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第二十一話 エリカの空回り

 月曜の朝、エリカは雀荘サバンナに出勤してきた。昨日試合が有って体中が痛いけど、貧乏レスラーのエリカはバイトを休むわけにはいかずに、横浜から東京の神田まで出勤してきた。そして入り口のドアを開けて

「おはようございます」

と明るく挨拶をする。サバンナの風景はいつものごとくスポーツ新聞を見て全く仕事をしないはるかと、一生懸命開店準備をする店長と美幸であった。美幸はエリカが来てくれたことで、仕事の負担が減ると思って喜ぶ。はるかは相変わらず新聞に一生懸命で、エリカの事を気にも留めていなかった。

「後藤先輩、松山先輩はいつもと変わらずですか?」

「そう、いつもと変わらず競艇のことばっかり考えてるわよ」

と美幸は投げやり的な感じで言う。エリカの方は前と違って心境が変わっていた。何故なら沢野がエリカに説教をしていたからだった。

 エリカが麻雀の勝負イベントに消極的だったから、沢野が

「おい、エリカ、お前プロなんだろ?素人のはるかちゃんでさえ、ああやって盛り上げようとしているのにやる気の無い態度で私達の努力の足を引っ張ってんんだ?そんな態度でせっかく試合を見ようと思っているお客さん達はお前のことをどう思う?」

とエリカに厳しく説教をして、エリカもやっとやる気が出てきていた。しかし肝心のはるかが、麻雀の勝負イベントの事を忘れて、競艇に一生懸命だったから、やる気が空回りしていた。そして沢野のお説教の意味が十分に伝わってきていた。

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