第二十話 はるかの独断場
日曜日の朝、はるかは昨日の夜にプロレス観戦をしたことを忘れて。いつものはるかに戻っていた。店長や美幸が開店準備で動き回っているのに、はるかは相変わらずスポーツ新聞の競艇欄の所をじっくりと見ながら
「店長ー、昨日の桐生荒れたわね、あんなの買えないわよ」
「そうだね、桐生は風が強かったから、大きいのが出たみたいだよ」
「ほんと昨日は買えなくて良かった」
「それよりはるかちゃん、昨日のプロレスどうだった?」
「プロレスねえ、エリカが試合に出ないで、ずっとセコンドをしているからエリカの試合が見れなかったのよね。それにせっかくのメインの試合に途中で私控室に連れて行かれて、途中までしか見てなくて全然面白くなかった」
「はるかちゃん、もしかして試合に乱入しようとしたの?」
「そうじゃないのよ。私、試合の後、次の麻雀のイベントの挨拶をリングの上でしなければならないから、控室で待たされたの」
「ああ、なるほど」
「それで私、不満が一杯だったから、こいつらのやっていることはプロレスじゃなくてお遊戯だと言ってやったのよ」
それを聞いて、物を落として音を出しながら美幸が
「はるかちゃん、またそんなこと言ってエリカちゃんが怒るじゃない」
「大丈夫大丈夫、マイクパフォーマンスだから。それで店長聞いて私のマイクパフォーマンスをあのシャドークィーンが褒めてくれたのよ。やっぱあの人達プロよね、センスが有るわよ」
とはるかは嬉しそうに語る。そのはるかの態度に美幸はもう何も言う気が無かった。




