな世界、そしてその隣に街を描く
「今私達のいる街はかつての私達が存在していた物語の世界と門を通じて繋がっているわ、そして物語の中で矛盾を犯した者は物語から弾かれて矛盾の化身としてこの街に現れるわ」
「それじゃあ私達も矛盾の化身も同じなの?」
「根底は同じようなものね、でも振り分けられた役割は全く違うわ、彼らがこの世界でやるべき事は物語の世界への帰還、だから門を通ろうとするのよ」
「元々その世界にいたわけだし、別に通してあげてもいいんじゃないかしら」
「そんなに単純な話じゃ無いのよ、彼らがそこに戻ったところで物語には既に別の役者がいるのよ」
「別に同じ人が2人いたって構わないじゃない、双子だと思えばいいのよ」
「読む側はそれでいいかもしれないけれど、世界としてはそのままだとマズイのよ、だから影響力の無い方を消滅させるの、そして矛盾の化身はせっかく戻ったのにその消滅を受けたらたまったものじゃ無いからこの世界で矛盾を得てから帰るのよ」
「だから見えるようになってから門に帰るのね、でも矛盾してたらまた世界から弾かれちゃうんじゃないかしら?」
「きっと弾かれないくらいの横暴を押し付けるのよ、私の勝手な想像だけどこの世界では矛盾は力と直結してるわ、そして此処は矛盾が集う場所、だったらこの世界を出た時に矛盾だけを置いて力を得ることが出来るんじゃないかしら?」
その考えはあくまでの憶測に過ぎない、そもそも彼女だってこの世界に来て1週間ほどしか経っていないのだから
「それなら筋は通るわね、ちなみにどんな姿をしているの?」
「キャー!」
彼女が質問をした瞬間近くで叫び声が上がる
「本物を見たほうが早いわよ、さあ初陣といきましょう!」
第2話いかがでしたでしょうか?
忘却と言えば物忘れが多い今日この頃、筆箱だけ出してテストを受けた後、カバンから教科書を出す時に筆箱どこいったっけ?とカバン中を探したのは今日の昼の記憶ですね!
皆さんも物忘れには気を付けましょ〜(まあどうしようもないけど)
ではではまた明日〜




