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竜眼のハーフエルフ  作者: 二砂音
二章 湖の街編
108/133

104話 調査依頼6 水中のそれぞれ

 水中へ潜り込もうとする巨大池鮫。


 吹き飛ばないよう槍を食いこませるゼラ。

 レックスは巨体で銛を叩き刺し、拳でぶん殴るも、止めることはできなかった。

 止めを刺せず、むしろそれこそが魔物が逃げるのを急かしてしまい……。


 大きくその身を震わせ揺らし、周囲は弾き飛ばされる。


 ズズズザバアアアアッ――。


 ソニー「お兄ちゃん、あれ!」

 首を振る巨大鮫の口から飛び出て吹き飛ばされるアリエスタらしき変化スライムと、中で、いや飛ばされ空中へ出たベル。


 ビクター「ルーナさんは!?」


 ベル「ルーナー!」

 小妖精の少女が、巨大鮫の閉じようとする口の方に向かって叫んでいた。


 バクンッ!


 ビクター「ああ!?」

 ソニー「いやあっ! (ベルちゃん!?)」


 ガストン「口を開けろでかぶつ!」

 ブシュウッ!

 大剣が閉じた歯の歯茎へと斬りつけられるが、逃げることに集中している奴の巨体に弾き飛ばされた。


 ゼラ「ハアァッ!」

 ズジュウッ!

 その槍ごと飛び掛かる猛獣の様に、ガストンの付けた傷を更に抉りこむかの如く深く突き刺さり、返り血に塗れた。

 

 ブクブクブク……。

 鮫が入り込んだベルやゼラと共に沈んでゆく。

(ルーナさあぁぁん!) ブクブクボコボコ……。


 ガストン「おいマジかよ! (クソ顎じゃなくて頭《急所》を斬ってりゃ!)」


 ガラアアンッ! バキャアッ!

 ズズズズズルッ。

 ドポドポブクブク。


 巻き起こった水流や、漁船の瓦礫や水しぶきで辺りは混沌とし、皆巻き込まれ沈んだり弾き飛ばされる。


 ラプト「うおい網に気ぃ付けろぉ!」

 一同「「!?」」


 奴の歯に引っかかった網も、水中へ瓦礫を巻き込んで共に引っ張られ沈んでいった。

 モードとチャックの足を引っかけて。

 チャック「え? うわあああっ!」

 漁師「何やってんだバカっ」


 モード「なっ」


 ダロム「いかんっ!」

 咄嗟にダロムが唯一の左腕で、引きずり込もうとする網から押しどかせられたのは、チャックだけであった。


 ダロム「!?」

 そしてその際、足元の濡れた甲板の欠片が巨体の沈む水の激流に沈みこんだ。


 ゴポアアンッ、バキャッ。

 それにバランスを崩したところへ、瓦礫がぶつかり合い飲み込まれる渦によって弾きとんだそれをが、防ぐ手立てもなくぶつかり、倒される。


「くっ――」

 そうやって、自分もルーナ同様網に巻き込まれ囚われながら、あっという間に水中へと消えてしまった。

 ズプンッ!


 レックス「ダロム!!」

 一同「ダロム!」「モードさん!」


 ソニー「きゃあモードさんがっ!」

 チャック「あああ、おいらの代わりにぃ」

 ラプト「下がれって! こっち来いってチャック!」


 ビクター「僕がっ!」

 ソニー「だめ! お兄ちゃんやめてえ!」

 彼女は逃がさないとばかりに飛び込もうとする兄を抱き留めた。


 漁師達「……ん?」「若頭?」


 ゴソ。

 レックス「……ガストンっ後を頼んだゾ」


 ガストン「んあ? おい」

 彼も跡を追うように潜って行った。


 ズブウンッ!

 漁師達「「若頭あ!」」


 荷物から皮袋を取り出し空気を入れた物を片手に持って平然と。


「おい旦那ぁ! ったく」

 漁師達「ああ! 若頭ぁ!」「姉さーん!」「レックス兄貴ー!」「にゃあーん!」「若頭ー!!」



 一同「「……」」


 ガストン「行くなよアリエスタ、旦那にまかせろ、水中はトカゲ族に (魔力やべえだろお前)」


「……ギリッ」



 ラプト「……大丈夫、俺達蜥蜴人は息がズっと続くから、大丈夫……空気入れ持ってったシ、モードサんだって大丈夫だって、ハハハ」


 ビクター「あ、あの、ゼラさんは?」

 ガストン「ああ、奴もハーフだからけっこう持つんだよ」


 チャック「え、でも、じゃあよ、ルーナの姉さんやモードの姉御あねごは?」


 ソニー「……あれ? ベルちゃん!? あっ!?」


 ――――


 ボココココ……。


 モッカ湖中で。

 レックスはその巨体に見合わず、なめらかに、魚のように波のようにその身を曲がりくねらせ、そして漁師達の誰よりも早く水中を泳ぎ進んでいた。


 すぐさま逃げ泳ぐ巨大鮫に追いつく。


 弱り、怪我を気にしてか、水中なら安全と踏んだのかは知らないが、大して逃げ飛ぶような速度ではなかった。


(魔物が嗅ぎ集まるゾこれは……)

 それに、血が糸を引いて流れ、閉じた鼻孔に触れる水からでさえ臭い漂っていた。


(囚われたのはルーナ様、あごの方にノーデント卿、歯に網が流れ揺れているところにモード様とダロムの馬鹿が引っかかっているはズだ)


(いた)

 む、モード様は風球で顔を覆っていて無事なようだ。

 空気袋は必要なかったな。

 流石、衛兵隊長にシて元上級冒険者。


(これはルーナ様に使うことができるゾ)

 だが、あのお方はこの状況でも平気な気がスる。


(シュー)

 ダロムの馬鹿を見ると、引っかかった網を破き、残りの足にからまった箇所を解こうと身に付けていたナイフを手に取り掛かっているところだった。

 フンッ、ほらな、無事だった。

 奴は放っておいても良かろう。


 戦争に勝手に行って腕を失くシのこのこ帰って来て、セっかく二人だけで独占シていた“蟹漁”を駄目にシよって。


 儂だけ置いて、漁師もけじめで辞めるだと? フンッ!

(シュ~クソ蜥蜴めが)


 少シ進むと、モード様も同様に短剣で網を解いておられる最中だった。

 だが網が塊になって身動きができズ、難儀シておられるな。


 モード(!)

(来まシたぞ、サあこれを使ってくだサれ)

 傍に取りつき短剣で切り崩シ、少シ解けて自由になったモード様の手に短剣を渡す。


 儂のこれは背がノコギリになっておりまス、これならば。

 モード(コクリ)


 ノーデント卿は?

 サっきから新シい濃密な血が流れてくるのは……。

(クンクン……)


 鮫の体をつたって先に進むと、ソれは見えた。

 ズンッ! ズンッ!

(アアアッ!)

 鮫の牙の根本のところでノーデント卿が暴れている。


 奴の歯が取れかかっておる。

 なんというお方だ。

 二つ名はとうとう付かなかったが、あれが“旋風”の突風、先刃槍と呼ばれる戦士の姿か。


 ゼラ(息苦しい死ぬ! 息苦しい死ぬ! 息苦しい死ぬうううあああ!)


 トントンッ。

 モード(後ろ後ろっ)

(?)


 モード様の警告に振り向く。

(!?)

 コポォッ。


 ズオオォ……。

 魔物が集まって来たか!


 何匹か、鮫ではなく取り付いてるこちらに襲い掛かって来おった。


 ピラーナより大型の、肉食の魔物魚が、細長い体をうねるようにシて素早くこちらに近づいて来た。


 食らいつこうと開けた口には、牙が飛び出すように外を向いている。

 “剣魚”か。

 先頭の奴は大物だな。


 儂は三叉銛を引き絞るようにシて構えた。

 

(どいてー!)

 む?


 なんだ今の、水中でもよく通る大声は?

 

 ドゴンッ!

 ノーデント卿が飛びのいた瞬間、揺れ取れかけていた歯が吹っ飛び、こちらに流れて来おった。

 ズオオオッ。


(うおおっ!)

 鋭いっ、当たったらいかんゾこれはっ。


 ドオッ! ブジュウッ!

 急に流れて来た巨大な刃の如く鋭い鮫歯が、飛び込んできた剣魚に当たっていった……。


 む?

 振り向くと、歯が何処いずこかへ消え、瀕死の剣魚が後方へ流れていっただけであった。

 ??? どこに行った?


 近くのモード様がこちらを見て片目を瞑っておる?


 ?


 いかん、どんどんと魔物が増え泳ぎ集まって来ていた。


(……!?)

 だが突然、大小の魔物の群れが急いで離れ、見通セぬ湖の水の中へと消えていったことに、レックスは言い知れぬ不安を抱いた。



 ――――


 ルーナ「っ」

 ギチチ、くっ、網が!


 ズブブブブッ!

 鮫の口が閉じ真っ暗になり、水中に潜り出した。


 ザバアアアッ。

 直ぐに口が少し開かれまた水が入り込んできた。

 出る機会かっ?


 だが、網が絡まり、入って来る水の勢いもすごかった。

 バシャアアンッ。


「スゥーーーーッ」

 咄嗟に息を思い切り吸う。


 息は、割と長く続くことがわかっている。


 流れ込む水の中に、淡く光る何かが見えた。

 ザバァッ!


 ベル「ぷはぁっルーナー! ここ臭いね!」

「なっ!? ベルっ来たのか!?」


 ザバアアアアアアーーッ。

 ベル「きゃ――」

 しまっ――彼女の空気をっ――く!


 ゴポゴポゴポッ。


 ヒュオッ。

 なっ。

 咄嗟にベルが風で包まれた。

 というよりは、水が避けている。


(わー? すごいね、風の魔法?)


 わからない、私がやったのか。

 風なんて知らないぞまだ。


 咄嗟に私は魔力を巡らせ、指輪から風の魔法らしきものを出して彼女を包み、水から守った。

 いや、水か?

 流石に驚いたな。

 自然とやったが……自分にもできるのか?


 まるでアリエスタの中にいる際、彼が内部に居る者達に自然と空気の膜を作り守っていたものに似ている。

 ベルの周りの水は、彼女を避けるように空気の球を作り出していた。

 風、なのか?


 ザザザアアーーッ。


(水埋まって来たよ! ルーナは!?)

 巨大な口内にどんどん水が溜まって来ていた。

 喉の奥にも入って行っていたが、辺りはもう私の頭だけを残して沈んでいた。


 同じようにやってみる。

 ほぼ完全に巨大鮫の口内は水に満ちる。

 ボコボコボコ。

「ぷはっ、できた」


(これで水の中探検できるね!)

 ベルの声が籠って聞こえて来る。

 水中だからか。


 驚いたことに、水中でも平気で彼女はなんとか羽を操り泳いでいた。

 空中とは少し違う感じだが。


「私も出来たぞ?」

「えー? 変なの! さっきもしてくれたよ? 多分」

 そのまま抱き着いてきても壊れないで一緒になった。

 声が通る。


 出来たのか。


 ぶっつけで出来てしまったが、息を吸った自分はなんだったんだ。

 とにかく維持して、魔力の流れをしっかり見ておく。


 アリエスタの風防だな、風と、大体は水魔法だな。


 魔力の消費? はそんなにない。

 水球を練習していたおかげなのだろうか?


 とにかく解けて潰れないよう保つぞ。

 空気は多分この“あるだけ”かもしれない。


「モードみたいな風のやつもできるー?」

「わからない、“風刃”のこと?」

「え? きゃはは、“シルフ様”じゃないよ? 切るやつ!」

 ?

 そう言ったと思うが……しるふ様?

 風の呪文で聞いた言葉だ。


 “ふうじん”がそれなのか?


 ……“風神”、か?


 ふむ、何故私はその言葉を知ってるんだろうな……。



 ゴポポ、そうやっている間に、網をナイフで切り取り、がんじがらめなのから抜け出す。

 辺りの暗さは目が慣れたのもあるし、彼女のほのかな光で口内は見渡せた。


 口の奥はアリエスタの魔術で肉がぐちゃぐちゃで、ひどい状態だ。

 これは何かを食うた度にしんどいぞ。


 しかし……。


「ベル、危ないだろう追って来ちゃ」

 ちょっと今回は危険だったので言っておかなければ。


「ルーナはいっつも死んじゃいそーだから、もう置いてかないってあたし決めたの」

 な。

 彼女は強い目でそれだけ言った。


「……わかった」


 一緒に行こう。


「うん! えへへー」



 しかしこの鮫はどこに逃げて行くんだろうな。

 耳の奥がさっきから変な感じなんだが。

 詰まる。


 感覚からして、深いところへ向かっている?


 私達が口の中に居るんだが、気が付いてないのだろうか?


 こいつは舌がないから舐められたり押し潰されなくていいんだが。


 魔法とかで攻撃して来ないしな。

 こちらが攻撃したら、やり返して来るんだろうか?


 奴の魔力、大きな魔石は体の奥か……巨大透明スライムを食った分、更に強力な魔物へとなっている。


 それと、解体で覚えたが頭上に多分脳とやらがあって、それを破壊しても倒せるな。

 そっちをやった方が早いか?


 だが、こいつは私達から逃げているからな。


 奴の怖れの感覚を、体内にいるとより強く感じる。

 もう襲って来ないなら、良しとするが……。



 む、先ほどから口の外で音がする。

 誰か他にもいるのか?

 感覚からして、ゼラだろうか?


 ズンッ、ズンッ。

 攻撃してるようだな。

 鮫がさっきから痛がって震えている。

 ベル「うんー?」


 振動してる歯に耳を当ててよく聞いてみる。

(ルーナさぁぁぁんっ)

 ん? こもった声が聞こえる。

 外にゼラがいた。


(ルーナ、背中大丈夫? あれー?)

 どうやら背後で、背中の皮鎧の破れた箇所を見て言っているようだ。

「ああ、牙で裂けた。傷はアリエスタが治してくれた、外にゼラがいるよ」


 ズンッ。

 む、彼の攻撃で、牙がグラグラし始めた。


 蹴っ飛ばしたら抜けるんじゃないか?


「ベル、ゼラにどくように言ってくれるか?」



 ――――


 モード(やれやれ)


 最悪ですネ。

 まさか網に引っかかって引きずり込まれるなんて。

 水は大嫌いなんですけど。


 耳に入って来るのを我慢しながら急いで“風防”を“暗唱”します。


 湖中を見回すと、どうやら大破した漁船から離れ、奥地へ逃亡しているようですネ。

 ねぐらへでしょうか。

 すぐ後ろでダロムさんも網に絡まっていますが、私程こんがらがってませんネ。


 魔物?

 いえ、レックスさんが追って来てくれました。

 うーん、水中だとあんなに軽やかだったんですネェ。


 短剣で身動き取れない腕を解放し、自由になった手に渡してくれました。

 これはありがたい、私のは時間がかかりそうでしたので。さすが漁師組合の網ですネ。


 その袋は空気入れですかネ、ルーナさんにやってください。

 あ、本当に魔物が近付いてきました。

「後ろ後ろ!」


 風防の中から警告しましたが、水中の彼に聞こえてますかネ?

 大丈夫でした。


 というより、前方から強化した鮫の巨大な歯が流れて来て、彼のお尻に食らいつこうとした、確か剣魚の大物にぶつかって、見事に刺し殺してしてしまいました。

 ルーナさん、いえノーデント卿でしょうか?


 すばらしい素材ですネ。

 こちらに流れて来たので、とっさに掴んで組合で購入した元ルーナさんの魔法袋に仕舞っちゃいました。

 ふふふ。


 彼女の珍しい(魔道具の)マントのように、私も念動術を併用へいようして引き寄せからの即時収納のような技で袋に仕舞えちゃうのです。


 さて、更に魔物が集まって来ましたネ。


 鮫ではなく私達狙いですか、こんな規格外の鮫は一時放置して、さっさと皆さんで脱出しましょうかネ。

 よし、網がほどけそうです、これを伝っていけば前のゼラさんと合流できそうですネ。


 行けますか?


 お二人共冷静で安心しました。

 さて次の行動に移りましょうかネ。


 ルーナさんは大丈夫だと思いますが、先程から大変そうだったので、ちょっと心配です。


 あれ? 魔物が散って行きましたネ……。



 ――――


 ゼラ(こんにゃらああ!)

 ドゴォンッ!


 目の前を散々攻撃してびくともしなかった巨大な牙が、吹っ飛び抜けて流されて行ったよ。

(ムムウ!?)

 ゴポオッ。

 うわっ血で前が!?


 あ、飛んでった牙がレックスさんに当たりそう。

 助っ人に潜って来たの? 驚いてるね旦那。


 てか牙、どこいった?


 しかもあそこ、二人まで引っかかってるじゃないの。

 網? もしかして引きずり込まれたの!?


 大丈夫なの? 大丈夫みたい。

 風防かけて平気みたいだけど、彼女、水が苦手だからめっちゃ不機嫌だな。


(!? コポッ)

 わっ!

 鮫が痛みで暴れた!

 振り落されないよ! ぐぬぬっ!


 急いで歯抜けん中に飛び込む。

 魔物も寄って来てたし。


 いい加減、魔法を仕掛けてくるかもだから警戒しないとね。

 口の中なら大丈夫だよね?


 モードさん達はごめんだけども、頑張って!


(ムウムムーーン!)

 ルーナさん!

 なんと美しい脚線美。

 彼女が蹴ったの!?


 うーん、凄い力ですね。

 そしてやっぱりここが手薄の歯だったみたいだね。

 他はほぼ“二重に歯が並んでて”大変そうだったから。


 あれ? 風防? 息できてる? ってベルちゃんもいるし!

 二人共? モードさんがかけたの!? ううん?


 まいいや、なんだぁ、心配して損しちゃったよ。

 口移しで空気を差し上げようと思ってたのになぁ。


 いやまさか、ルーナさんの魔法?

 ってそれ以外ないか?

 だってずっと中だったもん。


 いつの間に覚えたんだろうね。

 こりゃあ、魔術も天才かもしれないな。


(抜けやすくて助かったぞゼラ、息は大丈夫か)

(ゼラだー!)

 やあベルちゃん。


 かろうじて水中越しに声が聞こえて来てるね。

 ここ水流ないし。


 いえいえ、え? 息は全然大丈夫ですよ、頷いておく。


 こう見えて蜥蜴族の特性持ちですからね、純粋な蜥蜴族ほどじゃないけど息は他種族より続くんですよ。

 ってしゃべれないから説明できないけどね。


(外に魔物が集まってるようだな)

(そうなの?)

 ねー、そうなんですよ。

 さて、どうやってこのデカブツを倒しますかね。

 でも、妙によく聞こえますね彼女の声。

(さっさと出よう)

 あれ? 倒さないんですか? てゆうか出るって……。


 首を振ってますね。

(こいつは逃げたから、もういい)

 ええ~、まぁ、それもありですかね? こいつ滅茶苦茶殺り辛いし、そういう流儀もわからなくもないですけど。

 せっかく弱らせたのに勿体ない。


 あれ? どうして僕の思ってることがわかったんだろう。


 首を傾げていると、ルーナさんも同じようにしてる。

(? 喋れないのか)

 なんてかわいいんでしょう。


 すると、風防をかけてくれた。

「むぐ!? ぷはっ、は? はれれ!?」

 詠唱もないしいともあっさりと、魔道具か何かですかこれ?

(私の魔法だぞ)


 おや、やっぱりなんとなくわかってるみたいですね、僕が言わんと思ってることが。

 魔法使いの中にそういうの子がたまにいるから知ってるんですけどね。


 ふふふ、僕とおしゃべりしたいんですか?

 てゆうか、魔力は大丈夫なんですかね、そんなたくさんかけて。

 それにモードさんでも無理ですよこんな器用な真似。

 ベル(これでお揃いだねっ)

「すぅー、はぁー、ありがとうございますルーナさん、これでゆっくりお喋りできますね」


 ドオオンッ!

(? よく聞こえなかった)

「何か外で騒ぎが、あっ、モードさんとダロムにレックスの旦那も外に来てますよっ」


 皆で奴の歯越しにそっと外を覗くと、なんということでしょう、大きな亀が襲って来ていました。


 読んでくださりありがとうございます。

 多視点展開してみました。

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