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33話 vs茂

 レンは宙に無数の魔弾を展開し、一斉に茂へ放った。

 無数の魔弾の中に、いくつか軌道の違うものが混ざる。茂は鞘から剣を抜き、魔弾を斬る。

「速いね。」

 レンは距離を詰め、拳を叩き込む。茂は魔弾を斬った剣の向きを変え、面でレンの拳を受け止める。

「おいおい。殺す気か?」

「触れようとすれば鈍る。なら、殴ればいい。」

「期待の新人は怖いねぇ……。」

 茂は剣を押し出し、レンを吹き飛ばす。

「こんなん意味ないよ。『触れなきゃ』。」

 次の瞬間、レンは動いた。

 無数の魔弾の裏に隠れ、死角を突き、茂に近づく。だが、茂はレンを捉えていた。

 門前の騒ぎに気付き、いつの間にか人だかりができていた。賭け事を始める者まで現れ始める。

「あいつ誰だよ。」

「知らねぇ。」

 ゴールドランクに挑むこの男を、観客は誰も知らない。

「少年が勝つに金貨10枚。」

「正気か? いいぜ。」

「この戦いの本質を見抜いているだけだ。」

「……気に入らねぇな。」

「見抜けていない人間は、そう言うものだ。」

「上等だ。金貨を追加してやる。」

 男はフードの奥で口角をあげる。すると、ある視線に気づく。

「……見られたな。」

 男はわずかに笑い、人込みに消えた。

 

「また奇襲ですか。芸がない。」

 レンは挑発を無視し、再び死角から踏み込む。

 これ以上は長く持たない。終わらせる。――レンの息は荒かった。

 茂は剣の面でそれを受ける。しかし、次の瞬間、茂の剣が上空へ舞い上がる。

「ほお。」

 剣が舞い上がると同時に、レンは茂に手を伸ばす。――いない。

 茂はレンの左に姿を現す。レンは睨みつける。

「……見えない。」

「お褒めの言葉をありがとう。今ので仕留めきれなかった時点で、勝ちはありません。」

「そうだな。」

「そう言わずに、良い線でしたよ。諦めますか?」

「まさか。」

 互いの距離は腕を伸ばせば届く位置。最初にばら撒いた魔弾の一つ――豆粒ほどの大きさのそれが、茂の顔の横に浮いていた。

「……なんです? これは。」

 茂が魔弾に目を向けた瞬間、その魔弾が、突然弾けるように茂へと伸びる。

「なるほど。これなら……。」

 そう言ってその場から姿を消す。

 その直後、レンは一歩踏み込み、手を伸ばす。

 そこに現れた茂の胸へ、手のひらが触れる。

「……タッチ。」

「……合格です。」

 茂は小さく息を吐いた。

「私はあの豆粒に誘導されたのですか?」

「どこに逃げても届くようにしてただけだ。」

「それでは、最後どうして私の現れる位置が分かったんです?」

「お前の動きは最小限、舐めプで負けたんだよ。」

 茂はレンの手を振り払って剣を拾い鞘に収めた。

「急いでる。早く許可を出してくれ。」

「約束ですから。しかし、私も連れて行ってくれないですか?」

「なんでだ?」

「ニケさんが死ぬのは困る。それに嫌な予感がするんですよ。」

「俺のことが嫌いなんじゃなかったのか?」

「えぇ。嫌いですよ。殺したいほどにね。」

 レンは呆れる。

「好きにしろ。」

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