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ざまぁフラグが立ってる王子様に転生した  作者:
王子様の学園生活(四年生)

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89話 シュタム会の立ち合いを要請

 ジュスティスが同席するよりも、もっと適任がここにいた。

「同席させるなら、リーネルにしてもらえませんか? この話、四年の文官科のクラスにも関係することですから」

 僕の言葉に、ヴルツェルのお二人は戸惑った様子を見せる。

「なにか、不都合ですか?」

「い、いえ……。その、リューゲン殿下はジュスティス様と、その……仲が」

 何を言ってるんだ?

「それ、関係あるんですか?」

 思わず途中で話を遮ってしまった。


「今回僕らが来たのは、シュタム会への報告と同時に、相談があってやってきたんです。友達に相談程度の問題ではなく、学園内でのトラブルが起きたから相談に来たんですが?」

 なんで、トラブルの報告と相談に来た場所に、()()()()顔見知りっぽい? 仲がよさそうな? 相手がいたからって、それを同席させなきゃいけないんだ。

「シュタム会は、学園内で起きたトラブルの相談は受け付けない。そういったことは個人で解決しろということでしょうか?」

 畳みかけるようにそう続けると、ますますヴルツェルの二人は『どうする? どうするよ?』と言わんばかりにお互い視線で会話をしている。


「あのー、少々よろしいでしょうか?」


 そう言って手を挙げてリーネルが口を挟む。

「アルベルト様がというよりも、四年の領地経営科が、学園祭に関するトラブルが起きて、シュタム会に来たということですよね?」

「そうです」

「では、ブラウ・ヴルツェル。ロート・ヴルツェル。生徒自治会であるシュタム会の長のお二人が話を聞くのでいいのではないですか? それからアルベルト様が仰るには文官科も、そのトラブルに関わっているとのことなので、文官科の僕が同席します。それでいいですよね?」

 リーネルの発言に、ヴルツェルの二人はコクコクと頷き、話し合いには僕ら領地経営科の生徒と、ヴルツェルの二人。それからブラットのリーネルが同席することとなった。


「まずここ数日の話なのですが、学園際の準備中に変な話をあっちこっちで耳にするようになりました」

 口火を切ったのは領地経営科のクラス委員だ。

「その内容はシュタム会で把握していますか?」

 またしても、ヴルツェルの二人はお互い視線で会話するものの、『把握してます』とも『知ってます』とも言わない。

 なんだこのヴルツェルたちは。

 生徒自治会の長って認識がないんかい。


「知ってます」

 代わりに答えたのは、リーネルだった。

 ブラットのリーネルの方が、ヴルツェルらしいじゃないか。

「その話は上学部の学舎内のあちこちで聞いてますし、僕のクラスが当事者でもあるので、昨日シュタム会の議題に出ていました」

 言い出した生徒であるナル・カメールが文官科の生徒なんだから、同じクラスのリーネルが知らないわけがない。

 そして、もうその話は、僕ら領地経営科の方にまで届いているのだから、結構な速度で広まっている。

 たぶん、上学部のほとんどの生徒は、この話を耳にしていると思っていい。


 今度は学園祭の実行委員が話し始めた。

「前提として、わたくしたち四年の領地経営科の出し物は、四年の領地経営科の教室で、来場者参加型の劇をするというものです。これは申請を出しているので、シュタム会も知っていますよね?」

「はい」

「改めて、広まっている話の内容を伝えます。私たち領地経営科の出し物は、もともと四年の文官科の生徒が出した案であり、それをわたくしたちが盗んだというものです」

 その発言にビリッと緊迫した空気になる。


「少々よろしいですか」


 そこに、口を挟んできたのはジュスティスだった。

「話の途中で申し訳ない。その……詳しい事情は分からないのですが、何か行き違いがあったのではないでしょうか?」

 人のいい顔で口を挟んでくるジュスティスに、実行委員がキッと鋭い視線を向けた。


「申しわけございませんが、こちらの話はまだ終わっておりません」


 この子、オティーリエのところの寄子なんだよなぁ。

 将来オティーリエを支える一人として、経験を積みたいと言って実行委員になった子だから、今回のことも自分たちで問題解決をしたいという思いが強く出ているんだよね。

 だから訳知り顔で口を挟んで、話をごちゃつかせるジュスティスに対して、悪印象を持ったみたいだ。


「わたくしどもは、文官科の誰が『自分の案を盗まれた』と言っているかというところまで把握している状態です」


 ほら~、最後までこっちの話を聞かないから~。

 ジュスティスの『行き違い』発言が白々しくなっちゃったじゃーん?

 やっぱりこの件、ジュスティスが噛んでるのかねー。

 でも、ナル・カメールの傍にいる生徒が、ジュスティスの手駒って決まったわけじゃないからなぁ。

 以前一緒に居たのを目撃はしたけど、かなり前の話だし、単純に「仲良くなったから一緒にお出かけしましたー」で通る状況でもあったからなぁ。

 ナル・カメールの傍にいる生徒が、頻繁にジュスティスと会ってることを確認しとかなきゃならんか。


 おっと、こっちの話に集中しなければ。

 実行委員はヴルツェルの二人を見つめながら、はっきりとこっちの要件を告げる。

「今回、シュタム会にお願いしたいのは、この件で、わたくしども領地経営科と文官科の話し合いに、立会人として同席してほしいということです」

 クラス委員も続けて補足を入れる。

「シュタム会の役員ならどなたでもいいんですけれど、下級生には荷が重いでしょうから、できれば四年のブラットがいいです。ヴルツェルは最低でもひとりは同席してもらいたいですが、可能ですか?」


 僕らの話を聞いてぽかんとしてるヴルツェルの二人に、リーネルが咳ばらいをして声をかける。

「ブラウ・ヴルツェル。ロート・ヴルツェル。返答を」

「あ、はいっ。は、話は分かりました」

「シュタム会として、正式に立ち会わせていただきます」


 ヴルツェルの返事を聞いた後、僕はリーネルに声をかける。

「悪いんだけどこの話、文官科の人たちに伝えてくれる? あとこの手のことは時間が開けば開くほど、変な話が広まっていくから、話し合いはなるべく早くしたい」

「はい。明日にでも話し合いができるように、これから教室に戻ってみんなに伝えてきます」

「話し合いの場に来て欲しいのは、文官科のクラス委員と実行委員、それから例の当事者。当事者の付き添いは一人ぐらいならいいんだけど、何人も引き連れてくるのは避けてほしいな」

「わかりました」


 その後、明日の何時から話し合いをするのかとか、場所はどこにするかとか、そういったことを決めてから、僕らは席を立つ。

 シュタム会の執務室を退室する間際、くすりと笑う気配に気づいて視線を向けたら、ジュスティスが人のいい笑みを浮かべている。

 なんか……、う~ん。

 あからさま過ぎて、かまってちゃんみたいって、思ってしまった。



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