第140話 登録されない受講者
SR-01。
田村誠司が、日本で四千二百十八回使った「帰着」の仕組み。
それを未来の日本側で三浦直人が設定し。
若い田村誠司へ渡す前に。
一度だけ、本当に人を仕事から降ろせる仕組みになっているか試す必要があります。
SR-01第零受講者
ただし。
設定者の三浦直人でもない。
第一正式受講者の田村誠司でもない。
原鍵所有者でもない。
条件に合う人物は、現在一人。
けれど本人は。
まだ、自分が候補になっていることさえ知りません。
そして。
試験を受けた人が、そのままSR-01の利用者にされるのなら。
その試験自体が。
最初から間違っています。
「名前は開きません」
朝。
水車町配送所。
誠司は。
候補表示を閉じたまま言った。
SR-01
本稼働前・帰着教育試験
第零受講者候補――一名
本人限定照会――未実施
ガランが尋ねる。
「一人しかいないなら、開けば分かるんじゃないか」
「だから開きません」
一人。
しかいない。
その時点で。
候補者を。
事実上。
指名している。
さらに。
未来記録に。
必要。
と書いてある。
そんな状態で。
「あなたです」。
と言えば。
断れる。
とは。
書いていても。
断りにくい。
「先に」
ロウグが言う。
「試験の方を決める」
「はい」
本人へ。
何を頼むのか。
それが。
曖昧なまま。
名前だけ。
出さない。
*
まず。
言葉。
第零受講者
ロウグが。
書く。
誠司。
少し。
考える。
「これも変えます」
「記録上は、この名前です」
「正式記録は残します」
でも。
水車町から。
本人へ説明する時。
別。
SR-01第零試験協力者
「受講者じゃない?」
サーラが尋ねる。
「合格して資格を取る人ではありません」
試す対象。
人。
ではない。
SR-01
そのもの。
試験協力者は。
仕組みへ。
付き合ってもらう人。
帰着できなかった。
役目が外れなかった。
次の仕事が。
勝手に付いた。
その場合。
不合格なのは。
人ではない。
システム。
「運転を失敗したら?」
ガラン。
「安全違反なら、そこで中止します」
「本人不合格?」
「試験中止です」
技能試験。
ではない。
帰着手順。
確認。
だから。
結果。
三つ。
系統確認――成立
系統確認――要修正
本人希望により中止
人。
合格。
不合格。
書かない。
*
「では」
ロウグが言う。
「何をする試験ですか」
誠司。
黒板。
六段。
書く。
一。
役目を持たない本人として開始
二。
試験専用の仮運行役目を、一回だけ本人意思で受ける
三。
安全な短距離運行を行う
四。
帰着し、車両・鍵・記録・未処理事項を引き渡す
五。
仮運行役目を終了する
六。
次役目を持たない本人として、その場を退出できることを確認
雪板。
九番目。
無役目時間。
そこを。
試す。
「荷物は?」
サーラが尋ねる。
「価値のある荷物は運びません」
試験のために。
本物の仕事を。
作らない。
試験箱 一
中。
空。
ただし。
封。
番号。
重量。
記録。
ある。
配送手順。
確認できる。
「空箱を届ける?」
ガランが言う。
「試験用だと分かるようにします」
本物の。
客。
荷物。
仕事。
巻き込まない。
*
車。
こちらも。
未来記録に。
あるからと。
勝手に。
決めない。
試験車両――未登録
「徒歩でも?」
若い仕分け係。
「帰着教育なので、車両手順は必要です」
車。
止める。
鍵。
返す。
状態。
報告。
そこが。
SR-01。
だから。
必要。
ただし。
特殊車。
必要。
ない。
普通の。
安全な。
教習車。
一台。
あればいい。
*
そして。
最も大事。
試験終了後
「家に帰す?」
サーラが言う。
「本人が選びます」
生活拠点。
帰着先。
一時滞在。
昨日。
分けた。
同じ。
試験が。
終わった。
そのあと。
本人生活拠点へ移動
一時休息
宿泊
普通人員便で別地点へ移動
判断延期
どれでも。
安全なら。
いい。
「次の仕事は?」
「本人から聞かれない限り提示しません」
次役目自動提示――禁止
次役目自動登録――禁止
次勤務確認――禁止
ガランが。
最後を見る。
「次勤務確認まで?」
「日本側の教習票には、よく入っています」
研修。
終わる。
次。
出勤日。
聞く。
普通なら。
便利。
でも。
第零試験では。
危ない。
試験の目的は。
仕事を。
終わらせられるか。
だから。
終わった瞬間。
次。
何時に来る。
と。
聞いたら。
無役目状態。
壊れる。
*
「実際に」
誠司は言う。
「紙で試します」
人を。
使わない。
机。
三つ。
札。
一つ。
仮運転者
サーラ。
模擬。
本人。
ガラン。
受入。
ロウグ。
記録。
開始。
サーラ。
個人札。
だけ。
現在役目――なし
本人意思。
仮運行役目を受けます。
役目札。
渡す。
試験鍵。
木製。
渡す。
試験箱。
一。
持つ。
机を。
一周。
戻る。
「帰着します」
車両役。
木札。
停車。
鍵。
ガランへ。
箱。
引渡。
車両状態。
正常。
未処理。
なし。
本人状態。
正常。
帰着完了
役目札。
返す。
仮運行役目――終了
現在役目――なし
「終わり」
若い仕分け係が言う。
ところが。
ロウグが。
SR-01試験書式を。
最後まで。
読む。
「まだです」
最下段。
受講者登録
SR-01暫定利用者番号を発行
全員。
止まる。
「利用者?」
サーラが言う。
試験受講。
した。
だから。
SR-01利用者へ。
仮登録。
そのまま。
履歴。
残る。
「駄目です」
誠司が言う。
*
SR-01。
正式受講者。
田村誠司。
そこには。
利用者登録。
必要。
今後。
何千回。
使う。
だから。
普通の研修票。
最後。
利用者番号。
発行。
正常。
でも。
第零試験協力者。
一回。
仕組みを。
確かめるだけ。
正式利用者。
ではない。
「登録しないと」
ロウグが言う。
「どうやって試験中だけ使う?」
そこ。
作る。
試験識別票
個人利用者番号。
ではない。
試験番号――SR01-T0
有効範囲。
第零試験一回のみ
有効開始。
本人受任時
有効終了。
役目離脱確認時
終了後。
無効
履歴。
残る。
でも。
本人の。
恒常利用権。
残らない。
「鍵は?」
教習仮鍵
本鍵。
原鍵。
使わない。
権限。
最小。
試験車両一台
試験経路一回
帰着受付一回
基地変更――不可
系統閉鎖――不可
利用者追加――不可
原鍵。
持つ。
誠司。
関係。
なし。
「これなら」
サーラが言う。
「試験した人が、SR-01の持ち主みたいにならない」
「はい」
*
もう一度。
紙試験。
サーラ。
役目なし。
SR01-T0。
仮運行。
帰着。
鍵。
返却。
役目。
終了。
試験識別。
無効
利用者。
登録なし
次勤務。
記入欄なし
現在役目。
なし
最後。
本人退出――可
「どこへ?」
「満宿」
「では」
試験終了後一時滞在――満宿
退出。
完了。
第零試験――手順成立
人員。
登録。
なし。
「これです」
誠司が言う。
*
ここで。
本人限定照会。
ようやく。
作る。
SR-01第零試験協力者候補本人へ。
あなたは、将来行われるSR-01本稼働前試験の候補条件に一致しています。
この通知は役目の依頼ではありません。
試験内容は、短距離の仮運行後に帰着し、役目を終了したまま退出できることを確認するものです。
試験協力者はSR-01正式利用者として登録されません。
試験結果は本人の合否ではなく、SR-01側の成立/要修正として記録されます。
現在の役目・生活拠点・普通人員利用権に影響しません。
選択肢
一、説明を受ける
二、後日
三、候補から外れる
送信。
表示。
相手の。
名前。
出ない。
*
十分。
返事。
なし。
二十分。
なし。
水車町。
通常業務。
続ける。
東方。
返送。
昨日の。
ポンプ部品。
ガラン。
修理。
完了。
西方。
午後便。
載せる。
薬草。
南方。
数量。
確認。
北方。
氷晶。
融解率。
記録。
誰も。
候補照会を。
見張らない。
*
昼。
からん。
本人回答――一、説明を受ける
その瞬間。
候補識別。
開く。
個人名。
ではない。
本人が。
普段。
使っている呼称。
本人呼称――雪板
サーラが。
小さく。
息を吐く。
ガランも。
「ああ」
と言う。
誠司は。
少し。
納得した。
雪板。
返送庫。
第七管理人。
役目。
降ろした。
普通の乗客として。
水車町へ来た。
帰る練習で。
車を。
手放した。
普通の人として。
戻った。
そして。
次の役目を。
すぐ。
受けない。
時間を。
知っている。
条件。
合う。
*
雪板。
本人から。
追加。
今日、説明を聞けます。
現在。
水車町。
満宿。
歩いて。
来られる。
でも。
誠司。
返答。
時間と場所を本人希望で指定してください。
配送所。午後。
了解。
*
午後。
雪板。
来る。
第三配送単位。
車両帰還担当。
現在。
受任中。
ただし。
今日。
その業務。
なし。
個人札。
だけ。
持っている。
「候補って」
座る前に。
雪板が言う。
「第三配送の次の仕事ですか」
「違います」
誠司が答える。
「そこを最初に説明します」
第三配送。
満タン便。
日本側工場へ。
返す。
それは。
現在。
本人が。
受けた役目。
SR-01第零試験。
別。
しかも。
実施。
未来。
現在役目終了後。
「第三配送をやったら」
雪板が言う。
「自動で第零試験?」
「なりません」
「断っても?」
「第三配送には影響しません」
「第零試験をやっても、初回納車とか別の役目は?」
「付きません」
「SR-01利用者にも?」
「なりません」
雪板。
そこで。
初めて。
椅子へ座った。
「なら、説明を聞きます」
*
紙試験。
見せる。
雪板。
静かに。
一つずつ。
読む。
試験開始――役目なし
そこ。
指。
止まる。
「私、今は役目があります」
「だから今は実施できません」
「第三配送が終わったあと?」
「少なくとも」
車。
日本側工場へ。
引渡す。
本人。
普通人員として。
水車町へ。
帰る。
第三配送車両役。
完全終了。
そのあと。
「すぐ?」
雪板が尋ねる。
「いいえ」
「よかった」
「本人から説明希望が出るまで、こちらから次役目を提示しません」
雪板。
少し。
笑う。
「試験そのものが、九番目ですね」
「はい」
*
さらに。
試験中止――本人希望で可
雪板。
「運転中でも?」
「安全に停止してから」
「止めたら失敗?」
「系統確認中止」
「私の不合格ではない」
「はい」
「またやる?」
「本人が希望すれば」
「希望しなければ?」
「別候補を探します」
雪板。
そこで。
少し長く。
黙る。
「それなら」
誠司は。
待つ。
「第三配送が終わって」
「はい」
「水車町へ人として帰って」
「はい」
「一度、役目のない日を過ごしたあと」
自分から。
条件。
出す。
「もう一度、聞いてください」
誠司は。
そのまま。
書く。
第零試験候補・雪板
現在受任――なし
再照会条件
一、第三配送・車両帰還担当終了
二、水車町本人帰着完了
三、本人希望による無役目時間を一日以上確保
四、その後、本人へ説明希望を再確認
「一日」
ロウグが。
確認。
「本人希望です」
雪板が言う。
「時間を決めない方がいいっていう標準と違う?」
誠司。
少し考える。
「標準として強制する時間ではありません」
本人が。
自分のために。
一日。
ほしい。
それは。
別。
本人指定休止――一日以上
「なら」
雪板が言う。
「それで」
*
最後。
質問。
「試験が終わったあと」
「はい」
「私はどこへ?」
「その時の本人希望です」
「今の予定なら」
雪板。
考える。
「水車町へ戻る?」
第三配送。
将来。
車両を。
日本側工場へ。
渡す。
本人。
水車町。
戻る。
その後。
第零試験。
どこで。
実施するのか。
まだ。
聞いていない。
「試験場所」
雪板が言う。
「どこなんですか」
全員。
止まる。
確かに。
まだ。
未来側。
開いていない。
誠司は。
本人が。
説明希望を。
出している。
だから。
試験計画。
必要範囲。
開示。
SR-01第零試験
実施地点――日本側
雪板。
「また日本へ行く?」
開始地点――日本側特装工場
帰着地点――日本側始発配送所・SR-01
終了後――普通人員扱い
「試験を受けるための日本行きも」
雪板が言う。
「役目便?」
「それは駄目です」
誠司。
すぐ。
答える。
試験候補者を。
SR-01試験役目付きで。
日本へ運ぶ。
そうしたら。
開始時点。
役目なし。
条件。
壊れる。
「普通訪問で行く必要があります」
雪板が。
頷く。
水車町→日本側特装工場
移動区分――普通人員
到着時役目――なし
その後。
本人。
試験を。
受ける。
と。
改めて。
言った場合だけ。
仮運行役目。
付与。
*
「帰りは?」
試験終了後
日本側→水車町
普通人員帰着可
「その時も」
雪板が言う。
「試験役目は終わってる?」
「はい」
「なら」
一度。
頷く。
「形としては分かりました」
受任。
ではない。
理解。
だけ。
説明受領――完了
試験受任――未確認
そのまま。
*
雪板が。
帰ったあと。
ロウグ。
試験計画を。
さらに見る。
本人が。
説明を受けたことで。
開示範囲。
少し。
増えた。
試験車両――登録済み
ガランが。
眉を上げる。
「決まってる?」
「未来計画上は」
でも。
現時点。
本人受任。
なし。
車両貸出。
同意。
なし。
だから。
あくまで。
候補。
詳細。
SR-01第零試験
教習車両――K2D-0713
全員。
満タン便を見る。
赤い。
今。
水車町。
「またこいつ?」
ガラン。
「車歴を」
誠司が言う。
開く。
車歴状態――D
白い。
普通の。
車両。
M-001。
特装。
終了。
赤。
白へ。
戻る。
満タン便としての。
役目。
終わった。
後。
SR-02。
小川健太郎。
初回訓練にも。
使われる。
あの車。
K2D-0713・車歴D
SR-01第零試験教習車候補
雪板。
赤い車。
日本側工場へ。
返す。
その車が。
完成検査。
特装解除。
白い。
普通車。
D。
になる。
そして。
ずっと。
あと。
雪板自身が。
第零試験を。
引き受けた場合。
同じ車へ。
もう一度。
乗る。
でも。
その時は。
第三配送者。
ではない。
満タン便運転者。
でもない。
ただの。
試験協力者。
普通の白い車。
教習車。
として。
乗る。
「本人に」
サーラが言う。
「今、言う?」
誠司は。
首を横に振った。
「説明受領の範囲に、車両個体までは入っていません」
試験。
受けるか。
まだ。
決めていない。
必要以上の。
未来情報。
渡さない。
「車の方も」
ロウグが。
続き。
読む。
貸出元――日本側特装工場
貸出責任――未登録
車両状態確認――必要
本人受任――未確認
まだ。
全部。
開いていない。
*
ただ。
一箇所。
奇妙だった。
第零試験
車両帰着回数――一
人員帰着回数――一
荷物配送回数――零
「荷物」
ガランが言う。
「試験箱は?」
詳細。
試験箱――配送物として数えない
用途――手順確認具
正常。
配送実績――付与しない
第零試験で。
雪板が。
走っても。
配達一件。
には。
ならない。
SR-01利用実績。
にも。
ならない。
「本当に」
ロウグが言う。
「登録されない試験だ」
「はい」
*
夜。
配送帳面。
第一配送記録。
開く。
第一配送記録・教習零便
SR-01を作った時。
私は最初。
試験受講者へ利用者番号を付けた。
三浦直人。
未来。
設定。
教習したのだから。
利用者になると思った。
試験。
帰着。
成功。
車。
止める。
鍵。
返す。
体調。
正常。
私は言った。
「合格です」
相手。
聞く。
「何に?」
直人。
答える。
「SR-01に」
「私はこれを使うんですか」
「試験をしたので」
「誰が決めました?」
直人。
止まる。
「今、あなたが」
相手。
首を振る。
「私は試験に協力すると言いました」
「はい」
「利用者になるとは言っていません」
一行。
空く。
私は。
また。
協力した人へ、次の役目を渡そうとしていた。
利用者番号。
取消。
できない。
構造。
だった。
だから。
SR-01。
一度。
設定。
やり直し。
試験者識別と。
利用者登録を。
分けた。
そして。
二度目の試験では。
「合格です」
と言わなかった。
「SR-01側の確認が終わりました」
と伝えた。
相手。
聞く。
「私は?」
直人。
答える。
「役目なしです」
相手。
「帰っていい?」
「はい」
一行。
空く。
その人は。
何の鍵も持たずに。
工場を出た。
第一配送記録。
最後。
その後ろ姿を見て。
私は初めて。
帰着の仕組みが完成したと思った。
*
現在。
SR-01第零試験。
更新。
判定対象――SR-01
第零試験協力者――正式利用者登録なし
終了後役目――なし
次役目提示――本人希望まで禁止
候補。
雪板
説明受領――済
試験受任――未確認
再照会――第三配送終了および本人指定無役目時間終了後
そこまで。
正常。
そして。
一番下。
車両欄。
教習車両候補――K2D-0713・車歴D
その下。
新しく。
一行。
SR-01第零試験終了後
車両用途――変更予定
ロウグが。
止まる。
「変更?」
詳細。
K2D-0713・車歴D
第零試験終了後用途――SR-02帰着教育車
それは。
既に。
分かっている。
小川健太郎。
SR-02。
第一受講者。
しかし。
さらに。
SR-02移管前
車両受領確認――一名
「誰?」
表示。
SR-01第零試験協力者ではない。
SR-01設定者ではない。
高瀬圭介ではない。
小川健太郎ではない。
また。
役目を。
分けている。
受領確認者。
条件。
K2D-0713の車歴A・B・C・Dすべての記録を読める。
満タン便配送網の車両管理記録を確認できる。
車両を運転する必要はない。
日本側への本人移動手段が確保されている。
候補。
一名
今度は。
本人限定照会前でも。
役目名だけ。
表示された。
現在候補――ロウグ
ロウグ自身が。
文字を読む手を。
止めた。
満タン便を。
運転しない。
日本の車両資格も。
ない。
けれど。
帳面を。
読み続けてきた。
第一配送者の。
修正も。
失敗も。
車歴も。
全部。
次の配送帳面を。
受け取る人。
そのロウグが。
将来。
白いK2D-0713を。
SR-01の試験車から。
SR-02の教習車へ渡す時。
「同じ車の記録が、ここまで途切れていない」ことを確認する候補
として。
初めて。
日本側の役目欄へ。
名前を出していた。
SR-01第零受講者について、水車町ではまず「受講者」という扱いそのものを見直しました。
この試験で確認するのは、人の能力ではありません。
確認するのは――SR-01という帰着システム側です。
そのため現在の扱いは、
SR-01第零試験協力者
となっています。
試験協力者には合否を付けず、
系統確認――成立
系統確認――要修正
本人希望により中止
のいずれかを記録します。
また、試験を受けた人物が自動的にSR-01正式利用者になることも禁止。
一回だけ使える試験識別票と教習仮鍵を使用し、役目終了と同時に無効化します。
候補者本人へ説明した結果。
現在唯一条件に一致している人物は――雪板でした。
ただし雪板は、まだ試験を引き受けていません。
本人の希望は、
第三配送の車両帰還役を完全に終える。
水車町へ一人の人として帰る。
少なくとも一日は、自分で選んだ無役目時間を過ごす。
その後、もう一度説明を受けるか尋ねてほしい。
というものです。
そして未来の第零試験で使われる教習車候補は。
満タン便としての役目を終えた後の――
白いK2D-0713・車歴D。
さらにその車を、SR-01試験車からSR-02教習車へ引き継ぐ際。
車両を運転するのではなく。
A・B・C・Dすべての車歴が途切れていないことを確認する役目の候補として。
今度は――ロウグの名前が表示されました。




