第一章 十年十色 第十一話 涙の理由
お久しぶりです!
初めましてのかたははじめまして!
最後まで読んでくれたらありがたいです!
で、宏と由奈がメインなのでこの二人の話に戻ります!
あの日から数日が経ったある日。
いつものカフェにバイト終わりに立ち寄りいつも座っている席に腰を下ろす。
そして、あの日の少年のことを考える。
彼はなぜ少し嬉しかったのだろうと。
清水宏は特異体質で相手の感情を6色の色で見分けることができるのだ。
この前の少年は話しかけた時に『赤色』つまり怒ったり色々な色が混じり合い濁ったような色になるはず。だけど、その少年は濁ったような色だったけど特異体質の話をした途端、黄色になっていた。そしてすぐに青色に変わったのだった。
なぜ?理由がわからない。色々な人を見てきたけどこれだけは本当に分からないなと思いながら溜息をする。すると、後ろから肩をトントンとしてきた。振り向くとそこには石本由奈がいた。
石本由奈は清水宏の協力者で特異体質をもっている。彼女の特異体質は石本由奈と過ごしてきた人全員1年のある日を境に忘れてしまうというものだ。由奈は覚えていても他の人は由奈という存在を忘れてしまう。
忘れられてしまうその日まで宏とこの町にいる特異体質をもった人達を助けることにした。助けると言っても励ましたり、挫折しないように手助けしたりと友達になるみたいなのをするだけだ。
「変なんだよね。」
宏は由奈に会うなり挨拶もせずにそう呟く。由奈は少し不貞腐れたような顔しながら宏の目の前に腰を下ろしたあとすぐに返事をする。
「どこが変なの?私たちが特異体質をもった人たちを見つける方法とか?」
冗談交じりにニコッとしながら言った由奈だったが確かに由奈と宏のやり方は常識を破っている。全く知らない人にいきなり話しかけて特異体質もってますか?と聞いたりする行為は誰がどう見たっておかしい。おかしいけど、そこじゃない。
「そこじゃないよ。たしかにおかしいけどそこじゃなくて、なんで特異体質の話をした時に『黄色』になった後すぐに青色に変わったことだよ。」
宏が人の感情を見分ける時に胸のあたりに『黄色』がでれば嬉しいということなのである。逆に『青色』がでれば悲しいということなのである。
『嬉しいってことはその人もやっぱり特異体質をもった人なんじゃないの?で、なにかが原因で悲しいと思ったんじゃないの?』
「その原因がわかないんだよ。色々と推測はできるんだけどね。だってわかってくれる人がいた嬉しい!と思ってすぐにこの特異体質のことなんか解決してくれないんでしょと思う。これだと思うんだけど本当にこれが正解なのかが分からない。」
ここまでは誰もが考えられること。でも宏が変だと思っているのはそこではなく、単にこれがあっているとは思えないからである。あっているはずなのになにかが違う、その自分自身の疑問し続ける感情が変だと思っているだ。
すると他のお客さんがはいってきてすぐ隣の席に腰を下ろした。由奈たちの席は端っこなのだが、丁度すぐ隣に座ったのはこの前の少年だった。
お互い気づかない。由奈と宏は話し合っているのに夢中になっていて隣の少年、武田響はこの前のように深々とフードを被っていないしイヤホンで音楽を聞きながらスマホに目がいってるからだ。
お互い気づかずにもう30分が経った頃、やっと気づく。
「あ!」
そう言って驚きながら席を立ったのは由奈だった。自分でも予想外な声が出てしまい少し顔を赤くしながらすぐに座る。でも由奈のおかげで宏も宏たちの隣に座っている少年、武田響も気づいた。
「いきなり話しかけてきた人たちだ。」
そう言われて心にグサッとくるが耐えてから宏が話しかける。
「えっと、この前は名前も言わずにいきなり話しかけてごめんね。俺の名前は清水宏、高校3年生。よかったらでいいんだけど、君の名前を聞いてもいいかな?」
「武田響で、です。お、同じくこ、高校3年です。」
人見知りなんだなと由奈と宏は思った。その証拠に少しも目を合わせようとしない。 だから、宏から話しかけることにする。
「この前の続きなんだけどいいかな?」
「は、はい。だ、大丈夫です。」
下を向きながら顔をたてにふる。その返事に答えるかのように宏が質問をする。
「武田くんも特異体質をもっていたりする?僕も彼女ももっているしどんなのかも教える。だから、教えてくれないかな?」
そう言われたので宏と由奈を交互に見たあと半信半疑ながら説明する。どうせ、折れないんだろうなこの二人と思ったから、正直に説明する。
「えっと、ぼ、僕のはあ、あらゆる分野がか、完璧にできてしまうっていうのなんだ。だ、だから、み、みんなと努力して得られるた、達成感とか一切無いんだよね。」
我ながら話す度に噛んでしまう。こいつらよりかは頭がいい。けど、この前の今日だから緊張してよく喋れない。
そう自分に言い訳をしながら反応を伺う。すると彼らは少し哀しそうな顔をしていた。
そして、由奈がいう。
「話してくれたから説明すると彼は相手の感情を6色の色で見分けられて、私はある日を境に私と関わってきた人達全員私のことを忘れてしまうっていうのなんだよ。」
「自分の他にもいたんだ...。」
ぼそっと呟きその特異体質が原因で考えられることを推測する。
2人とも大変だったんだろうな。それが推測したあとすぐに思ったことだった。
「武田くんはその、達成感とかを得られないの辛い?」
彼女のその質問になんて答えればいいのか分からなかった。
みんなと分かち合うことができない、ライバルが現れない、何をやっても出来てしまうからやる気も出てこない、みんなのヒーローになれることがどれだけ難しいのかがよく分かっている。けど、両親はそんな自分のことを褒めてくれる。この調子で頑張れよ、と言ってくれる。
だから...。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あのあと。
由奈たちは響と連絡先を交換したが、由奈のあの質問には最後まで答えなかった。
いつ会える?というのが度々、響に連絡がいくが分からないとしか響は答えない。
会いたくない訳ではなく、気持ちの整理ができないのだ。
もし彼らとまた会って友達になれたとしたら多分、特異体質の原因を突き止めると思う。もしかしたら治るかもしれない。そうなった場合、僕はまた何もできない自分に戻ってしまうのではないか?今の両親たちは親戚からも何も言われてない。仮面を被って太鼓を持つかのようにちやほやしてくる。もし元通りになったら仮面をはずしてまた罵ると思う。
どっちがいいのか分からない。そう思い悩んでいた時に小学校の頃のアルバムが目に入ったのでそれを見ていた。
卒業文集の自分のところ。そこには友達のを移したかのような文章だったのだが、親からのコメントのところは母と父が別々で書いていた。
それを見た瞬間、涙が止まらなかった。小学校のアルバム自体机に置いてあるだけで初めてみたから今まで気づかなかった。
そして、決断する。
次の日、2人に響から連絡が来る。
「来週の日曜日、午後6時に初めて出会ったカフェ店で会いましょう。」
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回は響の決断に注目してくれたら嬉しいです。
来週投稿するので見てくれたら幸いです。
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