表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/43

29話 少女の盗み聞き

 茂さんの言葉の余韻が、まだ場に残っていた。

 インターンの説明が終わり、担当の冒険者は部屋をあとにする。

「とりあえず、用意された部屋に行くか。」

 ルークはそう言い、彼らは町を歩く。

「ねぇ、レン。屋台で何か食べない?」

 杏はそう言う。

「もう、昼か。そうしようか。」

 レンはいつも通り笑っていた。その笑顔は、あまりにも自然すぎた。

 杏はその笑顔を見て、胸の奥がざわついた。

「うん……。串焼きとか食べたいね。みんなの分も買ってくるよ。」

 杏も合わせるようにいつも通りに振る舞った。

 串焼きを買い、しばらく街を歩く。

 やがて今日の宿が見えてきた。

「着いたな。」

 肉を頬張り、ルークは言った。

 レンは自室に着くとベッドに腰を下ろす。

「魔王……海斗。」

 レンは小さく呟いた。

「お前は……なんなんだ。」

 扉は半開きだった。その外に、人影が一つ。

 その影は気づかれないように、その場を離れた。

 

「魔王、海斗?」

 自室で、少女はさっきの言葉を思い返していた。

「故郷の仇……。」

 少女――杏は言った。

 しかし、すぐに顔を横に振る。

「駄目だ。私は仇なんて取らない。絶対家族は生きてるんだから。仇なんていないんだから……。」

 杏は串に刺さった最後の肉を口に放り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ