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毎朝満タンになる補充トラックで異世界配送を始めました  作者: たむ


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122/156

第122話 役目のない設定者

SR-01。


田村誠司が日本で四千二百十八回使った、帰着受入系統。


その目的は、


「田村誠司が、帰る方法を覚えるため」


でした。


その原鍵は、事故前日の誠司から小川健太郎へ預けられ、世界を越えて水車町へ戻ってきました。


そして判明した、もう一つの事実。


SR-01を最初に設定した人物は。


現在も生きている。


水車町にいる。


しかし、その人物の現在の役目は――


なし。


誠司たちは、役目を持たない人々を片端から調べることはしません。


誰なのかを探す前に。


その本人だけへ、安全に問い合わせる方法を作ります。

「まず、小川を帰します」


朝。


水車町配送所。


机の上。


SR-01原鍵。


安全保管箱。


その横。


昨夜の表示。


SR-01初回設定者


生存確認済み

現在地点――水車町

現在役目――なし


ロウグが。


その紙を見る。


「初回設定者を探す前に?」


「はい」


小川健太郎。


日本側から来た。


始発訪問便第一号。


普通の乗客。


今日。


日本へ戻る予定。


そして。


SR-01は。


小川の帰路にも使う可能性がある。


「系統を調べている途中で」


誠司が言う。


「帰る人の足元を変えません」


まず。


今動いている便を。


終わらせる。


それから。


設備変更。


それが順番だった。


*


水車町乗継所。


小川。


旅行鞄一。


市場でもらった木札一。


水車町側で増えた荷物。


それだけ。


「忘れ物」


サーラが確認する。


「なし」


「宿鍵」


「返しました」


「預かり品」


「田村さんへ返却済み」


「帰路希望」


「日本側始発配送所」


「途中で取り消せます」


「はい」


小川が。


誠司を見る。


「田村さん」


「何」


「帰りの確認、細かいですね」


「来るときと同じです」


「俺、日本に帰るだけですよ」


「帰るだけでも人です」


小川が。


少し笑う。


「向こうでも、それ言ってください」


「SR-02で習うだろ」


「九番目まで?」


「九番目まで」


*


満タン便。


車両返却所。


エンジン停止。


車輪止め。


主鍵。


保管箱。


助手席。


始発人員線。


日本側。


受入準備。


始発配送所人員受入――準備完了


水車町。


小川健太郎


訪問終了意思――確認

日本側移動希望――確認

体調――問題なし


最後。


本人へ。


今から日本側へ移動しますか。


小川。


はい。


「じゃあ」


小川が。


助手席へ座る前に。


誠司へ言った。


「また」


誠司は。


一瞬。


言葉に詰まる。


以前なら。


いつ。


と聞いたかもしれない。


「また」


それだけ答える。


日付を。


決めない。


約束を。


締切にしない。


小川。


着座。


体調確認。


携行品。


固定。


開始。


薄い白い光。


姿。


消える。


助手席。


空。


数秒。


日本側。


受信待ち。


十秒。


二十秒。


からん。


小川健太郎


日本側始発配送所――到着


体調――軽度めまい

座位休息――実施


携行品――一致


さらに。


五分後。


歩行――問題なし


始発訪問便第一号

往復運行――完了


ロウグが。


ゆっくり印を押す。


普通人員訪問

日本側→水車町→日本側


往復実績――一件


救援ではない。


仕事でもない。


帰還でもない。


来て。


泊まって。


会って。


帰った。


一件。


それだけ。


でも。


その一件が。


大きかった。


「これで」


サーラが言う。


「世界を越える道が、一方通行ではなくなりましたね」


誠司は頷いた。


「今の設備がある間だけです」


まだ。


満タン便助手席系統に頼っている。


車両を返せば。


この経路は。


固定設備へ移管しなければならない。


だから。


恒久旅客路――未完成


と書く。


成功したから。


完成。


にはしない。


*


小川の帰着確認後。


SR-01。


通常受入。


異常なし。


日本側。


帰着当番。


代理から。


小川へ。


再引継ぎ。


ただし。


その日の残り。


小川は。


帰着当番を引き受けなかった。


帰着完了後

次役目――本人再同意待ち


水車町帰着標準。


九番目。


日本側でも。


試しに使っていた。


一時間後。


本人意思。


帰着当番――再受任


「一時間休んでる」


ロウグが言った。


「いいですね」


何もしない一時間。


それも。


運行の隙間ではない。


必要な余白だった。


*


そして。


ようやく。


SR-01初回設定者。


「水車町にいて」


エレナが言う。


「役目がない人」


「該当する人を一覧にします?」


若い仕分け係が尋ねる。


「しません」


誠司は。


即答した。


水車町には。


旅人。


休養中の人。


仕事を終えた人。


子ども。


高齢者。


役目札を持たない者。


いくらでもいる。


その中から。


「怪しい人」を探す。


違う。


そもそも。


役目がないという理由で。


個人を調べること自体。


おかしい。


「でも」


ロウグが言う。


「初回設定者へ連絡は必要です」


「本人だけに送ります」


どうやって。


名前を見せず。


所在地も探らず。


本人へ。


問い合わせるか。


*


始発照会口の。


個人情報項目。


これまでにも。


似たものがあった。


日本側帰着当番。


小川健太郎。


本人条件が満たされるまで。


名前は。


水車町へ開示されなかった。


つまり。


系統側には。


本人へ問い合わせながら。


周囲へ氏名を出さない機能がある。


「逆に使います」


誠司は。


新しい票を書く。


本人限定照会票


項目。


照会対象――SR-01初回設定者本人


氏名――水車町側へ非表示


照会内容――SR-01権限移管についての説明希望


回答選択

一、本人氏名を開示して話を聞く

二、氏名非開示のまま質問のみ受け取る

三、今回は回答しない


どの選択でも、現在の役目・滞在・生活へ影響なし。


最後。


本照会への回答を、SR-01設定・権限移管への同意とは扱わない。


「これ、大事ですね」


サーラが言う。


話を聞く。


イコール。


仕事を引き受ける。


ではない。


名前を明かす。


イコール。


原鍵を使う。


でもない。


一つずつ。


分ける。


送信。


本人限定照会――受理


宛先。


非表示。


対象本人へ通知中


「どこに届くんでしょう」


ロウグが言う。


「そこも聞きません」


宿。


休養所。


個人箱。


どこか。


本人が受け取れる。


なら。


十分。


配送する側が。


すべての宛先情報を。


見る必要はない。


「荷物でも使えそうですね」


エレナが言う。


医療。


個人情報。


事故関係。


受取人へは必要。


運ぶ途中の人には。


不要。


本人限定便。


今後。


使える。


「ただし」


誠司は言う。


「匿名で何でも送れる仕組みにはしません」


差出側。


水車町運行安全受付所。


責任者。


記録。


内容分類。


残す。


受取人の氏名だけ。


配送途中で。


広げない。


匿名の差出人と。


秘匿された受取人。


同じではない。


*


昼。


返事。


なし。


水車町は。


普通に動く。


西方。


水樽。


南方。


乾燥薬草。


東方。


風車部品。


北方。


雪解け後の道路札。


後継帳面。


照合。


三十四パーセント。


雪板。


満タン便の。


車両返却手順を読む。


直人。


休養。


澪。


短時間歩行。


本人限定照会を。


理由に。


誰も呼ばない。


「待つんですね」


若い仕分け係が言う。


「照会ですから」


「急ぎなら?」


「急ぎだと書きます」


今回は。


緊急ではない。


SR-01。


動いている。


原鍵。


安全保管。


権限移管。


今日でなくていい。


だから。


待つ。


*


午後。


運行安全受付所。


入口。


杖の音は。


しなかった。


三浦直人が。


自分で歩いてきた。


長距離ではない。


ゆっくり。


手には。


薄い封筒。


白。


封。


その表。


本人限定


だけ。


名前。


なし。


「これ」


直人が言った。


「俺に届きました」


誠司。


何も言わない。


「開けても?」


「本人のものです」


直人が。


封を切る。


読む。


しばらく。


黙る。


それから。


椅子へ座る。


「選択肢一」


「名前を開示?」


「はい」


直人が。


自分で。


回答欄へ書く。


三浦直人


氏名開示――同意

説明希望――あり


SR-01設定・権限移管への同意――まだしない


誠司が。


その最後の一行を見る。


「それで十分です」


本人限定票。


返送。


始発照会口。


照合。


SR-01初回設定者


本人照合――一致


名前。


初めて。


表示される。


初回設定者――三浦直人


誰も。


大きな声を出さなかった。


驚きは。


あった。


でも。


どこか。


納得もあった。


第一配送者。


満タン便を走らせ。


帰れなくなり。


帰着手順を。


八つ作った人。


SR-01。


「帰り方を教える仕組み」。


その最初の設定者。


三浦直人。


直人本人は。


表示を見て。


困った顔をした。


「俺、覚えてません」


「はい」


「作った記憶もない」


「はい」


「今から思い出すまで聞かれます?」


「聞きません」


誠司は答えた。


「記録を見ます」


*


直人本人。


同意。


SR-01初回設定記録

詳細閲覧――許可


まず。


日時。


全員が。


そこで止まった。


初回設定実施時刻――未到来


直人が。


目を瞬く。


「まだやってない?」


「現在の水車町から見ると」


「でも俺が初回設定者?」


「先行本人登録みたいです」


配送帳面。


補足。


初回設定者本人――確定


初回設定処理――未実施


現在側本人同意――未確認


直人が。


椅子の背へ。


少しもたれる。


「また未来の仕事ですか」


「仕事と決めません」


誠司が言う。


「まず内容を確認します」


役目札を。


作らない。


本人。


三浦直人。


そのまま。


*


設定予定地点。


日本側特装工場


実施条件。


一。


満タン便M-001最終帰還――完了


二。


水車町配送帳面原本――受領


三。


水車町帰着標準――収録済み


四。


SR-01原鍵――使用可能


五。


初回設定者本人意思――確認


「全部」


ロウグが言う。


「第二最終帰還便の後」


「そうですね」


今。


まだ。


どれも。


完全には揃っていない。


満タン便。


水車町。


帳面原本。


水車町。


直人。


水車町。


原鍵。


水車町。


将来。


日本側工場へ。


全部が。


集まる。


そのとき。


初めて。


SR-01が。


設定される。


「でも」


ガランが言う。


「SR-01はもう、昔の日本で動いてるだろ」


誠司は。


表示を見る。


「始発線経由です」


未来で作った設定を。


日本側の。


過去の配送所へ。


適用する。


満タン便と。


同じように。


完成後。


始発側の。


先の時点へ。


送り出す。


「俺が」


直人が言う。


「未来で作るものに、田村さんは昔から教わってた?」


「記録上は」


「面倒ですね」


「はい」


*


教材。


SR-01初回教材


第一配送記録・帰着手順初版


項目。


八。


誠司が。


昨日まで見ていた。


旧SR-01教材。


一。


停止。


二。


車両確認。


三。


残荷。


四。


鍵返却。


五。


配送完了。


六。


異常。


七。


運転者。


八。


引継ぎ。


直人が。


小さく言う。


「これは覚えています」


「作った?」


「たぶん」


完全には。


戻らない。


でも。


自分が。


満タン便を降りられなかった頃。


帰着を。


手順にしようとした。


その記憶。


断片。


「九番目は?」


直人が尋ねる。


SR-01――採用なし


SR-02――採用予定


「俺が作るSR-01は」


直人が言う。


「八つのまま」


「はい」


「今の水車町は九つ」


「はい」


直人は。


九番目を。


口にする。


「帰ったあと、次の役目をすぐ引き受けなくていい」


少し。


苦笑。


「俺には作れなかったやつですね」


誠司は。


否定しなかった。


「だから、次に足しました」


「誰が?」


「みんなで」


直人が。


その答えを聞いて。


少し笑った。


*


次。


受講対象。


田村誠司


理由。


帰還基準者予定者


誠司が。


眉を寄せる。


予定者。


本人同意前。


「この指定」


「未来で直人さんが決める?」


ロウグが尋ねる。


表示。


受講対象指定――初回設定者が実施時に確認


つまり。


まだ。


直人は。


決めていない。


記録上。


結果として。


田村誠司。


そうなっている。


でも。


現在の直人に。


それを選べと。


命令しているわけではない。


「もし」


直人が言う。


「俺がやらないって言ったら?」


誰も。


すぐ答えない。


始発照会口。


表示。


現在側本人辞退――可能


続く。


辞退時代替設定者――再選定


直人が。


少し驚く。


「代わり、いるんだ」


「未来記録があるから絶対あなた」


ではない。


辞退できる。


その場合。


別の人。


別の経路。


歴史の見え方。


どうなるか。


それは。


今。


考えなくていい。


「なら」


直人は言った。


「説明だけ、最後まで聞きます」


*


SR-01の。


初回設定。


何をするのか。


大きな作業ではなかった。


工場へ。


受入系統番号。


設定。


教材。


八項目。


登録。


受講対象。


指定。


日本側配送拠点。


受入系統と。


結ぶ。


「会社そのものを作るわけではない?」


「いいえ」


「田村さんを入社させる?」


「いいえ」


「事故を起こす?」


「もちろん違います」


SR-01は。


普通の日本側配送拠点に。


「帰着教育」という。


一つの手順を。


付けるだけ。


誰を採用するか。


どんな仕事をするか。


事故が起きるか。


そこは。


触らない。


「帰り方だけ」


直人が言う。


「はい」


「帰る場所は」


「本人が決める」


直人は。


長く。


その言葉を聞いていた。


*


設定記録。


最後。


注意。


初回設定者は、設定実施時に役目札を使用してはならない。


「役目札禁止?」


サーラが読む。


詳細。


第一配送者

再出発担当

工場担当

その他運行役目による代理設定――不可


本人確認――個人札のみ


直人が。


自分を見る。


今。


役目。


なし。


「だから」


ロウグが言う。


「現在役目なし、って表示された」


初回設定者を。


職務から。


探してはいけなかった。


第一配送者だから。


設定する。


再出発担当だから。


設定する。


ではない。


三浦直人という人が。


本人として。


設定するか。


決める。


「役目を持っている間は」


誠司が言う。


「設定できない?」


「はい」


表示。


無役目状態での本人意思確認――必須


直人が。


少し笑った。


「未来の俺も、九番目を少しは覚えたみたいですね」


役目を降りる。


一度。


ただの自分になる。


その状態で。


これを。


次の誰かへ渡すか。


決める。


*


「権限移管は?」


ガランが。


原鍵を見る。


初回設定者。


三浦直人。


現帰還基準者。


田村誠司。


二人。


揃った。


物理的には。


今。


分割移管できる。


水車町側。


受入権限。


日本側SR-02。


教育権限。


しかし。


誠司は。


原鍵を出さない。


「まだ切り替えません」


「小川さんも帰ったぞ」


「だからこそ」


運行中人員。


なし。


今。


切替には。


いいタイミングにも見える。


だが。


新しい二系統。


本当に。


受け取れるか。


先に試す。


「古い系統を止めてから」


誠司が言う。


「新しい系統が動くか確認するのは遅いです」


新しい票。


帰着受入系統・切替計画


第一段階。


SR-01――現行稼働継続


第二段階。


水車町帰着受入――並行試験


第三段階。


日本側SR-02――教育系統試験


第四段階。


原鍵による権限分割


第五段階。


重複稼働期間


第六段階。


未処理帰着ゼロ確認


第七段階。


SR-01旧系統閉鎖


「一気に切らない」


サーラが言う。


「はい」


橋。


道路。


帳面。


人。


同じ。


新しいものへ。


明日から全部。


ではない。


旧。


新。


重ねる。


戻せる間に。


試す。


*


小さな試験。


水車町側。


SR-01を使わず。


水車町帰着受入だけで。


通常帰着一件。


東方便。


夜。


車両。


返却。


鍵。


受領。


荷物。


完了。


運転者。


休息。


帰着。


水車町独立受入試験――正常


日本側。


SR-02。


小川。


教材。


九項目。


読む。


まだ。


白いK2D-0713。


車歴Dは。


存在しない。


だから。


実車教習は。


できない。


代わりに。


机上。


帰着票だけ。


使う。


SR-02机上受講――可能


小川。


八項目。


理解。


九番目。


確認。


初回教育準備――正常

実車教習――車歴D待ち


「新しい系統は」


ロウグが言う。


「両方とも、準備できる」


「まだ切りません」


誠司は答えた。


一回。


二回。


試す。


旧SR-01も。


その間。


動かす。


「急がない」


雪板が。


横で言った。


誠司が見る。


「覚えました?」


「何度も聞いたので」


*


その日の夕方。


三浦直人は。


役目受任票ではなく。


一枚の説明受領票へ。


署名した。


SR-01初回設定について


説明――受領


本人意思――未決定


設定実施――未同意


権限分割作業――未同意


「これで」


直人が言う。


「何も引き受けてない?」


「はい」


「でも、自分が初回設定者になる記録があることは知った」


「はい」


直人は。


少し考える。


「変な立場ですね」


「候補よりは、もっと変ですね」


「未来の自分の実績だけある」


「はい」


直人が笑う。


「今日は休みます」


「それがいいです」


*


夜。


佐伯澪が。


直人からではなく。


誠司から。


必要最小限だけ聞いた。


「直人さんだったんですね」


「はい」


「覚えていない?」


「はい」


澪は。


少し考える。


「なら、思い出させないでください」


「そのつもりです」


「未来で本人が選ぶなら」


澪は。


窓の外を見る。


「そのときの本人に、選ばせてください」


誠司は頷いた。


過去を。


完成させるために。


現在の人を。


押さない。


それは。


北方一号。


佐伯澪が。


最もよく知っていることだった。


*


深夜。


配送帳面が。


静かに開いた。


第一配送記録・始発第一便

帰着手順を八つ作ったあと。


私は、それを田村誠司へ渡したいと思った。


三浦直人の。


古い記録。


直接教えようとは思わなかった。


私が教えれば。

彼は、私の失敗まで背負うと思ったからだ。


誠司は。


ページを読む。


だから。

彼が毎日帰る場所へ。

手順だけを置くことにした。


名前は置かなかった。


「第一配送者が作った手順」

とは書かなかった。


続く。


帰着は。

誰かへの恩返しでしてはいけない。


帰ってくる本人が。

自分を終業させるためにする。


一行。


空く。


私が教えられなかったことが一つある。


帰ったあと。

何もしなくていい時間の作り方だ。


現在の。


第0版。


九番目。


直人が。


作れなかった一行。


それを。


水車町が。


あとから足した。


第一配送記録。


終了。


その下。


SR-01。


詳細。


初回設定者――三浦直人


初回設定実施――未実施


設定予定地点――日本側特装工場


さらに。


設定実施可能時点


第二最終帰還便・水車町配送帳面原本受領後


ロウグが。


声を失う。


満タン便を。


日本側へ返す。


雪板が。


水車町へ帰る。


後継帳面へ。


正式に引き継ぐ。


旧原本を。


第二最終帰還便で。


日本側へ返す。


その。


さらにあと。


三浦直人は。


初めて。


SR-01を設定することになっている。


つまり。


誠司が日本で。


何千回も使った帰着手順は。


まだ。


現在の世界では。


作られていない。


そして。


表示は。


最後に。


もう一行を出した。


SR-01初回設定完了後


原鍵発送――一件


発送先。


日本側始発配送所


受取人。


田村誠司


発送時点。


田村誠司事故前日


誠司の視線が。


安全保管箱へ向く。


今。


そこにある。


SR-01原鍵。


事故前日の誠司が受け取り。


小川へ預け。


小川が水車町へ持ってきた。


その鍵を。


未来の日本側工場から。


事故前日の誠司へ送る便が。


まだ。


実施されていない。


原鍵は。


過去から現在へ運ばれてきたのではない。


これから。


現在の先から。


過去へ発送される予定だった。


そして。


一番下。


原鍵発送者――未登録。


三浦直人がSR-01を設定する。


だが。


原鍵を。


過去の田村誠司へ送る人物は。


まだ。


決まっていなかった。

小川健太郎は、始発訪問便第一号の乗客として、日本側へ無事帰着しました。


これにより、


日本側→水車町→日本側


という「普通の世界間往復」が一件、正式に完了しています。


また、水車町にいるSR-01初回設定者へ連絡するため、役目のない人々を調べ回るのではなく、本人だけに内容を届ける「本人限定照会」が作られました。


その照会へ、自分の意思で名乗り出た人物は――三浦直人。


SR-01の初回設定者は、第一配送者だった彼です。


ただし、さらに奇妙なことが判明しました。


三浦直人は、現在まだSR-01を設定していません。


初回設定が行われる予定なのは、


満タン便の第一最終帰還便が終わり、

水車町配送帳面原本まで日本側へ返却された、その後。


そこで作られたSR-01が、始発線を通して誠司の過去へ適用され、彼が日本で四千二百十八回使った帰着手順になります。


さらに。


現在、水車町の安全保管箱にあるSR-01原鍵も、未来の初回設定後に事故前日の田村誠司へ発送される予定でした。


つまり、その発送便はまだ実施されていません。


そして原鍵を過去へ送る人物は――現在も未登録です。

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