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咲瀬町の小さな物語  作者: しょーたろー
第一章 十年十色
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第一章 十年十色 第二十七話 ありがとうを思い出の中に

お久しぶりです!

初めましての方は初めまして!


この話で十年十色は完結します!!

続きとなる第二章の名前は後書きの方で発表しますので

最後まで読んでくれたらありがたいです

清水宏は自分にとって大事なことを忘れている気がしてならない。

机の引き出しの中に入っていた手紙の送り主の名前には『石本由奈』と書いてあった。

自分の友達の中に石本由奈という存在はいない。いたのかもしれないが、思い出せない。


会ってみたい。胸の中にあるこの思いはきっとそういうことなのだろう。

そう考えていたら電話がきた。

相手は岡本まなだった。


「もしもし」


「宏くんに伝えたいことがあるの。いつもの喫茶店に来て。」


まなからの誘いに何か違和感を感じたので質問をする。


「ねぇ、いつもの喫茶店て…どこ?」


まなは電話越しに唖然とした後「じゃあ家に来るから待ってて」と言って電話を切った。

喫茶店?そこに何かヒントがあるのだろうか。石本由奈という存在に繋がるヒントがあるのなら行ってみたい。


電話がきてから10分後、まなが家に来た。まなは喫茶店に向かうとだけ伝えて宏と一言も話さずに一緒に向かった。

見覚えのある喫茶店の中に入ると武田響が手を振っていた。


「それで、話って?」


宏がまなにそう尋ねると、響もまなもやはりかという顔をした。響が気まずい顔をしてこう答える。


「由奈ちゃんのことを覚えていないんだね?」


自分が1番気になっていることを聞いてきたので素直に


「うん。」


と答えた。

ずっと気になっていた。自分にとって大事な人だから。

誰なのかを知りたい。その衝動を抑えられず、聞きたいことをまなと響に聞いてみた。


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


どうやら彼女には特異体質があるらしい。

彼女と遊んだり話したり友達になったりした人たちは1年後の5月10日、つまり今日になったら彼女の存在を忘れてしまうらしい。

まなや響にも特異体質があるらしいが、宏に会う前に会ったらしい。

宏に会わない理由は手紙に書いてあるとまなは言った。


家に帰って手紙の中を見てみる。

そこにはこう綴ってあった。


『宏くんへ。これを見ている時、あなたは私のことを覚えていないと思います。いいの覚えていなくても。私に言ってくれた「忘れても思い出す」その言葉だけで私は希望を持つことが出来ました。あなたなら思い出してくれると信じています。私はあなたと特異体質がない状態で会いたい。その為には5年空けないといけないです。私のわがままにまた付き合ってくれたら嬉しいです。5年後、咲瀬公園の中の大きな木の前で待ってます。〇△年 石本由奈より。』


宏はその手紙をみてからすぐに家を飛び出した。今すぐ会いたい。5年なんて待ちきれない。会って伝えたいことがあるから。今のこの気持ちを伝えずにいたらまた...忘れてしまうから。


探して探して探し回っても彼女に会うことはできなかった。まなや響に頼ったらすぐに会えるだろう。でもそんなことをするつもりはなかった。

自分の力で会うことに意味があると宏は考えていいるからだ。


1年経ち、また由奈のことを忘れた。忘れたしても手紙がある。それを見てまた探し回る。

気づけば手紙に書いてあった日付から5年が経っていた。この日をどれくらい待っていただろう。

必ず会えるこの日をどれくらい待っただろう。


咲瀬公園の大きな木の前にずっと探していた彼女はそこに立っていた。

心臓がバクバクしている。ものすごく緊張している。

彼女のいる大きな木の前まで進むと彼女は気まずそうにしながら


「久しぶり」


と言ってきた。なんとなくだが初めて会った時はこんな感じだったのだろう。

ずっと伝えたかったこの気持ちを彼女に言う。


「ずっと思い出せなかった。思い出せると思っていた。けれど無理だったよ。君との思い出は何一つ思い出せなかった。」


彼女は下を見ながら頷く。


「唯一思い出せたことはあるんだ。それは君への思いなんだ。」


それまで下を向いていた由奈だったが、え?という顔をしながら宏の顔をみる。宏は逃げることなく由奈と目を合わせながら告白する。

ずっと伝えたかったこの一言を。


「君のことが好きだ。今までのことを思い出せなかったとしてもこれからを君と一緒にすごしたい。君といられる毎日を色々な思い出にしていきたい。」


宏は由奈からの返事を待つ。胸の音がすごい。聞かれていたら恥ずかしいくらいに。

由奈は宏を抱きしめて


「こんな私でよければ、これからもよろしくお願いします。」


そう言ってくれた由奈とキスをする。

あの日以来のキス。由奈は懐かしく思っていた。

キスをし終えた由奈は頬を赤らめながら目を逸らす。宏も目を逸らして一呼吸をしてから由奈に


「2回目だね」


と言った。

その一言に由奈は涙を流した。






最後まで読んでいただきありがとうございます

十年十色完結しました。


続きとなる第二章の名前は『Re:Member』です。


続きとなる次の作品もよろしくお願いします

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