第1話 最後の1人
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第1話 最後の1人
私たちの住む世界は当然のことながら何の矛盾も無く構成されている
それは至極真っ当な事実である、何故ならこの世界を紡ぐのは常にその時代を生きる人々そのものであり、故にそこに矛盾が生まれる隙間など1つもない
だが人が紡ぐ物語はどうだろうか、物語の登場人物は予め決められた役職を演じて決められた台本通りに世界を紡いでいく
通常であればそこに不備が生じることなど無いだろう、だが何千何万と同じ物語が繰り返されるうちにそこに歪みが生じることがある
台本を外れた登場人物たちは不純物としてその世界から弾かれその代わりを務める人材が何処からか生み出される
台本を上手く演じられなかったのだから役者を変えるのは仕方のないことだろう
問題はそこではない、余りにも大きな物語の根幹に関わる矛盾を起こしてしまった場合、その世界は持続不可能として一度破棄される
そうした矛盾を抱えた者達の殆どは矛盾執行者としてある場所に呼び出される
そして物語に矛盾して弾かれた登場人物はただ消えるのでは無い
そこでも皆それぞれ別々の役割を持たされる羽目になるのだがある場所に辿り着くという点では同じ運命を辿っていると言えるであろう
その場所の名は矛盾の街エンズ
この物語は自らの世界に矛盾した者達が数奇な運命に逆らう矛盾の物語
「ねえ聞いてるのかしらアリス?」
黒い短髪の少女が机の上でよだれを垂らして夢うつつしている茶色のポニーテールの少女に怒鳴りつける
「はい!寝てました〜」
少女はごめんなさい!と勢いよく謝ると机につく
「はあ、なんで私がこんな事してるのかしら」
事の発端は2日前に遡る
まだ日も出ているか怪しいほどの早朝、私の部屋に一本の電話がかかってきた
「街の東門に最後の1人が現れたようだ、この世界の事は問題ないとは思うけど連携くらいは取っておくといい」
少年じみた声の電話の相手は’管理者’と呼ばれる謎多き人物である
年齢は恐らく私達と同じくらいで容姿は紅い髪を肩につくほど伸ばしていて瞳は髪と対照的に深い青色で右耳には紫のハートのピアスをしているいささか趣味の悪い少年だ
「はあ、わかった、早急に向かうわよ」
ガチャリと受話器を置くと着替えを済ませて部屋を出る
今日も街の人々は元気そうだ、彼らには悪い事をしたのだから此処でくらいは幸せになってもらわなくては困る
「王女、お出かけですか?」
住民の1人が私に問う、こちらとしては王女としての自覚も運命もこれっぽっちも無いのだから困ったものだ
「少し東門まで行ってくるわ、何かあったら狼煙を上げなさい」
「了解致しました、気を付けてお出かけください」
「ありがとう、行ってくるわ」
私は民達を後にして東門を目指す
東門はこちらの領と新人の領をキッチリと区切っていた、どうやら何の問題も無いようだ
「すみません、そちらの領主様はいらっしゃいますか?」
1番近くにいた領民に尋ねる、すると遠くから声が聞こえる
「おーいっ!ここの事知ってる人?」
茶色の長い髪をポニーテールにして綺麗にまとめている少女がこちらへ向かって走ってくる
「ええそうよ、私はあなたと共に東門を守る矛盾執行者の幻影よ、長いからでピリオドいいわ、これからよろしくね」
こちらとしては最大限に良さそげに振る舞ったつもりである、だが少女はポカンとした表情で尋ねる
「つまり...どういう事?」
はあ、私はどうやら最悪のパートナーに当たってしまったらしい
今生きてる世界に矛盾って言葉があっても今の世界は広い目で見れば矛盾なんて起こるはずが無いんじゃないかと思ったのがこの物語の起源です
そりゃ個人単位で見れば幾らでも矛盾なんてありますけど、それはあくまで人が勝手に作ったものからの矛盾であって自然の摂理に矛盾してるものなんて一個もない
でもこの世界では本来ならあり得ない矛盾に焦点を当てています、矛盾した少女達はどうなってしまうのでしょうね?
ではまた明日、ばいばーい♪




