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第三十話 東一局

 プロレスがゴングならはるかは大時計であるが、さすがに大時計も用意してある訳も無く、そのまま試合が始まった。賽を回して沢野が起家になった。配置は東家が沢野で南家がエリカ、西家がはるか、北家が木下だった。沢野が第一打を切り、エリカが自摸って手牌と入れ替えて切る。続いてはるかが自摸るが、少考して切った。

「柏木さん、松山選手が少し考えて切りましたけど、いったい何を考えていたのでしょうか?」

「多分、面前でいくか鳴いて仕掛けるかを考えていたと思います」

実況席では、前と同じく柳沢と柏木店長による実況が始まっていた。はるかに手が入っているわけでは無かったが、はるかは大物手を狙って何があがれるかを考えていた。エリカは手が遅く、いつもの仕掛けを入れたあがりを考えたが、サバンナに来る途中に沢野に、ワルキューレのレスラーがせこいことをするなよとエリカに釘を刺していたから、エリカは安い手で上がろうとは出来なかった。

 沢野も手が遅かったが、はるかとエリカが手が遅いのと、北家の木下の援護で鳴きを入れて聴牌を入れて、沢野の一人聴牌で東一局は一本場になった。点棒状況は、沢野33000、エリカ29000、はるか29000、木下29000となった。

「四千点差ですけど、ワルキューレチームが有利になりました」

「これはサバンナチームにとって大きなミスです。松山選手は普通にピンフであがるべきでしたが、強引に三色に持って行ってテンパれなかったのが大きいです」


 

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