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竜眼のハーフエルフ  作者: 二砂音
二章 湖の街編
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閑話4 ローグごっこ

 今日も居にゃい。変だにゃ。

 家の裏から行ってすぐの秘密砦にルッコが居にゃい。


 裏の落ち葉の山にも、砦の上にも居にゃい。

 日向ぼっこしてる丸い茶毛玉が、探しても探しても見つからにゃい。

 代りにミウがすやすや寝ちゃってる。

 

 ルッコ、引っ越しちゃったのかにゃ?

 ここの人たち、すぐ引っ越すからにゃ。

 にゃんでここはいっつも臭いんだろう?


 ま、だから誰も来にゃいし、砦を作れたんにゃけど。


 はぁ、探し疲れちゃったにゃ。

 帰ろっかにゃ。


 にゃ!

 誰か来た。


 ママみたいに、崖から谷底をていさつ、するにゃ。

 あ、悪い奴がまた来たにゃ。


 大通りの向こうからていさつして見た。


 ママみたいにゃ冒険者のおじさん達とは全然違う、悪い奴の格好してる。

 大通りには入っちゃいけにゃいんだ。

 ママがすごい怒るから。ミウと一緒に眺めるだけにゃ。


 崖の下の洞窟に入ってくにゃ。

 あんな超臭いとこに入るのが好きにゃんて、やっぱり悪い奴だにゃ。

 あ、人族だから鼻がにゃいのかも。


 “変な草の臭い”のするおじいちゃんもいるにゃ。

 めっちゃキョキョロしてるから見つかりそうになって焦ったにゃ。


 にゃにしてるんだろ?


 いっつも色んにゃ荷物を持って行ったり来たりしてる。


 帽子の奴が親分だにゃきっと、小っちゃいけど偉そうにしてるし、悪者と違って、ちょっとかっこいいしにゃ。

 黒い杖をいっつも持ってるから、魔法使いだにゃ……ちょっと怖いにゃ。


 ソニー姉ちゃんだけは別にゃけど。


 見つかったら終わりだにゃ。狩りの時ママが言ってたにゃ。

 ……もう暗くにゃってきたから帰らにゃきゃ。


 ミウ「むぅ!」

 全然起きにゃいミウを叩いて起こして帰るけど、お尻を蹴られて転んだにゃ。




 にゃ?


 夜寝床で丸くなった後、急に目が覚めたにゃ。

 誰か呼んだにゃ?


 子供が下でまだ起きてるにゃ? お客さんの子供かにゃ?

 いいにゃぁ、まだ起きてて。うちはもう寝てないとママが怖いにゃん。


「……あむあむ」

ミウは指を食べながら寝てるにゃ。よし。

 ローグににゃって見に行くにゃん。


 うにゃぁっ! エルフにゃ! エルフのお姉ちゃんがいるにゃ!?

 夢じゃにゃいにゃあ? すっごくきれいにゃ! 冒険者の恰好してるにゃ!

 絶対見たことにゃいから、よその旅人だにゃ。


 あれ?

 ソニー姉とビクター兄が一緒にいるにゃ? 友達かにゃあ?

 レン姉ちゃんとも仲が良さそうだにゃ……あの光ってる虫はにゃに?

 ご飯に止まってるにゃ! 叩かないと!


 う~ん、よく見えないにゃ。

 うぅ、駄目にゃ、これ以上は、絶対ママに見つかるにゃ。

 お尻ぺんぺんは嫌だにゃ。


 おしっこが漏れそうだからていさつはここまでにしとくにゃ。




 朝になったにゃ。


 また僕が一番だにゃ。

「ふみぃ」

 あ、ミウも起きたにゃ。

 いきなりパチッと目を覚ますからいっつもびっくりするにゃあ。


「フィン~?」

 静かに!

 ていさつするんだにゃ、新しく泊まった怪しい奴を見に行くんだにゃ。


 お前も来るのかにゃあ?

 鈴が鳴らないよう押さえておくにゃらいいぞ。

「いく、うん」



 そっこーで見つかっちゃったにゃ! ローグにゃのに!


 ごっこじゃないにゃ!

「ひうっ!」

「ふにゃあ!」

 ママの弟子にゃんだぞ!


 何で猫人じゃにゃいのに足音がしなかったにゃ!? 魔法かにゃ?

 何でもう出かける恰好してるんだにゃ? その恰好で寝てたのかにゃ?

 野営ごっこかにゃ?


 絶対ミウが鈴を鳴らしちゃったからバレたんだにゃ!

 後でぶっ叩くにゃ!


 うぅ、近くで見るとすっごくでっかいにゃ、おっぱいもママみたいにでっかいにゃあ。

 目が蜥蜴の漁師のおっちゃん達より超怖いにゃあ、我慢するにゃ、我慢するにゃ、漏らしちゃだめにゃ。


「にゃんで? にゃんで?」

 何でミウは平気で、“にゃんでモード”になってるにゃ、怖くないのかにゃ?

 あんまりやるとみんな怒るからやめるにゃ、にゃんでモードは!


 あれ?

 怖くないにゃ。優しいお姉ちゃんだったにゃ。


 ルーナ姉ちゃんは冒険者だったにゃ。すっげぇにゃあ!

 やっぱていさつ通り、ビクター兄達の仲間だったにゃ。


「いけないんだよ?」

 うるさいにゃあミウは、ていさつだから少しぐらい起きててもいいのにゃ。

 悪い奴もいるし、技を磨いてるんだにゃあ。

 ルーナ姉ちゃんが知りたがってるけど、極秘だからにゃぁ。情報料を取るにゃ。


 1銅貨とか、馬鹿にしてるにゃ!


「だあれ?」

 ミウがうるさいにゃ、フェアリー? そんなのおとぎ話にゃ。


 今はお仕事中にゃ。

 3銅貨で話がついたら、ミウが頂戴って言うにゃ、これはお菓子じゃにゃいぞ!

 わっ、げんこつが捕まったにゃ!


 早くて全然見えなかったにゃ! ママより早いにゃ!?


「わるいこフィンっ」

 ふにぃ~、首根っこはやめてにゃ、動けなくなったにゃあ! ぶったらだめにゃ?

 僕悪い子にゃ? ミウだって馬鹿って言ったにゃあ! 蹴るなにゃあ!

 レン姉に言いつけるのはやめてにゃっ、お金もくれにゃいの?


 そんにゃあ~。



 ふにゃ~マジでフェアリーがいたにゃあ。ベルって言うにゃ?

 友達になったにゃ!


 ケンカはしないにゃ、約束だにゃ! すごい力持ちにゃ!

 飛べるし、光ってるし、声もおっきいし、ルーナ姉ちゃんよりすごいにゃ!


 僕達とパーティを組むにゃよ!


「わーいっ!」

 わー、空を飛んでるにゃあ!

 すごいね、ミウ!


 お礼に、とっておきの情報を教えてあげるにゃあ、秘密だよ?



「はむはむ」

 一緒に朝ごはんを食べて、お歌を歌ったにゃあ。


 古王詩って名前だったのにゃ?


 レン姉はまだ起きてこないにゃ?

 お手伝いサボると、後でママのゲンコツだよ?


 そん時にルーク兄ちゃんが久々にご飯の時間に戻って来たにゃ。

 衛兵団は大変だにゃあ?

 何でいっつもパパの真似をするにゃん?


「ルーにいだ」

 お話聞きたいにゃあ、でもルーナ姉ちゃん達と話してるにゃ。助けた?


 盗賊のアジト? オーク? 大人の話にゃ!

 なんかすごいにゃ!

 

 皆大人の話してるにゃ、深いにゃあ、女王様の目玉焼きにゃ?

 ふむふむ、よくわからないにゃあ、ルーナ姉ちゃんもわかってないみたいにゃ、仲間にゃあ。


「すごい」

 ベルはどんだけ食べるにゃ!

 ……食べた物はいったいどこに入ったにゃ?



 姉ちゃん達、出かけてったにゃ、いいにゃあ、ギルドに入れて。


 こっそり追いかけて見て見るにゃ。

「みうもっ」


 そしたら、お外で魔物と戦ってたにゃ!

 街に魔物なんて久々にゃあ!

 知らにゃい魔物、大きいし怖いにゃ。

 蛇に羽が生えて飛んでるにゃ、きもいにゃ。


 これじゃあ壁があっても簡単に入って来ちゃうにゃあ。

「やあ!」

 大丈夫だよミウ、皆いるからなんとかなるにゃ。

 兄ちゃんが守るにゃ。


 わぁ、魔法だにゃ! すごいにゃ! 魔物も使うのにゃ!? 毒の血にゃの!?


 ビクター兄の盾がすごい音したにゃあ。

 舐めてたにゃ、ビクター兄はもっと怖がりだと思ってたけど、カッコいいにゃ~。


 ミウがびびっちゃってるにゃ、ぼ、僕も怖いにゃあ……。


 ルーナ姉ちゃんめっちゃ飛ぶにゃ! ママと一緒にゃ!

 ええ!?

 そんなに高く飛べるのにゃ?

 って自分でびっくりしちゃってるにゃ!


 やっぱ変わってるにゃねえ、ルーナ姉ちゃんは。


「べーる! べーる!」 ベル「えっへん!」

 ベルが捕まえて倒したにゃ! すごいすごい! さすがパーティメンバーにゃ!


 ええ!? これ食べる気にゃの? 毒の血にゃんでしょ?



 その後、ローグになって追っかけて、大通りに入らないで、隠れて見てたにゃ。

「フィン、あっち、おいしいおみせだよ」

「おいしそうなお店がある、にゃよ」


 でもまだ出店は開店してないにゃ、しても僕らはお金ないにゃあっ。

 大人しくしてるにゃ、ローグ中にゃあ!


 ルーナ姉ちゃんがでっかい蛇を引きずってギルドに入ってったにゃ……あっ!


 ベルが出て来たにゃ! 

 お金をもらったにゃ?


 すごいにゃ、冒険者だにゃあ。

 早っ! にっこにこでお店に飛んでったにゃ!


 あっ、ミウ待つにゃ。

「にゃんで?」


 今度はルーナ姉ちゃんが出て来たにゃ。


 他のみんなはどうしたにゃ?


 なんか、皆姉ちゃんを見てるにゃね。「にゃんで?」

 やっぱり珍しいからだにゃ。


 ベルんとこ行くのかにゃ? あれ? 臭いとこに入ってくにゃ。「にゃんで?」

 どうしよっかミウ……。


「おねえちゃんとこいく」

 ついでに遊び場まで行くかにゃ?


 “姉ちゃんのとこからだと遠回り”にゃんだけど、尾けてみるか!

 こっちは大通りじゃにゃいから行ってもいいのにゃ!


 追いついた時には、怖いおじちゃん達に囲まれてたにゃあ。

「あのおじちゃんたち、やぁっ」

 僕らも追いかけられたことあるけど、姉ちゃんはでっかいから逃げれそうににゃいよ? 大丈夫かにゃあ?


 石拾ってお手伝いするにゃ! 「みうもやる」

 だめにゃ! 隠れてるにゃ!


 って言ってる間に倒しちゃったにゃ!


 何人かこっちに逃げて来たからびっくりしたにゃ! 「ひうっ」

 ミウもびっくりして走り出したから首根っこ掴んで止めたにゃ。「やーっ」


 しいっ!


 ルーナ姉ちゃん、めっちゃくちゃ強いにゃ! お家を壊しちゃったにゃ!

 苛めてない、よね?


「すごいすごいっ!」

 ミウの眼を塞いどいたほうがよかったかにゃあ?

 マネしないといいんにゃけど。

 

 ふぎゃっ! ハンマーをげんこつでポキッと折ったにゃ! もう絶対逆らわないにゃん!  悪い奴だったみたいで武器を全部没収したにゃ。


 あっ! あれ、認識票だにゃ! 冒険者が混じってたにゃ?


 ……こんな弱くて悪い冒険者がいるのにゃん!?


 折れたやつをぽいって捨てたから、拾ってみる。

 おお、すごいのを拾ったにゃ!


 ミウがお姉ちゃんが行っちゃう、と引っ張る。

 

 姉ちゃん、どこ行くにゃ?

 排水口を僕らみたいにくんくんしてるにゃ。

 臭くないのかにゃあ??


 またどっかにお散歩に行くにゃん?

 さっきのとこを僕らもクンクンしてみる。


 ふぎゃあ! めっちゃ臭いにゃ!


「? ……ルッコのおしっこ?」

 何言ってるにゃ?


 こっち昇って上から見るにゃ。

 早く来るにゃミウ。

「まってぇ~フィン、ひっぱってぇ~」


 あ! “谷”に悪い奴がいた! 走ってるにゃ! あれ?

 子供に追っかけられてる、逃げてるのかにゃ? 誰にゃあいつ?


 ローブ着てるから、魔法使いかにゃ?

 僕と同じくらいにゃのに?


 ルーナ姉ちゃんの知り合いみたい、少し話して、一緒に追いかけてったにゃ。


 悪い奴が逃げるくらい強いのかにゃあいつ?

 でも足がめっちゃ遅いにゃあ。


 それに、ルーナ姉ちゃんがマジで走ると、めっちゃくちゃ早いにゃ! 追いつけないにゃ!

「はやいはやい! みうも!」

 待つにゃ! あっちは遊び場の方にゃ、回り込んだ方が早いにゃ? 行くぞミウ!


「かえるの?」

 違うにゃ、回り込むのにゃっ、いいから兄ちゃんについてこいにゃ!




 その後、遊び場にて。

 兄妹はさっそく、悪い奴らとやらが出入りする穴をそっと覗き見た。

 そこは先ほどと同じような、旧排水口だったのだ。


 怖いけど、あそこから入るしかなさそうだにゃ……でも怖いからちょっとのぞくだけにしてもう帰ろうかにゃ。


 あ、ミウがドアノブに背を伸ばしたにゃ!

「うんしょ、あっ、あいてるよフィン!」


 待つにゃミウ!

 いきなし入っちゃ駄目にゃっ。

 まずはていさつにゃ!


 扉のとこにある穴に届かないにゃあ、ミウ、ちょっとそこでしゃがむにゃ、おまえ台になるにゃっ。

「フィンがだいになって。ミウがのぞく」

 文句言うなにゃ!


「ふぅーっ!」

 威嚇しても全然怖くにゃいにゃ。


 ひうっ、中にいるにゃ、あっちのドアから出て来てなんかしゃべってるにゃ。

 別のドアに向かってるとこにゃ。


 帽子の悪者「くっくっくっ、さっさと来いよ、溶けるとこをじっくり見るんだ。一緒に落ちちまったランゴには悪ぃが、あのイカれエルフとクソチビと戦うのは二度とごめんだからな」

 コツン、コツン。

「前のリス族のガキなんてすぐに跡形もなく消えちまってたからなぁ」

 盾を持った悪者「でもリゾット様ぁ、何故あのリス獣人のガキゃアジトに居たんすかねぇ? 罠が設置されてたのにぃ?」


「おもい~まだぁ~フィン?」

(しぃっ! 見つかるにゃ!)


 うんち臭い悪者「げひ、ききっとあのど毒鼠共と同じ穴から入ってき来たのさ、げひ、ちち小っこいからよお、ひひ」


 もう一人の悪者はモグモグしてるだけにゃ。

 あれはアプルにゃ? おいしそうにゃあ。


 帽子の悪者「そんなこと知るかバーカ。“変異丸の薄めたの”をぶっかけて毒スラ共を増やしてる真っただ中に、のこのこ入って来やがってよ、クソリスは見ちゃいけねぇもんを見ちまったんだ、おしまいさ」

「でもスライムプールに蹴り落した時のマヌケな顔は傑作だったな! え? って顔だよ」


 ギャハハハ、と笑いながらリゾット盗賊団は落とし穴の底へ通じる扉を開けて出て行った。


 え? え? 今の、居にゃくにゃったルッコの話にゃ?

 ルッコは確か、リスの子にゃ!


 ルーナ姉ちゃんとちっこい人のことも話してたっぽいにゃ!


 ルッコは悪い奴らに捕まったからいなくなったのにゃ!

 全然引っ越しじゃないにゃん!


「もうむり」

 ぐえっ、ミウがつぶれたにゃ。

 奴らを追うにゃ、ミウ!


 こっそりドアを開けてローグで入ったら、なんか踏んづけたにゃ。

 ゴトンと音がして、ガチャンッてなんか落ちて来たにゃ。


 ひうっ! 檻にゃ! 捕まったにゃ!?

「ふにぃっ! フィンこわいっ、かえろうっ、かえろう?」


 も、もう帰れないにゃ!


 おしまいにゃあああんっ!


 読んでくださりありがとうございます。

 楽しくて長くにゃっちゃいました。

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