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第二十九話 試合開始前

 柳沢の予想通り、沢野と木下はプロレスのコスチュームに着替えて登場の準備をしていた。はるか達への挑戦もプロレス団体ワルキューレの宣伝だから、このイベントはワルキューレをアピールしなければ出る意味が無かった。

 柳沢はスポットライトとかはさすがに用意していなかったので、沢野に説明をして、文句を言われながらも登場シーンの準備をして、撮影を始めることにした。まず挑戦者チームの沢野・木下から入場してくる。テーマ曲は無いが颯爽と二人は入場して卓の周りを周ってアピールをする。これを見てはるかは、真似したくなったが、競艇好きのはるからしく、普通に歩いて卓の前に立ち敬礼をするだけだった。

 勝負はタッグマッチとして、二人の点数の合計で勝敗が決まることになった。そしてオカや順位馬が無く、差し込みで有利な点数状況にならないようにした。それ以外はサバンナルールに則って麻雀が始められることになった。

 両チームとも並ぶように座った為、沢野と木下は内心ほくそ笑んだ。並ぶように座れば連係プレーが使えるからだった。はるかとエリカは、メンバーとして連係プレーが出来なかったし、この試合の為にそういう練習などして来なかった。エリカは二人の連携のうまさを知っていたが、はるかが雀荘のメンバーとしての実績から、二人には負けるはずがないとタカをくくっていて、エリカからの練習の提案を蹴っていたほどだった。

「おい柳沢!試合開始のゴングを鳴らせ!」

と沢野が柳沢に怒鳴ったが、柳沢は当然ゴングなど用意していないから、鳴らしようが無かった。 

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