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毎朝満タンになる補充トラックで異世界配送を始めました  作者: たむ


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131/156

第131話 零番を見に来る客

水車町車両返却所に作られた、駐車枠零番。

次の役目がまだ決まっていない車を、安全に受け取っておくための場所です。

その地面には。

満タン便が最初に納車された時点ですでに存在していた、二枚の金属基準板が埋まっていました。

0


K2D


日本側特装工場の照合では、K2-D初回納車用の位置決め板と一致。

しかし現在の日本側では、まだ一枚も製造されていません。

そんな中。

日本側特装工場から、一人の普通の乗客が水車町を訪れます。

初回納車便の運転者候補。

白いK2D-0713を、現在保管している人物。

けれど今日は。

候補でも。

工場担当でもなく。

ただ、零番を見に来た客です。

「今日、その人に位置決め板を調べてもらうのは禁止にします」

朝。

水車町乗継所。

誠司が言った。

ガランが。

少し不満そうな顔をする。

「向こうの工場の人なんだろ?」

「はい」

「K2Dの保管担当」

「はい」

「一番詳しいんじゃないか」

「だからです」

今日。

日本側から来る人。

現在役目。

K2D-0713車歴A保管担当


兼務。

日本側人員帰着当番


将来。

二つを降りたあと。

満タン便初回納車便を。

引き受けるかもしれない。

でも。

今回の訪問区分。

普通訪問


業務目的――なし


車両M-001関連作業――なし


本人自身が。

そう希望している。

「客として来た人に」

誠司は言った。

「無料で仕事をさせません」

ガランが。

頭を掻く。

「聞きたいことが山ほどあるんだが」

「俺もです」

「聞かない?」

「本人から仕事として話したいと言わない限り」

サーラが頷く。

「なら、今日の受入票にも書きましょう」

水車町固定人員受入口

実旅客第一号

日本側出発――特装工場

水車町到着――乗継所

区分――普通訪問

水車町側役目――なし

業務照会――本人希望なしに実施しない


最後。

見学場所――本人希望により当日確認


零番も。

絶対に見せる。

ではない。

到着。

休息。

本人が。

まだ見たいなら。

案内する。

*

固定人員受入口。

初めて。

人が使う。

設備試験は。

終わっている。

荷重。

温度。

遮断。

正常。

それでも。

人は。

試験袋ではない。

リア。

受入。

サーラ。

乗継。

ロウグ。

記録。

誠司。

少し離れる。

ガラン。

さらに離れる。

「俺は?」

「今日は車両担当じゃありません」

「分かってる」

「工具持ってますよ」

ガランが。

腰を見る。

いつもの。

小槌。

「癖だ」

「置いてきてください」

「そこまで?」

「客を見に行くのに工具はいりません」

ガランは。

渋々。

車両返却所へ戻した。

*

日本側。

連絡。

旅客本人意思――確認


体調――問題なし


携行品――一個


水車町側役目付与――なし


水車町。

固定受入口――準備完了


最後。

本人。

今から水車町へ移動しますか。


返答。

はい。


開始。

満タン便ではない。

固定受入口の。

椅子。

周囲。

淡く白くなる。

ガランが。

思わず。

一歩前へ。

誠司が。

手で止める。

光。

消える。

椅子に。

一人。

座っていた。

灰色の上着。

小さな布鞄。

足元。

革靴。

年齢は。

誠司と。

大きくは違わない。

ただ。

最初に見たのは。

周囲ではなかった。

自分の鞄。

だった。

「荷物」

その人が言う。

「あります」

サーラが答える。

「足元の右です」

本人。

目で確認。

そのあと。

前を見る。

「聞こえますか」

リア。

「はい」

「お名前を言えますか」

少し。

間。

「高瀬圭介です」

初めて。

名前が。

水車町へ来た。

旅客本人呼称――高瀬圭介


「現在地」

「水車町」

「めまい」

「少し」

「吐き気」

「なし」

「立たないでください」

「はい」

高瀬は。

素直に座る。

一分。

二分。

水。

一口。

三分。

「足に力は?」

「あります」

リア。

起立。

許可。

高瀬。

立つ。

その瞬間。

布鞄が。

椅子の横から。

するり。

滑った。

床。

少し。

傾斜。

排水用。

鞄。

半歩分。

動く。

サーラが。

足で止める。

「すみません」

高瀬が言う。

「いえ」

サーラ。

床を見る。

「こちらです」

荷物置場。

平ら。

だが。

転送直後。

本人が。

荷物を。

そこへ移す前。

一時的に。

足元へ置かれる。

「ここに止め板が要りますね」

ガランが。

遠くから言う。

誠司が見る。

「あとで」

「分かってる」

最初の実旅客。

一件。

早速。

改善。

固定人員受入口・実運用第一号

人員――正常

携行品――一時滑動あり

損傷――なし

改善――転送椅子脇に低い手荷物止めを追加


大きな事故。

なし。

でも。

次に残す。

*

到着確認。

高瀬圭介――水車町到着


受領。

ではない。

いつもどおり。

高瀬が。

表示を見る。

「本当に“到着”なんですね」

誠司が尋ねる。

「何がですか」

「工場だと、人も受入って言い方をすることがあります」

「水車町では、人は受領しません」

高瀬が。

少し笑った。

「聞いてました」

「誰に?」

「小川さんに」

誠司が。

目を細める。

「小川」

「帰ってきてから、少しだけ」

「何を」

「水車がちゃんとある、と」

誠司は。

それだけで。

何となく。

内容が分かった。

*

高瀬。

到着後。

役目。

なし。

だから。

車両返却所へ。

直行させない。

まず。

満宿。

部屋。

一泊。

荷物。

置く。

食堂。

昼。

「何を食べれば」

高瀬が。

献立を見る。

読めない。

ロウグが。

横へ。

小さな訳札。

置く。

穀物粥。

焼き魚に似た川魚。

豆。

野菜。

「おすすめは?」

高瀬が尋ねる。

誠司。

少し考える。

「俺は豆の煮たやつ」

「仕事の説明より、そっちの方が助かります」

「今日は客なので」

「はい」

高瀬は。

豆。

選ぶ。

*

午後。

水車町。

案内。

担当。

誠司ではなく。

乗継所の若い案内係。

「田村さんじゃないんですね」

高瀬が言う。

「俺が付くと」

誠司は答える。

「たぶん仕事の話になります」

「確かに」

高瀬。

笑う。

市場。

水車。

橋。

共同井戸。

満宿。

配送所。

外から。

見る。

立入制限。

入らない。

車両返却所。

最後。

「零番」

案内係が言う。

「今は空いています」

高瀬の歩みが。

少し。

ゆっくりになる。

満タン便。

別区画。

返却準備中。

赤い車。

見える。

高瀬は。

見なかったわけではない。

一度。

視線を向けた。

でも。

近づかない。

「満タン便は?」

案内係。

確認。

「今日は見なくていいです」

「零番だけ?」

「はい」

*

零番。

一台分。

空。

青札。

運転者待機不要


赤札。

分類前の修理・部品取り・再配車禁止


高瀬は。

最初。

その二枚を見る。

次。

地面。

古い。

二枚の金属板。

片方。

0


もう片方。

K2D


高瀬。

しゃがまない。

触らない。

立ったまま。

しばらく。

見る。

「これを見たかったんですか」

案内係が尋ねる。

「空いてる場所を」

高瀬は答えた。

「板じゃなくて?」

「板があるのは、来る前に知りませんでした」

未来側の。

訪問希望。

水車町へ来る前。

本人には。

詳細を。

送っていない。

零番。

次処理未確定車両。

その説明だけ。

「どうですか」

案内係。

高瀬は。

零番の。

空間を見る。

「ちゃんと」

少し。

考える。

「何も置いてないんですね」

「零番なので」

「そうですか」

それで。

しばらく。

黙る。

車を。

待っている場所。

ではない。

空いていること自体に。

意味がある場所。

次の役目が。

決まるまで。

置ける。

そして。

置いてきた人は。

帰っていい。

高瀬は。

青い札を。

もう一度見た。

運転者待機不要


「これ」

「はい」

「いいですね」

それだけ。

*

帰る途中。

高瀬が。

案内係へ尋ねた。

「田村さんは、今どこですか」

「配送所です」

「夕方、少し話していいですか」

「仕事の話?」

高瀬が。

困った顔をする。

「半分くらい」

「では、本人に聞きます」

勝手に。

連れていかない。

*

夕方。

乗継所。

小机。

高瀬。

誠司。

ロウグ。

高瀬自身が。

希望したので。

記録係。

同席。

「零番の板」

高瀬が言う。

「はい」

「工場に照会しましたか」

「規格一致まで」

「製造数ゼロ?」

「そこまで返答が来ています」

高瀬が。

頷く。

「俺から一つだけ言っていいですか」

「仕事として?」

高瀬は。

少し考える。

「工場の知識として」

「記録に残していいですか」

「はい」

ロウグ。

筆。

持つ。

高瀬が言った。

「納車先の位置決め板を、運転者が持っていって設置するのは」

一度。

言葉を選ぶ。

「本来の方法じゃありません」

誠司。

顔を上げる。

「予備ですか」

高瀬が。

少し驚く。

「そうです」

*

工場。

車両搬入。

完成車。

大型。

特殊車。

受取側。

停止位置。

決まっている。

本来。

受取側設備。

地面側。

先にある。

「車で持っていく位置決め板は」

高瀬が言う。

「行った先に何もなかった場合の予備です」

「じゃあ」

ロウグが言う。

「工場が“これから一組作る”と言っていたものは」

「たぶん、予備板です」

「今、零番にある板とは」

「別の可能性が高いです」

高瀬は。

そこで。

すぐ続けなかった。

「ただし」

「はい」

「俺は今日、あの板を業務として検査していません」

「分かっています」

「外観を見ただけです」

「それで十分です」

仕事を。

戻さない。

高瀬。

少し安心したように。

背を椅子へ預ける。

「だったら」

「はい」

「正式照会してください」

「します」

*

日本側特装工場。

照会。

K2-D初回納車受入位置決め板について。

先に回答された「日本側製造予定一組」が、受入地点に既設設備がない場合の予備品か確認願います。

水車町零番には、規格一致する既設板一組を確認済み。

既設板を撤去・移動せず使用可能性を検討する。


返答。

早かった。

確認。

日本側製造予定品――予備受入位置決め板。


「やっぱり」

ガランが言う。

続く。

初回納車先の受入基準が未整備、または現地設備照合不能の場合のみ製造・携行。


さらに。

水車町零番既設板が正式受入設備として確認された場合、予備板の製造は中止可能。


「まだ作ってない理由」

ロウグが言う。

「要るかどうか、決まってなかった」

未来記録。

製造予定。

それは。

絶対に。

作る。

ではなかった。

必要なら。

作る。

条件付き。

「なら」

誠司は言った。

「既設板を先に受け入れられるか確認します」

*

ただ。

古い。

出所不明。

それだけで。

設備として。

使っていい。

にはしない。

安全。

必要。

ガラン。

表面。

腐食。

目視。

浮き。

なし。

地面。

沈み。

左右。

差。

小さい。

荷重。

いきなり満タン便。

載せない。

まず。

空の小型荷車。

零番。

前輪。

基準板。

手前。

停止。

位置。

合わない。

板。

幅。

満タン便用。

小型荷車。

狭い。

「試験にならん」

ガランが言う。

次。

西方。

大きめ共同荷車。

車輪幅。

近い。

ただ。

重量。

軽い。

ゆっくり。

入庫。

左前。

基準板。

右前。

基準板。

停止。

進入路。

余裕。

人員通路。

塞がない。

運転席側。

降車。

可能。

荷台側。

返却所。

作業区画。

確保。

「位置としては」

ガランが言う。

「よくできてる」

「板が沈んだ?」

「目で見える範囲ではなし」

荷車。

出す。

地面。

再確認。

次。

砂袋。

段階荷重。

ただし。

板そのものへ。

無理な荷重を。

直接掛けない。

車輪経由。

満タン便の。

予定前軸荷重。

全部ではない。

一部。

「古い設備を」

誠司が言う。

「試験で壊したら意味がありません」

段階。

小さく。

異常。

なし。

*

さらに。

位置。

測る。

零番に。

満タン便を。

入れた場合。

仮図。

車体幅。

扉。

助手席。

荷台後部。

返却所。

通路。

全部。

計算。

「これ」

サーラが言う。

「人員受入口への道も空きます」

「はい」

車が。

零番にいる。

それでも。

普通の人が。

水車町乗継所へ。

歩ける。

救援動線。

塞がない。

「たまたま?」

ガランが言う。

「設計されてるみたいだな」

誠司は。

答えない。

今は。

機能だけ。

確認。

*

問題。

一つ。

片方の板。

右。

K2D。

端。

少し。

浮き。

指一本も。

入らない。

でも。

水。

入る可能性。

「掘る?」

「最小限」

板を。

外さない。

周囲。

一センチ。

土。

除く。

排水。

見る。

古い。

砂利層。

水。

抜ける。

正常。

そこで。

ガランが。

板の側面へ。

小さな刻印を見つけた。

「文字がある」

全員。

近づく。

土。

落とす。

こすりすぎない。

細い。

刻印。

RCV-0


「RCV」

ロウグが読む。

高瀬は。

もう。

満宿。

ここにはいない。

誠司は。

本人を。

呼び戻さない。

今日。

客。

だった。

照会。

工場へ。

文字だけ。

送る。

*

その前に。

既設設備。

どう受け取るか。

問題。

誰が。

いつ作ったか。

分からない。

でも。

安全。

用途。

確認できる。

「出所が分かるまで使用禁止?」

若い仕分け係が尋ねる。

誠司は。

古い橋。

井戸。

水車。

考える。

この世界には。

作った人。

記録。

失われている設備が。

いくらでもある。

全部。

起源が分かるまで。

使えない。

では。

暮らせない。

必要なのは。

起源。

と。

現在安全。

を。

分けること。

新しい票。

既設設備受領票


項目。

設備名称


現在位置


現在状態


用途確認


安全確認


所有・管理者


起源記録


起源未確定時の扱い


最後。

受領は、起源確定を意味しない。


「これ」

エレナが。

頷く。

「遺構にも使えます」

古い橋。

水路。

標柱。

誰が。

作った。

分からない。

でも。

現在。

点検。

管理。

できる。

なら。

使用。

可能。

ただし。

由来。

勝手に。

決めない。

*

零番。

基準板。

正式名称。

水車町車両返却所

零番・受入基準板一組


現在状態。

使用可能


用途。

大型車両仮受入停止位置


安全。

段階荷重確認済み

大型車両実荷重――未実施


管理。

水車町車両返却所


起源。

未確定


製造。

未確定


設置者。

未確定


「これでいい」

誠司が言う。

全部を。

埋めなくていい。

分からない欄は。

分からない。

そのまま。

受領。

既設設備受領――完了


配送帳面。

光る。

駐車枠零番

受入基準設備――成立


ほぼ同時。

日本側工場。

返答。

RCV-0

Receive Position Fixture / 受入位置基準具

K2-D系統で使用する受取側設備記号。


ガランが。

腕を組む。

「工場の部品記号じゃない?」

「受取側設備」

ロウグが言う。

さらに。

日本側予備受入板の識別――SP-RCV

水車町既設板RCV-0とは別系統。


確定。

今。

地面にある板は。

これから工場が。

予備として作る予定だった一組ではない。

「じゃあ」

サーラが言う。

「まだ、どこから来たかは分からない」

「はい」

でも。

一つ。

誤った前提を。

外せた。

未来に。

工場が作る。

だから。

今ある板が。

その未来部品に違いない。

そう決めなくてよかった。

*

既設設備。

受領。

完了したことで。

初回納車便の。

計画。

更新。

初回納車先

水車小屋北側荷置場

受入基準――RCV-0


受入位置決め板

現地既設――確認済み


日本側予備板製造

保留


さらに。

初回納車便運行者

予備板携行――不要予定


ガランが。

笑った。

「荷物が一つ減った」

「まだ“予定”です」

誠司が言う。

出発前。

もう一度。

既設板。

確認。

使えなければ。

予備。

作る。

「壊れたら?」

「その時は必要です」

条件付きの。

予備。

消さない。

今は。

作らない。

それだけ。

*

夕方。

高瀬。

満宿。

食堂。

誠司が。

本人へ。

今日の照会結果。

仕事の詳細ではなく。

本人が出した発言が。

どう扱われたか。

説明する。

「あなたの話をもとに」

「はい」

「工場へ正式照会しました」

「結果は?」

「予備板でした」

高瀬が。

小さく。

頷く。

「そうだと思いました」

「それ以上は、今日は聞きません」

高瀬が。

少し笑う。

「田村さん」

「はい」

「仕事しづらいでしょう」

「かなり」

「すみません」

「客なので」

高瀬。

豆。

食べる。

少し。

間。

「明日」

「はい」

「帰ったら」

高瀬が。

箸を置く。

「仕事として、一件だけやりたいことがあります」

誠司は。

聞かない。

高瀬が。

自分から続ける。

「零番の板の図面を見たいです」

「日本側の?」

「いいえ」

「水車町で作った現況図を」

誠司は。

すぐ答えない。

エレナの。

記録。

位置。

寸法。

刻印。

現況。

それを。

日本側へ。

渡す。

目的。

必要。

「何に使いますか」

「今は」

高瀬が。

少し考える。

「受入側設備の照合」

「製造ではなく?」

「まだ、製造すると決めません」

誠司が。

頷く。

「なら、明日。帰着後に正式照会を送ってください」

「分かりました」

水車町で。

客として。

見た。

日本へ。

帰る。

工場担当へ。

戻るかどうか。

本人が。

再受任する。

そのあと。

仕事として。

正式に。

図面照会。

それなら。

いい。

*

翌朝。

高瀬。

水車町固定人員受入口。

帰路。

日本側特装工場。

本人意思。

確認。

携行品。

一。

増えた物。

市場で買った。

小さな木製車輪。

「お金」

ロウグが言う。

「どうしたんです?」

高瀬が。

少し得意そうな顔をする。

「昨日、食堂の片付け手伝ったら、店主がくれました」

誠司が。

眉を上げる。

「仕事した?」

「俺から手伝ったんです」

「役目札」

「なし」

「報酬契約」

「なし」

「なら個人のやり取りですね」

全部を。

配送仕事にしない。

高瀬。

笑う。

*

固定受入口。

帰路。

起動。

高瀬圭介

日本側移動希望――確認


水車町側役目――なし


日本側到着後の工場役目――自動復帰しない


ここ。

追加。

現在。

高瀬は。

日本側で。

K2D車歴A保管担当。

だった。

しかし。

普通訪問のため。

一時的に。

当番交代。

して来ている。

戻った瞬間。

自動で。

元の役目へ。

戻さない。

日本側で。

本人が。

再受任。

する。

「九番目」

高瀬が。

表示を見る。

「使ってますね」

「はい」

光。

消える。

高瀬。

水車町から。

いなくなる。

日本側。

到着。

軽度めまい。

休息。

携行品。

一致。

五分。

歩行。

問題なし。

固定人員受入口

実旅客第一号

往復――完了


そのあと。

十分。

高瀬圭介

K2D-0713車歴A保管担当――再受任希望


本人確認。

受任


次。

日本側人員帰着当番――再受任希望


高瀬。

本日は辞退


代替当番。

継続。

二つ。

自動で。

戻らなかった。

高瀬自身が。

一つだけ。

戻した。

「分けた」

サーラが言う。

「はい」

普通の訪問が。

終わったあと。

仕事の形まで。

少し変わった。

*

午後。

日本側特装工場。

正式照会。

差出人。

K2D-0713車歴A保管担当

高瀬圭介


目的。

RCV-0既設板・現況照合


水車町側現況図の共有希望


製造指示ではない


水車町。

エレナ。

図。

複写。

原本。

水車町。

複写。

始発線。

送る。

日本側。

受領。

しばらく。

返答。

なし。

普通。

仕事。

確認中。

水車町も。

通常便。

動く。

第一最終帰還便。

準備。

二十九パーセント。

満タン便。

動かない。

配送網。

動く。

*

夕方。

工場。

返答。

RCV-0現況図

K2-D受入基準規格との照合――適合


続く。

現地既設板を初回納車時の正式受入基準として使用可能。


そして。

予備受入板SP-RCV

製造予定――停止


「中止?」

ガランが言う。

現地板損傷時のみ再開


「予備のまま」

誠司が言う。

必要がないから。

作らない。

未来記録。

変わった。

でも。

過去が。

壊れない。

むしろ。

余計な一組を。

作らなくて済む。

「じゃあ」

若い仕分け係が言う。

「地面の板の出所は?」

次。

工場。

製造記録照合――該当なし


日本側工場。

ではない。

少なくとも。

現在の。

通常製造履歴には。

ない。

水車町側設備番号として照会を推奨。


「こっち?」

ロウグが。

水車町配送帳面。

検索。

RCV-0。

現在。

今日。

既設設備受領。

それ以前。

なし。

古い第一配送記録。

零番。

板。

あり。

でも。

製造。

なし。

「作った記録だけない」

エレナが言う。

*

深夜。

配送帳面が。

第一配送記録を。

開いた。

第一配送記録・零番第二便

私は、地面の板を外そうとした。


三浦直人。

古い記録。

誰が置いたのか。

どこから来たのか。

裏を見れば。

何か書いてあると思ったからだ。


初回納車運転者。

止めた。

「外さないでください」


直人。

聞く。

「調べたいんです」


「調べるのはいいです」


「なら」


「位置を壊さずに調べてください」


直人は。

意味が分からない。

運転者。

板の。

左右を見る。

「この板は、金属として届いたんじゃありません」


「じゃあ何です」


「場所として届いています」


一行。

空く。

「外したら。

荷物は残りますけど。

届いた場所がなくなります」


直人は。

板を。

外さなかった。

その判断だけは。

正しかったと思う。


続く。

ただ。

あの板を見た運転者は。

帰る前に一枚の紙へ。

何かを書いていた。


私は聞かなかった。


その紙は。

運転者が持ち帰った。


第一配送記録。

終了。

*

同時。

日本側特装工場。

新しい返答。

RCV-0現況図受領後

K2-D受入基準板設計票――新規起案


ロウグが。

目を上げる。

「新規?」

今まで。

製造予定だった。

予備板。

それとは。

別。

区分――受取側設備原図


起案者。

高瀬圭介


誠司が。

表示を見る。

高瀬。

昨日。

水車町へ。

普通の客として来た。

零番を。

見た。

仕事を。

しなかった。

日本へ帰った。

保管担当を。

自分で。

再受任した。

そのあと。

正式に。

現況図を。

受け取った。

そして。

今日。

仕事として。

設計票を。

起こした。

参照資料――水車町RCV-0現況図


「現物から」

ガランが言う。

「図面を起こした?」

「そうなります」

次。

製造予定――一組


サーラが。

顔を上げる。

「予備板は止めたのに?」

別の一組。

用途――初回納車前・受入地点事前設置


部屋が。

静かになる。

発送先――水車小屋北側荷置場


発送時点――満タン便初回納車以前


設置方式――始発線・無人設備便


「無人?」

ガランが読む。

人。

行かない。

位置決め板だけ。

初回納車より。

先に。

水車小屋北側荷置場へ。

送る。

設置。

始発線設備が。

位置情報をもとに。

固定する。

だから。

初回納車運転者が。

到着した時には。

すでに。

地面にある。

第一配送記録と。

一致する。

「じゃあ」

ロウグが言う。

「今ある板は」

高瀬が。

今。

水車町で。

今ある板を見た。

その現況図を。

日本側へ送る。

高瀬が。

その図から。

同じ板を。

設計する。

工場が。

これから。

一組。

作る。

その一組を。

初回納車より前の。

水車小屋北側荷置場へ。

送る。

その板を。

初回納車運転者が。

見る。

何年も。

何十年も。

そこに残る。

そして。

現在の水車町で。

高瀬が。

客として見る。

一周。

最後。

RCV-0事前設置便

設計――高瀬圭介

製造――日本側特装工場

発送承認――未登録


また。

一つ。

空欄。

しかし。

さらに。

その下。

注意。

本設備便は、初回納車便運行者の受任前に発送してはならない。


「なぜ?」

サーラが言う。

詳細。

運行者が初回納車便を辞退した場合、

受入設備のみを過去側へ固定しないため。


誠司が。

静かに頷く。

未来の結果が。

見えていても。

先に。

場所を作って。

「もう車が来るしかない」

状態にしない。

初回納車運転者。

本人。

まだ。

受任していない。

だから。

RCV-0。

現在。

設計票だけ。

製造も。

発送も。

してはいけない。

それでも。

水車町の地面には。

すでに。

その一組が。

埋まっている。

最後の表示。

RCV-0製造開始条件

初回納車便運行者――本人受任


現在。

未確認。


地面には。

答えがある。

図面も。

できた。

工場も。

作れる。

始発線も。

送れる。

それでも。

一人の。

「はい」が出るまでは。

一枚の鉄板すら。

作ってはいけないことになっていた。

日本側特装工場から、水車町固定人員受入口を利用する最初の実旅客が訪れました。

その人物は――高瀬圭介。

現在、白いK2D-0713・車歴Aの保管担当を務めている人物です。

ただし今回の訪問では、工場担当でも初回納車運転者候補でもなく、普通の一人の客として水車町へ滞在しました。

高瀬は零番を見たあと、「運転者が携行する位置決め板は本来の設備ではなく、受取側設備がない場合の予備品である」と、自分の意思で情報提供。

正式照会の結果、日本側で製造予定だった一組は予備受入板だったことが確認されました。

水車町の既設RCV-0が安全な受入設備として正式受領されたため、予備板の製造は停止されています。

また、水車町では古い設備について、

**現在安全に使えることを確認する“受領”**と、

誰がいつ作ったのかという“起源確定”

を分ける「既設設備受領票」が作られました。

そして高瀬が日本側へ帰着したあと。

仕事として水車町のRCV-0現況図を受け取り、その図を参照して新しい設計票を起案しました。

その設計図からこれから製造される一組が、始発線を通じて満タン便初回納車以前の水車小屋北側荷置場へ無人設備便として送られる予定です。

それが現在、零番の地面に埋まっている二枚になります。

ただし。

製造開始条件は一つ。

初回納車便運行者本人が、その仕事を自分の意思で引き受けること。

未来の結果がすでに地面に存在していても。

本人が「はい」と言う前には、まだ一枚も作ってはいけません。

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