第2話:全裸と天才技術者のファーストコンタクト
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前回、全裸でポッドから這い出し、怪しい宇宙人たちを口八丁で突っぱねた主人公・航。
今回はフォースメル星系の受付から案内された先で、ついにヒロイン(兼・最強の相棒)である天才バイオ技術者フィア・ノア・レティ(Fia Noah Leti)女史と衝撃の出会いを果たします!
全裸の男と、完璧主義な天才女史の「不法侵入(?)ヒアリング」。
どうぞお楽しみください!
「——以上が、貴星系におけるポッド不法占拠リスクおよびコンプライアンス上の懸念点です。速やかな是正勧告に従っていただけるなら、本件は示談といたしましょう」
「は、はいぃっ! すぐに予備の衣服と通行許可証をご用意いたしますっ!」
先ほどまで俺を奴隷にしようと威張っていた機械男と角生え男が、今や汗だくになりながら俺に平伏していた。
手に入れたのは、腰布から昇格した清潔な簡易ローブと、フォースメル星系の中央施設へアクセスできる仮通行ID。
(よし……まずは最低限の身なりと身分(仮)を確保できたな)
受付の自動音声システムに仮IDをかざすと、宇宙港のゲートから流暢で艶のある、美しい日本語のガイダンスが響き渡った。
『ようこそ、フォースメル星系中央バイオ・量子工学研究所へ。ゲストIDを確認いたしました。案内指示に従い、第3区画・主任研究員室へお進みください』
「主任研究員室、か。まずはこの星のキーマンに挨拶と現状把握だな」
案内表示に従って重厚なエナジーゲートをくぐり、俺は研究所の最奥へと足を踏み入れた。
だが——
*バシュううぅぅっ……!*
「きゃあああっ!?」
突然、天井の消毒スプリンクラーとバイオ洗浄システムが暴走し、激しい薬液のシャワーが俺の全身を襲った。
せっかく手に入れた簡易ローブは一瞬で溶けて消失。
「おいおいおい、また全裸かよ!」
濡れた髪を拭いながら俺が呆然と立っていると、殺菌スモークの向こうから、白衣を羽織った一人の若い女性が飛び出してきた。
「ちょっと! 何なのよ急にバイオハザードの警告音が……って、な、ななな何よあなた!? なんで私の研究室の真ん中で全裸で立ってるのよーっ!?」
顔を真っ赤にして叫んだのは、息をのむほど整った容姿の女性だった。
美しいシルエット、繊細なサイバネティクスの光を肌に宿した、人類種×電脳種×コーディネーター種のハイブリッド——フィア・ノア・レティ主任研究員その人である。
「落ち着きなさい、ヴァイスマン女史」
俺は全裸であることなど微塵も気にしていない風を装い、ビシッと背筋を伸ばして大人の微笑みを浮かべた。
「私は四条 航。この度、貴研究所のシステム監視およびリスクコンサルティングを担当することになった者だ」
「はぁぁぁ!? 裸で何言ってるのよこの変質者! 警備ドローン、叩き出しなさい!」
「待ちなさい。警備ドローンを起動する前に、手元のメインフレームの温度上昇メーターを見たまえ」
俺は堂々と全裸のまま一歩踏み出し、彼女の作業デスクにあるホログラムモニターを指さした。
「先ほどのスプリンクラーの暴走は、不法侵入者(私)のせいではない。君が並列処理させている遺伝子組み換えデータのクロック数が限界を超え、冷却ノズルが逆流したことによる『ヒューマンエラー』だ。違わないかね?」
「っ……!? な、なんで一見ただけでそれを……!?」
フィアが目を見開く。
「いくら優秀な脳を持っていても、作業工程の整理と休息(キャパシティ管理)を怠れば、事故は起きる。……君は少し、頑張りすぎだ。一人で抱え込んでいるんじゃないのかい?」
全裸の男から投げかけられた、あまりにも優しく、そして本質を穿った「問い(コーチング)」。
「なっ……なによ……全裸のくせに、知ったようなこと言わないでよ……っ!」
フィアは顔を真っ赤にして言い返しつつも、その瞳には戸惑いと、今まで誰も指摘してくれなかった理解者に対する驚きが色濃く浮かんでいた。
知恵と工夫、そして全裸でも揺るがない立ち向かう勇気。
何も持たない「バニラ」の男と、天才技術者フィアの、これがすべての始まりとなる衝撃のファーストコンタクトであった。
第2話をお読みいただきありがとうございました!
受付の案内からたどり着いた先で、まさかの「バイオ洗浄シャワーで再び全裸」という悲劇(?)に見舞われた航。
しかし、全裸でありながらもフィアの作業過多を一瞬で見抜き、プロのコーチングで彼女の心を揺さぶることに成功しました!
次回、フィアから服を借り、彼女の抱える巨大な研究課題と、二人の共同作業がスタートします!
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次回もお楽しみに!




