103話 調査依頼5 風壁
ゴオオオオオオッ!!
漁師達「ルーナ様ぁー!!」「姉サあーん!」
一同「「ルーナさぁぁん!」」
「ルーナ……」
ミスリルの矢を取って戻って来たベルは、荒れ狂う竜巻から離れて上空から一連の様子を見ているしかなかった。
「くっそ!」
ガッ。
「うおっ!?」
「よせ! 二の舞になるぞ!」
すぐさま飛び込もうとするアリエスタのローブを後ろからガストンが掴み止める。
漁師達「魔石をまた食っちまったゾあの化け物鮫」「風も、竜巻もサっきよりひどくなってねえか!?」
ダロム「ルーナ様っ、シュウー! 奴はまた進化スるのか!?」
レックス「なんだと? どういうことだダロム!」
「船が引き寄せられてますネっ」
風壁を解いたモードは次なる問題に警告を出す。
沈みかけた船は辺りの水ごと、目の前にそそり立つ巨大竜巻に吸い寄せられていた。
竜巻は先ほどより更に強力に激しく渦巻いていた。
アリエスタ「離せっての! 気ぃ失ってんの見ただろおっさん! 早く拾わねえと溺れ死ぬぞ!」
ガストン「今はお前の魔法がいるんだよっ」
「ああ!?」
ゼラ「落ち着けアリエッタ、その恰好じゃ溺れ死ぬのはお前さんの方だからね?」
「アリエスタだっての! (ローブ姿で飛び込むかっ、化けるっつーの――あっいるって、変化のこと言ってんのか?)」
ガストン(こくり)
「よしっ俺が行きましょう! 泳ぎは得意だし、槍なら余ってるでしょ?」
ゼラは長靴を蹴っ飛ばし外して、上着を脱いでそう言った。
ガストン「ああ、頼む」
「待て! ノーデント卿が行くならまズ儂が! 竜巻如き、この体に通用はセん」
レックスは皆の乗る小屋の中から縄等、様々な道具を取り出し、身体に巻きつけてそう言った。
漁師達「「若頭ぁっ!」」
モード「私は行きませんからネ」
「ルーナー!」
そんな最中、決意したベルが竜巻に向かい飛び込もうと突っ込んだ。
アリエスタ「っあのバカまた!」
ギィンッ!
ビクター「ん?」
竜巻内から金属の音がうっすらと聞こえた。
ラプト「あっなんかあっこ、光ったゼ!?」
バシュッ!
ドンッッ!
チャック「どひゃああ! なんでい!」
ビイイィィィン……。
突然、竜巻から何かが飛び出し、小屋の屋根に上っていたチャックの足元に、アームガードの付いた中型剣が斜めに突き刺さって揺れていた。
ビクター「ルーナさんの剣だ!」
ドバアアアアンッ!!
チャック「ぎゃああああばけもん!」
一同「「なんだありゃ!?」」
巨大竜巻から飛び出した巨大な鮫は、更に凶悪な容貌と変化し、もはや池鮫とは違う魔物へと変貌していた。
漁船をはるかに超える大きさとなり、もし突っ込んでくればかなりの被害が出るであろう巨体に変貌していた。
左右のヒレは増え生えて更に大きく、尖った鼻も同様、強靭な武器と化し、その目さえ更に増え、顎と牙は大剣のように伸び鋭く生え揃っていた。
その巨体は体内の水を操り浮かぶようにして跳ね、竜巻に巻きつくようにして、半ば空を飛ぶかのように泳いで一体化していた。
魔法により風と水が逆巻く嵐の中で、その巨体は湖、池鮫の頸木から離れ自由となっていた。
レックス「ルーナ様っ!」
ゼラ「あそこっ、ルーナさんだ!」
ガストン「ほら、無事だったろ?」
モード「様子が変ですよっ」
ベル「ルーナだ!」
そして奴の顎下、の根本、歯茎の部分に、彼女はいた。
よく見ると、牙の間に腕が、腕当てが挟まりぶら下がっていた。
もう片方の腕で小剣を鮫に突き刺していた。
意識もあるようだが、動きに精彩がなかった。
頭を打った影響だろうか。
水で流れたが、その額にまたすぐ新たな血が垂れていた。
「っ離しやがれっ」
バサァッ!
「あっ!」
アリエスタは大鷲に変化し、ガストンのローブを掴む手は、するりと翼に変化しすり抜け空を握った。
漁師達「「なんだ!?」」
モード「大鷲?」
ソニー「先輩がっ!?」
鮫は頭を激しく振り回し、竜巻にぶつけたりして、彼女を振り飛ばそうとしていた。
口に刺さった棘を嫌がるように。
そうやって竜巻の回転と巻き起こる強風に乗るように回り込んで、丁度その方向の先にあった、こちらに向かって来た。
ゴオオオオオオオオッ!
レックス「来るゾ! お前らきばれええ!」
ガストン「ったく、迎え撃つぞ!」
一同「「おう!」」
ビクター「ソニー、アリエスタさんを援護できる!?」
ソニー「う、うんっ、やってみるね!」
『行くぞベル! おいコラルーナしっかりしやがれえ!』
「うんっ、すうぅぅぅ……ルーナああああ!!」
『うおっ!? うるせえっ!』
変化したアリエスタは突っ込んだベルと合流していた。
――――
「……っ?」
何だ?
誰だ?
むぅ、頭がはっきりしない、魔力の操作が……ケープから武器を、いや、小剣を持っているな……中剣はどこへ?
腕が、何で挟まってるんだ?
歯?
でかい、何だコイツは?
「はっ!」
ゴオオオオオオオオオッ!
バサアッバサアッ。
気が付くと、空を浮いていた。
いや、更に強化した鮫の歯に腕当てが挟まってぶら下がっていた。
小剣も刺しているな。
気絶、した間に私がやったのか?
……やった気がする。
中剣は竜巻に飲まれて吹っ飛んだ気がする。
気絶はしてなかったが、半分気絶してたようだな。
竜巻の中で食われるところを躱したんだったかな?
鷲『ッ……ッッ……やがれっての……』
近くをアリエスタの声でしゃべる鳥が飛んでいるな。
あ、変化した彼か。
それと、光?
柔らかくて、優しい、小さな光が来る。
ええい、頭が痛いな。
おのれ、“木片”め、やるな。
あ、鷲が食われそうだ。
バクンッ!!
『――うおわっ!』
寸前で避けた。
奴の噛みつきで体が上下する。
このっ。
刺した小剣をえぐった。
池鮫「――ッボオオッ」
水を吐いたな。
何だか、他の動物と違う声の出し方だ。
バクンッ!
逃げるアリエスタを追うように顔を動かし噛みつこうとしている。
羽をうまく動かしよけ飛ぶ。
この鮫、空を飛んでないか?
水と竜巻が魔法で浮き暴れている。
この波に乗って泳いでるのか。
魔力が籠った水をもらう。
水球にして思い切りぶつけた。
ビチャアッ。
だめだ。
威力が足りない。
無駄だな。
とりあえず抜け出そう。
グググッ。
牙と牙の根元の間に挟まった腕をなんとか取り出そうとする。
見事にはまっていて私の力でも抜けない。
ピキッ。
お。
「ルーナっ!」
ベルか! それはミスリルの矢か?
ブシュッ。
小剣を牙と腕当ての間に入れたり、歯茎を指して肉をえぐった。
ググッ。
もう少し!
「取れないの? エイ!」
彼女は持っていた矢で同じところを指した。
矢はかなり歯茎の奥へめり込んだ。
流石だ。
池鮫「――ボオオッ!」
荒れる波と竜巻の中、空を泳ぐ奴の真下に、皆がいる船が見えた。
魔法や槍を投げ攻撃している。
奴の魔力が巡るっ。
ドシュシュシュシュッ!!
水の棘槍だ!
竜巻から投げ飛ばすように放っている。
一同「「うわああっ!」」
ベル「あっ、皆が! アリ危ないっ」
『ぐっ!』
彼の翼に少しかすった。
『当たるかデカブツ!』
当たってるぞ。
その時、奴の歯茎と唇の間に、何か赤いものが揺らめくのが視界に映った。
見ると、赤い布が巻きついた銛が挟まっていた。
何?
だが、手が届かない。
ガリッ。
腕が少し取れた!
ヴンッ――小剣を仕舞い跳び上がり、回転するようにして奴の口の中に入り、銛を取り上げた。
ガリッ、腕はその反動で取れた。
アリエスタ『さっさと出て来い!』
大剣が並ぶ様な歯の向こうの外から、彼が叫ぶ。
「来るなっ、食われるぞ!」
ベル「一緒だよ!」
ああ、ベルまで入って来てしまった。
口内は大きく、天井に手が届かない。
解体で覚えた“脳”は遠くだ。
水槍が船を破壊し、仲間の悲鳴が聞こえる。
「やめろっ」
すぐさま銛を下に突き刺し、抉って、ひねって、更に深く射した。
池鮫「ボオオオッ!」
バシャアアアッ。
また口の奥から水が吐き出された。
なっ水の槍に変化させ射して来た。
ドシュシュシュシュ!
ベル「わっ」
「離れてっ!」
ザザンッザシュッ! ギュインッ! ギィンッ!
すぐさまよけ、小剣を出して弾き、受け流した。
刺した銛を握って回るように避けて飛び、斬った。
奴のよだれでぬめっていて、それで滑り避けやすい。
バシャアアンッ!
池鮫「オオッッッヒューー!」
痛いか、そうだろうな。
あえて痛くして刺してるんだ。
仲間ではなく、私に集中しろ。
ん?
水がもう出てこないな、空の奥からの音が、空気だけになった。
お返しにこの水を操り奪う。
できるか?
魔力の量なら負けんぞ。
「ハァァァ……」
ピチャパチャポチャ……。
操作を奪った沢山の水が、回転する様に巡る。
水と共に、風が周囲を流れるようにしてそよぎ、鮫の臭う口内の空気と、私とベルとを僅かに隔てた。
ベル「あれ? これ、何の魔法ー?」
? 水魔法だぞ?
……うん?
風も一緒に動いている?
鮫も随分魔力が増えたが、アリエスタぐらいか今の量は。
彼はというと、減っているな。
外の水の槍はなくなり、少し離れられたようだが、私を呼ぶ声が聞こえた。
「大丈夫だ!」
アリエスタ『――奴が潜るぞ! 出ろおおお!』
なに。
ドボオオオンッ!
大漁の水が口内に激流で飛び込んできた。
「うぉガボゴボッ――」
ベル「っ! わぁガボッ――」
流れ込む水の濁流が竜巻の中の様に暴れ、かき回された。
……彼女をっ!
……空気をっ!
ボコポココ――ぐちゃぐちゃに回転するベルの周囲を水が動き、避けて、空気が集まり、風が巡りる。
魔力が強固な風球を作り出し、あらゆるものから目を回しているベルを守っていた。
傍にあったミスリル矢が魔力を受け、静かに響いていた。
だがそれを、混乱の最中ルーナは見ることなく、無意識に操っていた。
(っ!?)
ズルッ!
銛を握って耐えていた手が滑り離れる。
集中を削いだ為か、奴のよだれで滑った。
と同時に奴は水を飲み込むのをやめ、逆流してきた水に流され外に流し出される。
その時、上下の牙山が閉じられた。
バグンッ!
バキメキッ!
――「ゴボオォッ! (ぐううっ!!)」
水を飲み終わった奴が顎を閉じた際に、その刃の様な歯に挟まれた。
胴体をやられた。
鋼鉄の胸当てに亀裂が入り、背の皮鎧が背中の肉ごと切り裂かれた。
――――
ガストン「大丈夫かお前ら!?」
水の槍が竜巻から飛び出して辺りを突き刺しまくっていたが、やんだようだ。
竜巻も威力が弱まり、自然に消えて行っていた。
鮫の口の中に入り込んだルーナが何かしたのか?
レックス「お前ら無事だな? ……ルーナ様が止めて下サったのか」
漁師の一人「射てて、腕に少し刺サりまシた若頭っ」
「……皆無事なようだな」
ラプト「刺サったって言ってんジャん頭ぁ! 水草薬塗ってやれよ!」
「やかまシい小僧っ儂はまだ網元ジャないわっ」
チャック「おいらも掠ったぞラプトぉ~」
ダロム「ガストン殿、ビクター君がっ」
ソニー「お兄ちゃん平気!? 今治療掛けるからね」
ビクター「大丈夫、盾で受け流したから、痛つっ……鎧を脱いだの忘れてたよ、それより、ルーナさんは?」
ゼラ「俺が行く!」
レックス「いや儂が!」
モード「サっサと潜って討伐シて来てくだサいネ」
「う~ん、あのでかさじゃもう網も無理か、こりゃそろそろ奥の手の出番かね」
ガストンは漁師達の側に準備された網を見てそう呟いた。
「――お前ら飛び込めええ! 下から食われるぞおお!」
アリエスタだけがその恐ろしい光景を見下ろしていた。
彼らの浮かぶボロボロとなった船の下の湖の中から、浮かび上がるように巨大な怪物の口を開けた顔が浮き出て来ていたのだ。
モード「っ! 風壁!!」
ドパアアアアンッ!!
メキッ! バキャアッ! ガラアッ! ガラアアアンッ!
飛び出した巨大鮫に破壊される漁船、止めを刺そうと巨大な大口を何度も閉じ徹底的に破壊し飲み込もうとしたが――。
バシャアアアアアアアアアアアアアアッ。
一同「「ああっ姉さん!」」
「があああっ!」
奴の開いた口の牙から逃れたルーナが、口から血を流し、転げ落ちながらも、渾身の力で小剣を突き刺し、切り裂くように口内の肉を斬り裂いた!
ズザアアアアアッ!
巨大鮫「――ボオオオッ!!」
痛みにより大きく顎が開かれその巨体が痙攣した。
巨大鮫の“咀嚼”を免れるも、湖中からの飛び出しにより漁船は大破した。
皆散り散りに弾き飛ばされ、避け落ち、飛び込み躱し、剣で防ぎ、風壁で守られた。
中でも、真っ先に彼らの元に飛び込んだ大鷲が、すぐさま大きなスライムに変化したのが彼らの助けになった。
(痛ってええええって、ルーナ!)
巨大鮫の牙に唯一自ら刺さって行ったスライムアリエスタは、口内に刺さる槍に覆いかぶさっている彼女を見つけた。
力尽きたのか、そして、背中の鎧が裂けて血まみれであった。
(噛まれたのかよお前っ! ってなんだベル、おいコラお前も! それ風球か?)
傍には何故か今にも消え去りそうな“風球に包まれた”ベルが、目を回して浮かんでいた。
ベル「アリ~う~~ぐるぐるする~」
巨大池鮫「――ボオオオッ!」
更に痛みに悶える鮫、それが湖上に倒れるように半ばまで浮かび上がった。
水中からレックスら蜥蜴人の漁師達が次々と銛や槍で攻撃する。
レックス(遠慮スるんジャねえゾお前ら!)
彼らは水中で長い間潜ることを可能としている種族であった。
ゼラ(デカくなり過ぎて随分鈍くなったね!)
ズドドドドッ!
ゼラもハーフであるがその特性は多少受け継いでいた。
船上でも水中でも、彼らが常日頃繰り返している銛突きは存分に力を奮っていた。
「よう」
見事に鮫に合わせ飛び上がったガストンが大剣を打ちおろす。
ドザァッ!
痛みに暴れる巨大鮫は幸運にも、彼が狙った目玉ではなく、スレスレに大きな切り傷をもたらした。。
「やっと目の前まで来てくれたな」
ガラァッ!
「うわああっ!」
瓦礫を避けて飛び出したビクターの前に、巨大鮫の大きな井戸の様な目玉があった。
すぐさま長細剣を突き刺す。
ブジュウッ!
咄嗟に巨大鮫は今まで持ちえなかったはずの“瞼”を突如動かし閉じる。
重傷を避けようとして。
だが――「氷よ!」
ソニーの準備し用意していた幾つもの水球が、見事に凍り付き鋭い棘と変化しながら、ビクターの後を追うように射出された。
兄の腕を巻き込もうと完全に閉じるのを固め停滞させ、ついには潰した。
ドドドジュブブブッ!
ビクター「ぶっ」
バチャビシチャァッ。
「“風乱刃”っ!」
ザシュシュシュシュッ!
同時に、モードの繰り出す大きな風の刃が、鮫を残ったもう一つの眼ごと、縦横無尽に切り刻む。
巨大鮫の左目辺りはぐちゃぐちゃになった。
チャック「いけいけー!」
彼は取り付けた船の残骸の一部からエンジンが外れ落ち沈まないように、小さな体で取り付くようにして大事そうに抱き抑えていた。
皆、モードの風壁によって見事に守られていたのだった。
巨大鮫の口内では。
(ルーナ! 魔力寄こせ! やるぞあれを!)
スライム状態のアリエスタが彼女に取りつき、ズブブ、そのまま取り込んで治療をかけ始めた。
「……む、ちょっとしんどい、時間も――」
(中くらいのならすぐ撃てる! もっと弱らせるぜ!)
「うむ、持ってけ」
ベル「ルーナ平気? ひどいケガ!」
(平気なわけねーだろっ)
「え? このスライム、アリなの?」
「中々、痛いぞ」
スライム状態の彼にどうやれば魔力譲渡できるか知らないが、中に入ってるから……刺さった銛を持ちながら、片方を伸ばし手を広げる。
外では。
大規模な攻勢に暴れ悶える巨大鮫。
だがその巨体を翻すだけで、多くの者達が水と瓦礫ごと吹き飛ばされた。
漁師達「うわあああっ!」
トポンッ、口の中でベルも飛ばされるようにして、アリエスタのスライムに入りこんだ。
(わ~、水ん中なのに息ができるね! あれー? さっきの風、なんだったんだろ?)
(? 知らんけどこれは水じゃねえから!)
(むっいかん)
ザアアアアン、バシャアアッ。
たまらず巨大鮫が水中に逃げ込もうと潜り始める。
外のガストン「まじい潜りやがるぞお!」
(っアリエスタ!)
(おうっ! 食らいやがれ!)
ヒュイイイイイ――ガシャアアアアアッ!
ギュドドドドドドッ!!
巨大池鮫「――――ッ!!」
なんと、奴の喉奥めがけて、大量の氷の棘を次々と繰り出し飛ばした。
透明スライムの、鮫への最後の棘々《トゲトゲ》を真似したのか!
一同「「妙なスライムが鮫を!?」」
巨大池鮫「ボオオオッ」
ブンブンブブウウウウウウンッ!
鮫が最後に首を滅茶苦茶に振り暴れ、アリエスタごと外に吹き飛ばされた。
口内の血も水もすべて。
「!?」
口の外に飛んでいるスライム状の彼とベルが見える。
私を置いて彼らが吹き飛んで行く。
何?
止まった?
!
ギシィ、私は“網”にがんじがらめになっていた。
奴の歯に引っかかっていた網だ。
水中から漁船を破壊した際に、網が歯に引っかかっていたのか。
スライムの彼は網をすり抜けたのか!
アリエスタ(うおおっ、なん!?)
ベル(るーなー!)
小さな手を伸ばすベルと背後の曇り空。
なんだ? 遠くに……青い、空? いや、鳥?
バクンッ!
辺りは暗闇に包まれた。
バシャアアアアアアアンッ!
一同「「ああ!?」」
巨大池鮫は逃げた。
遥かモッカ湖の水中へ。
ルーナを飲み込んだまま。
読んでくださりありがとうございます。
池鮫Ver3.0の口の中は鯨くらいの広さでしょうか。




