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23話 罠

 俺は王宮に向かってるあいだ、街の様子を見ることにした。


 この国の街はだいぶ変わっている。


 建物はほとんどない。


 無数に大樹あり、そのなかに部屋を作って住民は生活しているようだった。


 それと1つ気になったのが、住民の半分以上が魔女が被るような大きな帽子と謎の白いコートをはおっていることだ。


「あの白いコートはいったい?」


「おや? ユウト王子、『白衣』はご存じありませんか?」


「いや、初めて見ました。その、なんでこの街の人は白衣を着てるんですか?」


「うーん。どう説明すればよいものか……。まあ、ひとことで言うと身を守るためですね」


「身を守る? 戦闘服みたいなものですかね?」


「いえいえ、そんなたいそうなものではないんですよ。われわれの国では魔法の研究をやっていて、そのときに着る制服みたいなものです。防護服といった方がイメージがつかみやすいかもしれませんね」


「そうなんですか。じゃあ、この国の人はほとんど……」


「はい。研究者だらけということになりますね。お、話している間に王宮につきましたね。それじゃあ中にお入りください」


 俺たちは王宮の中に入っていった。

 



 


 ほとんど大樹のような外観とは異なり、中は広々とした豪華な廊下が続いていた。


「それではお部屋にご案内いたします」


 俺たちはそれについていった。


 部屋につくと、そこにはまるいテーブル1つがあり、すこし間隔をあけてイスが10個ほど並べられていた。


「それではみなさま、どうぞお座りになってください」


「ああ、そうさせていただきます」


 俺たちは全員着席した。


「それでは、紅茶を入れてきますのでしばしお待ちください」


――ガチャ


 そういってカギをかけてこの部屋を出て行ってしまった。


「ユウト様、これはまずい状況なのでは? 客人を招いて部屋にカギをかけるなんてかなり変だと思います」


「どうだろうな? まあ、まだ様子見でいいんじゃないか? それに、本物の国王にもまだ会えていないし」


「え? それって……」


「おまたせいたしました」


 その声が聞こえた瞬間、おじいさんの姿をしていたものは木の化け物に変化した。


 さらに、座っていたイスから木のツタが生えてきて、俺たちの体に強く絡まりついた。


「え!? ちょっと、これどうなってるのよ!!」


「うっ、ま、全く動けません」


「な、なんか締め付けがさらにきつくなってきた。ど、どうしようユウくん……」


 まあ、こうなることは何となく予想していた。


「お前らがマヌケな連中で助かったよ。これでお前らの国は私のものだ! ノコノコとやってきてくれてありがとう」


「そ、そんなぁ」


「クッ、やはりそういうことでしたか」


「後はお前らを人質にして、お前らの領土をブン捕らせてもらうぞ。グアッハッハッハ」


 ……こんな茶番はさっさと終わらせた方がいいな。


 俺は自分に絡まりついたツルを引きはがして、魔法銃を化け物に向かって撃ちはなった。



――ドゴン



「ギィアアアアアアアアアアアア」


 化け物は声をあげてもだえ苦しんでいる。


 魔弾には火属性の魔力を込めていたのでそれが効いているのだろう。


 次第に炎が体全体に燃え広がり、次第に炭になって崩れ落ちていった。


 それと同時にユキ達に絡みついていたツタも枯れてほどけた。


「やっとほどけた。ユウト、こんなとこさっさと出ていきましょう!!」


「同感です。私もいち早くひなんしたほうがよいと思います」


「まあ待て。ゴモン国王でしたっけ? どこにいるのか分かりませんが、聞こえていますよね? そろそろ出てきてもらってもよろしいでしょうか?」


 俺が声をあげてよびかけると、部屋の奥にあるとびらが開き、本物の国王がゆうゆうと登場してきた。


「流石ですねユウト王子。あなたはなかなか聡明なお方のようだ」


「まったく、メンドウなことをしてくれたな」


「いやはや、大変失礼いたしました。今度こそきちんとお部屋に案内いたします。ささ、こちらに」


 俺は素直に指示に従おうとしたが、ユキ達は状況が理解できていないのかみんなで固まってゴモン国王のことをにらみつけている。


「今度は大丈夫だ。ユキ達もついてこい」


「ムリ!! どう考えてもあのおじいさんヤバいやつじゃん!! 今度は殺されちゃうよ」


「今回のことに関しては、いくらユウト様のいうことであっても承諾しかねます。客人にあんなことをする人になぜついていかなければならないんですか?」


「そ、そうだよ。ゼッタイ怪しいよ。ユウくんも行かないほうがいいと思うよ」


 ……これはちゃんと説明してあげないとダメそうだな。


「この人は俺たちを試したんだ。たぶん俺たちとなんらかの取引でもしようと思ってたんだろう。さっきされたことも取引に値する連中かどうかの確認なんだろうし」


「え? そうだったの? 気づかなかった」


「おお、そこまで分かっているとは……」


「あれを対処できれば俺らは認めてもらえる。ただ対処できなかった場合、本当に俺たちの国を侵略しようとも思っていましたよね?」


「……どうやら私は王子を見くびりすぎていたようですね。はい。おっしゃる通りです」


 みんなもこの説明をきいてなんとなく状況は理解できたようだった。


「それで、こんなことをしてまで俺たちを呼び出したのはどうしてなんだ?」


「はい。それでは紅茶を持ってきてゆっくり……」


「紅茶なんかいらない!」


 みんなはゴモン国王の提案を全力で拒否した。

次は明日の18時20分ごろに第24話を投稿します。


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