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22話 フォスト王国

 短い休暇を終えて、俺たちはふたたび冒険者としての活動を再開した。


「ひさびさのギルド、さっそくクエストを受けに行くわよ!」


「アンリンちょっとまってよー、そんなにいそがなくてもクエストはなくならないよ!」


 2人はさっさと掲示板のほうにいってしまった。


「まったく、あの二人ときたら……」


「しょうがないさ。ひさびさに普通のクエストが受けられるんだから」


「わ、私もクエスト受けるの楽しみです。それに、5人でのクエストはひさびさですから。ランディアさんたちには申し訳ないんですけど」


 ランディア、ミア、クロノスはまだ冒険者の資格を持っていないため、冒険者学校に通っている。


「それじゃあ、俺たちもクエストを選びに行くか」


「はい」


 俺たちも掲示板に行こうとした時だった。


「あの、ユウト王子。少しご相談があるので聞いていただいてもよろしいでしょうか?」


 ギルドの受付さんが声をかけてきた。


「はい。なんでしょうか?」


「ユウト王子のパーティーである『街のお掃除隊』にクエスト依頼が来ているのですが、受けていただくことはできますか?」


 俺たちのパーティー名って、いつのまに『街のお掃除隊』になってたんだ?


 まあそんなことより、いま重要なのは……


「クエスト依頼っていったいどんな内容なんですか?」


「はい。ご説明させていただきます。クエスト内容は、フォスト王国まである荷物を運んでいただくことです」


「荷物ですか?」


「はい。とはいっても一人で十分持つことができる小さな荷物です」


「そうですか。ちなみに依頼主は誰なんでしょうか?」


「依頼主は不明で、フォスト王国の門の前で待っているとだけしか聞いておりません」


 依頼自体はカンタンな配達のようだが、依頼主が不明というのがどうにも怪しい。


「そうですか。えーと、なんで俺たちが指名されたのかってのは聞いていますか? そのクエストであれば他の冒険者でもできると思うんですが」


「いえ、なにも聞いておりません」


 受付さんがそういった時、ユキとあまねちゃんが俺に耳打ちしてきた。


「ユウト様、このクエストはやめた方がいいかと」


「わ、わたしもそう思います。どう考えても怪しいですよ」


 2人ともこのクエストに不信感を抱いているようだ。


 ただ、ギルドを通した依頼ならばそんな怪しいものでもない気がする。


 それに、スライム退治や薬草採取なんかよりよっぽどラクな仕事だ。


「いや、俺はこのクエストを受けようと思う」


「え!? 受けるのですか?」


「ああ、そんなに危険な仕事じゃなさそうだしな。それにもし危険だったとしても俺が対処するから問題はない」


「し、しかし……」


「それに、フォスト王国がどんな国か見てみるのも悪くないだろう。二人とも他の国に行ったことがないだろう?」


「まあ、そうですけど……」


「観光がてら行ってみないか?」


「うーん……」


 なかなか了承してもらえない。


 押してダメなら少し引いてみるか。


「仕方ない。そんなに嫌なら俺とミーロンだけで……」


「うっ、わ、分かりましたよ。そのクエストを受けましょう!」


 ……案外あっさり折れてくれたな。


「フッ、ありがとう。それじゃあこのクエストを受けようと思います」


「はい。それでは今荷物を取ってくるので少々お待ちください」


 俺たちは荷物を受け取ったあと、フォスト王国へと出発した。








「いやー、まさか直接クエストの依頼がくるなんて。もしかして私の強さが他の国の人に伝わっちゃったのかしら?」


「勘違いしないでください。あなたの強さを知っていたら誰も依頼なんてしてきません」


「は? あほユキに言われたくないわ! スライム討伐勝負で私に負けたくせに、エラそうなこと言わないでくれる?」


「やかましいですね。まだそんなこと言っているんですか? それにあの勝負は私が……」


 ひさびさにこの2人の言い争いを聞いたが、あいかわらずしょうもない内容だった。


「あ、あの、ユウト王子、もうそろそろフォスト王国に到着するんですが、あの2人は止めなくていいんでしょうか?」


「無理だな。あれはだれにも止められない」


「そ、そんな」


 会話を終えて前を見ると、フォスト王国の正門が見えてきた。


 正門の近くでは、真っ黒のコートを着た長いあごひげを蓄えたおじいさんのようなものが待っていた。


 たぶんあれが依頼主なんだろうな。


 俺はさっそく話しかけてみた。


「あの、依頼を受けて荷物を届けに来たんですが……」


「フフッ、お待ちしていましたよ。ユウト王子御一行」


「あの、あなたは一体?」


「私ですか? これは失礼、申し遅れました。私はゴモン・カズキと申します。こちらの世界にきてからはフォスト王国の国王をやっているものです」


 こちらの世界ってことはまさか……


「ユウト王子のお察し通りです。ささ、ここで立ち話をするのもアレですし、王宮に案内いたします。そこで持ってきていただいた茶葉を使ってティータイムといたしましょう」


※次は明日の18時20分ごろに第23話を投稿します。


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