26話 舞踏会準備
王宮での生活に戻ってから数週間が経過した。
そのあいだ俺は門番とメイドの仕事をひたすらくり返し続けていた。
そんなある日、俺は母さんに呼び出されていた。
「セリア女王、今回はどのようなご用件でしょうか?」
「ユウト、あなたには3日後に開かれる舞踏会の主催をしてもらおうと思っています」
なにかと思えばそんなことか……
ってちょっとまて!
よくかんがえたらやっぱりおかしい。
「え? 俺が主催するのですか?」
「はい。この舞踏会は両国の交流が目的でもあります。今回の舞踏会にはフォスト王国の人たちをご招待しました。なので友好条約を結んだあなたにやっていただきますが、よろしいですよね?」
なるほど。フォスト王国がらみだったか。
そうとなってはこればかりは仕方ない、ここはすなおに引き受けておくか。
「承知しました」
「頼みましたよ。あ、そういえば、AICⅡの方々もお招きしますのでその対応もよろしくお願いしますね」
「AICⅡ……」
「あら? AICⅡをご存じありませんか? ユウトがまだ小さかった頃に私といっしょに1回だけ訪問したことがあるのですが」
母さんの話を聞くと、AICⅡはどうやら国名らしい。
元々はAICという国名だったが、どうやら国王がなくなった後に国名を変えて今のAICⅡになったそうだ。
「っていうか、なんでAICⅡの人まで招待してるんですか?」
「あら、いけませんでしたか?」
「そりゃそうですよ」
「なにか問題でもありますか?」
「例えばフォスト王国とAICⅡの友好関係とか。そのへんはちゃんと把握しているんですよね?」
「ええもちろん。あなたが想像しているような険悪な関係ではないので安心していただいて大丈夫ですよ」
「そうですか」
「それじゃあ、舞踏会の件よろしくお願いしますね」
「わ、わかりました」
セリア女王から指令を受けた後、俺はいそいで舞踏会の準備にとりかかった。
準備は順調にすすみ、いよいよ明日が舞踏会当日。
俺は慣れない社交ダンスの練習をユキ達といっしょにひたすら繰り返していた。
「ふぅ、なかなかシンドイな」
「そうですね。しかし、始めたばかりのころと比較するとユウト様もだいぶ上達しましたね」
「うんうん。ユウくんすっごく上達してる!」
「わ、私もそう思います」
みんなからも認めてもらえるくらいには上達しているようだった。
「まあ、これくらいやれば舞踏会はなんとかしのげるだろう」
俺たちは練習をやめていったん休憩することにした。
「舞踏会すっごく楽しみだなー!」
「そうか? ミーロンたちは招待客の相手しなくちゃいけないから大変だと思うんだが」
「あれ? ユウくん聞いてないの? 私たちは接客しなくていいってセリア女王に言われてること」
「なんだそれ? どういうことだ?」
「セリア女王にお願いされたの。私たち3人はメイドじゃなくて、お客様として参加してねって!」
そういうことか。
当日俺がこの3人に主催をまかせてのんびりやり過ごそうとしてたことも母さんには見透かされてたか。
「はい。ですので明日はユウト様のお手助けをすることが出来ませんのでご了承ください」
「まあ仕方ないか。みんなは楽しんでくれ」
「やった! さっすがユウくん! とびっきりオシャレしてくるから楽しみにしててね」
「オシャレ?」
「うん。実はドレスの準備ももう済ませてるんだ!」
「ドレスってまさか、3人とも社交ダンスも参加するのか?」
「当たり前だよ! ダンスしないのに参加する意味ないじゃん!」
「ま、まあそうだよな」
「それでなんだけど、もし暇だったら明日、ユウくん私といっしょに踊ってくれる?」
「えっ?」
ミーロンの突然の誘いに少し困惑してしまった。
「わ、わたしもぜひ一緒に踊りたいです! あっ、あの、も、もしお暇だったらでいいんですけど……」
続けてあまねちゃんからも誘われた。
「えっーと、そうだな……」
「ユウト様」
振り向くと、ユキが怖い笑顔を浮かべながら俺の方をじっと見ていた。
どうしたものか……
「あー、わかったわかった。俺から言わせてくれ。3人とも俺と一緒に明日ダンスしてもらってもいいですか?」
「はい。よろこんで!」
3人が口をそろえて返事をしてきた。
明日の約束をした後、俺たちは練習を再会した。
※次は18時20分ごろに第27話を投稿します。
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