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48話 指名手配

「どこにいったああぁぁぁぁ!! 探せええぇぇぇぇ!!」


――――ドドドドドォォォォ


 俺たちは建物の中に隠れ、なんとかあいつらをやり過ごした。


「ハァハァ、まったく。ひどい目にあったな」


「も、もう、私走れません……」


「……すみません。私ももう無理です」


 みんな相当疲れているな。


 次見つかったらまずい。何か作戦を考えないとな……


「……あっ、そうだ! ノルン、まだ体力は残ってるか?」


「うん。全然有り余ってるよ」


「それなら空を飛んでいこう」


「……私はいいけど、空飛んだら目立っちゃうんじゃない?」


「この際仕方ない。このまま逃げ回っても事態は好転しないだろうし、それなら目立ってでも空から移動したほうがマシだ」


「そっか! わかった、いいよ!」


 ノルンはすぐさまドラゴンに変身し、俺たちは空へと逃げ出した。


 当然ながら住民たちにはバレてしまったが、空を飛ぶ手段がないのか追いかけてくることはなかった。


 ……これで一安心だな。


 そういえばアイスたちはどうなったんだろう? ひとまず連絡してみるか。


「アイス、聞こえるか? そっちは大丈夫か?」


「……ただいま戦闘中です。すみません、連絡している余裕がありませんでした」


「戦闘中!? ……分かった。今すぐ助けに行くから場所を教えてくれ」


「はい。場所は……」


 場所を聞いたあと、俺たちはすぐに助けに向かった。







 しばらくすると、アイスたちが住民と交戦している様子が見えた。


「ノルン、急いで急降下してくれ」


「うん。……ついでにまわりにいる奴らはブレスで焼き殺しちゃってもいい?」


「……できるだけ殺さないよう、うまくやってくれ」


「わかった」


 ノルンは注文通り、うまく炎を吐いて住民たちを蹴散らしてくれた。


「みんな、遅くなってごめん。早く背中に乗ってくれ」


「助かった~。ありがとうユウくん、ノンちゃん!」


「誰も怪我はしてないか?」


「うん。みんな無事だよ!」


「よし。それじゃあさっさとここから脱出するぞ。ノルン、飛んでくれ」


「りょーかい!」


 何とか合流できた俺たちは、ふたたび空へと飛び立った。





「ふぅ~。なんとか脱出できそうだね」


「そうだな。あとはあの壁を超えるだけだな」


―――ザザザッ


「ユウト国王、逃げ切れると思うなよ!」


 あいつの声が再び街中に響き渡る。


「お前らがここに入ってきた穴はもうふさいだ。あっ、壁にも結界を張ったから壁を超えるなんてことも出来ない。つまりだ、どうやってもお前らは脱出することはできない! 諦めてサッサと降参しろ!」


 さすがに国王をやっているだけあって、多少は頭が働くようだな。


 侵入者に対する対応がしっかりしている。


 ……もしかして、あの穴も俺たちを侵入させるためにわざと放置していたのか?


「まったく、メンドくさい相手だな……」


「マスター、どうしましょう?」


 もうこうなってしまったらやることは1つしかない。


「……カズキ国王を倒しに行くぞ」


 カズキ国王を倒せばこの騒動も多少は落ち着くだろう。


「みんな、それでいいか?」


「はい!」


 反対意見はなさそうでよかった。


「ノルン、街の中心部の王宮に向かってくれ」


「まかせて」


 ノルンは旋回した後、猛スピードで王宮へと戻った。








 王宮の近くでは多くの兵士たちが俺たちを待ち構えていた。


 そして、俺たちが来たのを確認すると、杖で魔法を放ってきた。


「……ユウト、こいつらはブレスでやっちゃってもいいよね?」


「ああ、好きにしてくれ」


 俺が許可を出した後、ノルンはさっきよりも威力がある炎のブレスを放った。


 そのおかげでほとんど兵士が重傷を負い、大幅に戦力をそぐことができた。


 ……攻めるなら今がチャンスだな。


「よし、みんな。一気にこの王宮を攻めるぞ!」


「はい!!」



 




 王宮の中では100人以上の屈強な兵隊が待ち構えていた。


 おそらくあいつが鍛え上げた先鋭たちだろうな。


「しかたない、ここは俺がやるからみんなは……」


「い、いいえ! ここは私たちに任せて、先に行ってください!」


 意外なことに、あまねちゃんがこの場を任せてほしいとお願いしてきた。


「だが、だぶんこいつらめちゃくちゃ強いぞ。問題ないか?」


「心配ありません! ユウト国王に剣術を鍛えてもらったので勝てると思います! ……信じてもらえませんか?」


 ……杞憂だったな。


 あの日以降、俺はときどき剣術のけいこをあまねちゃんにしていた。おそらく、こいつらを倒せるくらいには強くなっているはず。


 それにしてもまさか、あまねちゃんがここまで頼もしいことを言うなんて思いもしなかったな。


「……信じるよ。それじゃあ、ここを頼んだぞ。あまねちゃん」


 俺はあまねちゃんの肩を数回ポンポンとたたき、この場を託すことにした。


「は、はい! 任せてください!」


 笑顔で返事をしてくれたあと、あまねちゃんは真剣な顔つきをして相手を斬りかかった。


「俺は先にいく。みんなもこの場を頼んだぞ」


「任せてください!!」


 ……みんなを連れてきて正解だったな。


 スキをついて俺はあいつがいる場所へと駆け出した。


※次は明日の18時20分ごろに第49話を投稿します。


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