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第3話:ギフトなしの俺と、不祥事だらけの調律院

お越しいただきありがとうございます!

前回、二度目の全裸という大惨事を乗り越え(?)、天才技術者フィアの心をざわつかせた航。

今回は、言語の壁すらないハイテク世界で「なぜ俺だけ完全ノーギフトなのか!?」という切実なツッコミとともに、天使と悪魔が絶賛泥沼喧嘩中の『調律院』へ連行されます!


無手勝流のバニラオッサンが、神々の不祥事をどう料理するのか?

どうぞお楽しみください!

「——まったく、言語翻訳ナノマシンが全銀河に自動展開されているおかげで会話に困らないのは助かるが……すげーな、科学の発展って奴は」


フィアに用意してもらったサイズぴったりのスーツ(なぜか仕立てが良い)に袖を通しながら、俺は心の中で毒づいていた。


「……で? なんで俺には『女神様の寵愛』とか『最強チートスキル』みたいなギフトが一切ないんだよ! 普通、転生モノっていったら何かしら貰えるんじゃないのか!?」


窓の外を見上げれば、翼を生やした美しい天使と、角を生やした禍々しい悪魔が、大空のど真ん中で「ここは俺たちの領域だ!」「いいえ、我が評議会の領空です!」と、小学生並みの罵り合いを繰り広げている。


ケンカする暇があるなら俺に初期装備(ギフト)を用意してくれ、切実に。


「何をつぶやいているのよ、ワタル? ほら、早く搭乗しなさい。これから首都星の『調律院』へ向かうんだから」


隣でフィアが、呆れたような、しかしどこか心配そうな視線を向けてくる。


「調律院……要するに、身元不明の不審者(俺)の今後の処遇を決める司法・行政機関だな」


「ええ。あなたは身元を証明するIDも遺伝子データもない『完全なバニラ』だから……最悪の場合、未開拓星系の開拓労働ゾーンへ送られる可能性もあるわ。でも……」


フィアは少し言葉を詰まらせ、俺のスーツの袖を小さく掴んだ。


「大丈夫よ。私のバイオ研究助手として申請を出してあげるから。……だから、大人しくついてきなさいよね」


(ふっ、ツンデレな第一号助手(仮)の気遣いが染みるぜ)


「感謝するよ、フィア。だが心配いらない。連行されるにしても、ただで裁かれるつもりはないさ。状況を見て、必ず『生き残るための糸口』を見つけてみせる」


---


中央管制院・調律院大ホール


ハイパーウェーブ艇で到着した調律院の大ホールは、凄まじい怒号とカオスに包まれていた。


「異議あり! 我ら『大魔王ギルド』の魔導実験宙域に、天使評議会の偵察船が無断侵入した! これは明確な挑発行為だ!」

「ふざけないでいただきたい! そちらの暗黒魔力炉から漏れ出た邪気が、我が聖域の次元境界を汚染しているのです! 先に事前協議を怠ったのはそちらでしょう!」


壇上では、大魔王ギルドの幹部と天使評議会の高位使徒が、お互いに殺気立った魔力と聖気を撒き散らしながら胸倉を掴み合っている。

裁判官である調律院の幹部たちは、頭を抱えて泡を吹く寸前だ。


「……はぁ。言った言わないの泥沼不祥事か」


俺は呆れ果てて息を吐いた。

強大な力や魔力を持つ種族ばかりが集まっているというのに、やっていることは前世でよく見た「近隣住民トラブル」や「下請けへの事前連絡なしの仕様変更」と同レベルだ。


「ワタル、危ないわ! あんな高密度の魔導衝突に巻き込まれたら、バニラのあなたの肉体なんて一瞬で消滅しちゃう!」


フィアが慌てて俺を庇おうと手を伸ばす。

だが、俺は彼女の肩を優しく叩いて制し、堂々と大ホールの中央へと歩み出た。


ギフトも、魔法も、超能力もない。

だが俺には、前世で修羅場をくぐり抜けてきたコンサルタントの知恵と、圧倒的なハッタリ(度胸)がある!


「静粛に!!!!」


大ホール全体に響き渡る、腹の底からの大声。

一瞬で喧騒が静まり返り、悪魔も、天使も、裁判官も、一斉に俺——スーツを着たただの生身の人間(バニラ)へ視線を注いだ。


「な……なんだあのバニラは!?」

「不審者か!? 裁判の妨害をする気か!」


「騒がしいぞ、両者とも!」

俺は一切動じることなく、威風堂々と壇上へ向かって指を突きつけた。


「大魔王ギルド! 天使評議会! 君たちの言い分は双方もっともだが……肝心の『事前連絡プロトコル』**と**『損害発生時の一次対応マニュアル』はどこに記載されている!? ええい、見苦しい! 当事者意識(アンカー)の欠如も甚だしいぞ!」


「……は、はい!?」


神々と悪魔が、ただの生身の男の喝破に、呆気にとられて開いた口が塞がらなくなっていた。


知恵と工夫、そして立ち向かう勇気。

何も持たないバニラ男・四条航の、調律院を巻き込んだ大逆転劇が、ここから始まる!

第3話をお読みいただきありがとうございました!

言語の壁がないハイテク世界でノーギフトの現実に突っ込みつつも、調律院での神々と悪魔のドタバタ不祥事に大喝破を食らわせた航!


次回、航の頭の中にチート級の論理ツール『次元波動演算システム(DW-QCS)』が覚醒(構築)し、天使と悪魔の泥沼トラブルを一瞬で神解決へと導きます!


少しでも面白かったら、ページ下部の★評価やブックマークをいただけますと大変励みになります!

次回もお楽しみに!

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