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36話 炎(救い)の手

 やばい、やばい、やばい。レンが殺られる!

 気付けば俺は走り出していた。

 熱い……痛い。

 そんなことはどうでもいい。走れ、走れ。レンを助けろ。誰も死なせはしない!

 俺は無我夢中で走った。宙にいるレンには届かない。

 どうやって? どうすればいい……。それでも。

 俺は地面を激しく蹴った。その瞬間、俺は高く跳ねた。

 え? なんだこれ。いや、それよりも今は助ける。

 俺は風の太刀に触れようと手を伸ばす。

「やめろ!」

 レンが叫んだ。しかし、

 大丈夫だよ、レン。今なら、なんにでもできる気がするよ。

 その刹那――俺は真っ赤な炎に包まれた。

 熱くない……。さっきまであんなに熱かったのに。今の炎はなんだか心地よい。

 俺はさらに指先を伸ばした。中指が風の太刀に触れた瞬間、風は激しく燃え、消失した。

「は?」

 ホープが俺を睨みつける。

 視線が刺さる。すぐそこにいる。

「…………。」

 ホープが口を開くのが見える。

 聞こえない。何を言っているのか分からない。レンは助かったのか?

 目の前が真っ赤に染まっていく。揺れ動く炎の向こう、レンがこっちを見ている。

 良かった。助かったんだ。

 俺は安堵した。それは溢れ出る火を鎮めた。

 その瞬間、遮断されていた音が一気に戻ってきた。

「おい、まじかよ。成っちまった。超越者アブソリュートによ!」

 口元を歪めるホープ。笑いながら俺を見た。

 言っていることは分かる。だが、言葉の意味が頭に入らない。

「一生だ……一生賭けても人々が届き得ない領域にお前は達した。気分はどうだ? 教えてくれよ。」

 直後、2つの光がホープを襲った。砂煙が立ち、中がどうなったのか分からない。

「戦っている途中のことをお忘れですか?」

 影がホープを襲う。その直後、また別の光が走る。

 あの人……誰だろう。多分、茂さんだと思う。

「さっきから何を焦っているんです? 私も巻き込むつもりですか。レンくん。」

 気付けば、その男はレンのすぐ近くにいた。

「美雪が拐われた。泣いてたんだ。」

「……心配、ですか? ですが本来の目的はエルくんとニケさんの安全の確保でしょう?」

 その言葉にレンの表情が変わる。口元が赤い。

「じゃあ、美雪は見捨てろってか?」

「急ぎましょう。それがあなたのする最善の選択のはずでしょう?」

「だから!」

 レンの姿が揺れた。気づいたときには、ホープのすぐ目の前にいた。

 レンの動きが、不自然に止まる。

「魔力操作による高速移動か。早ぇな。仲間が心配か。それは、俺もだよ。」

 閃光が走る。

 何かが、それにぶつかる。

 影がぶつかる。ホープに当たったのかも分からない。

何かが弾かれる。倒れる音。すぐ近くで、気配が動く。

 ホープは声を上げて笑った。

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