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vsカラス

 真っ黒な瞳に睨まれ、レンは一瞬動きを止めた。

 直後、魔物の巨大な翼がレンを薙ぎ払い、背後の城壁まで吹き飛ばされる。

 だが、壁との間に魔力の面を作り出し、衝撃を弱めた。

 くそっ。ビビっちまった。だが分かった。

 奴は魔力感知能力が高い。

 レンは体勢を整え、走り出す。

 魔物から少し離れた位置で魔力を溜める。すると魔物の上空にレンの魔力が生まれた。

 俺の力では奴は倒せない。なら――。

 一つの魔力の塊が弾け、無数の魔弾となって雨のように魔物へ降り注いだ。

 入学試験、ガリンの時以来だな。

 魔物は魔力を浴びると上を向いて動きを止める。

 お互い、成す術なしだな。応援が来るまで耐えるしかないか。

 レンはそう思い、引き続き魔力を細かくして魔物に攻撃を続ける。

 魔物の目がギロリとレンを捉えた。

 気づいたか。

 レンが瞬きをした瞬間、大型のカラスの魔物はレンに迫った。

 魔物は掴んでいた人間を放り投げ、周囲のものを破壊する。

 あ……やべっ。

 大きな嘴が、レンを飲み込むように開いた。

次の瞬間――。

――グシャ。

 何かが砕ける音が響いた。


 瓦礫の上に、無数の鉄くずがこぼれ落ちた。そのいくつかが、レンの足元まで転がってくる。

 一本の剣が魔物の脳天を貫いていた。

 「意外と硬かったな……。」

 魔物の脳天を貫いた男が、ぼそりと言った。

「大丈夫だったかい。確か君は、グアン学園の生徒だったよね。」

 しかし、アーサーや茂のような圧はなかった。

 ゴツゴツとした手が目の前に差し出される。

 レンはようやく息を吐き、その手を握ると力強く引かれ、体が持ち上がる。

「ありがとうございます。」

 レンは言った。

「気にするな。それよりこの魔物なんだ? 見たことがない。――血も出ないし……代わりに鉄くず。ゴーレムか?」

「まあいい。君が無事で何よりだ。」

 男は剣を鞘に納めながら言った。

「俺の名はリオネル・ヴァルグラン。悪いな、横取りみたいになったが、その魔物は俺が倒した。俺の手柄ってことでいいか?」

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