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アディマライド~英雄のツヅキ~  作者: 多神 久郎
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第五話 変身!

ついに明らかになる変身スキル!

これでなんとかエクラノプラン撃破なるか!?

「キュイィィィィィィ!」

 海の中へ潜ったり海面に飛び出たりを繰り返し、

悲鳴のような泣き声を上げるエクラノプラン。

アイリはそれでも背びれから手を離さないで頑張っている。

僕は甲板からそれを見つめることしか出来ないのか! 

自分に対する燃えてしまいそうなほどの怒りで、血が出るまで拳を握る。

何が英雄だ、何がヒーローだ! 

こんなピンチを救えないで一体何の意味がある!? 

「お、おい坊主……」

 後を振り返るとスキンヘッドのオヤジが僕を指差して震えていた。

自分の両手を見るといつの間にか本当に燃えている。

というか全身が炎に包まれていた。


――――変身スキル発動シマス――――


 コンピューターの棒読みが耳に届く。

空を見上げると変身LvMAXという文字が、

派手な効果が付いた状態で浮き上がっていた。


「遅いわ! 早く発動しろ! しかもこっちの意志で出来ないとかどう言う事だ!」


――――アディマライドオフ?――――


「オンだ! オーーーン!」


 多分アディマライドっていうのが変身の名前なんだろう。

ゲームのタイトルと同じだ。と言う事は最初からこのスキル自動的に

取得出来たんじゃないのか? ……それを知ってたら他に振って

この局面をもっと楽に乗り越えられたかもしれないと思うと、少し頭に来る。

だけど今はそれどころじゃない! 


「LvMAX分の力を見せろ! アディマライド……オン!」

 そう僕が腕を交差させて叫ぶと、目以外の全身を黒いタイツみたいのに包む。

太股から足まで、腰周りに胸と肩、最後に肘から拳まで部分部分を炎が包み、

それが段々と形作って赤の下地に橙色で、炎の揺らめきを表した模様の鎧になる。

最後に橙色を下地に黄色で細いラインが入った仮面をつけると、

両サイドには耳と米神を庇う様な炎の形をしたガード、

後頭部の方には赤く長い髪が飛び出てきた。

最後に目をガードする蛍光緑のガラスの様な物が閉まり、

全てが終わると両拳を当てあい脇を締めて拳を構える。


「だっ……しゃらーっ!」

 水面に飛び上がってきたエクラノプランを見て腰を落とし、

甲板を蹴って大きくジャンプする。流石の変身能力。

あっさりと間合いを詰める。

そして僕はその長くて薄い左ひれを思いっきり蹴り飛ばす。

直ぐに背びれに居たアイリを回収して序に背びれを引き千切って甲板に戻る。

エクラノプランは大きく暴れ回る。

その所為で大きな波が船を飲み込もうと襲い掛かってきた。


――――ファイアライドバスタースタンバイOK――――


「よっしゃーっ! 来い! ファイアライドバスター!」

 僕が空に手をかざすと、太陽を背にして大きなバズーカが落ちて来る。

これも炎を表したものになっている。照準は目の前の津波。

僕はしっかり担ぐと右手で引き金を引いた。


「ファイヤ!」

 ズドンと言う音と反動を残してファイアライドバスターから火の玉が飛ぶ。

そして波を幾つか突き抜けたあと、爆発して波を吹き飛ばした。


「もう一丁!」


――――ファイアライドバスター……フリーズ――――


 流石正式タイトルじゃないテストゲームでありがちな事だ。

ていうかこんな時にそんなもんが出てくるなんて! 

幸運も九十九のはずなのにっ!

「ちくしょうがっ!」

 ファイアライドバスターを空に思いっきりぶん投げると、

太陽の中に消えていった。

そして僕は助走をつけて、甲板からエクラノプランのところまでジャンプする。

「沈めぇええええっ!」

 どうやらファイアライドバスターの余波を喰らってのびているようだった。

そこの横っ腹を狙って空中から降りていく。


「キァオオオオッ!」

 それに気付いたのかエクラノプランは、僕が落ちてくる方向に口を開く。

こいつを倒すより、先ずはアイリのお父さんを探さないと

と思いそのまま口の中へ突入する。歯を通り抜け喉を通り過ぎ、

大きく広い場所に出る。ここは多分こいつの胃の中だろう。

周りを見渡すと、船の残骸が幾つも見受けられた。

古いものから新しい物まで消化されずに残っている。

これは本当にエクラノプランが好んで食べた物なのだろうか? 

一抹の疑念を持ちながら僕は生存者がいないか歩きつつ探している。


「アイリのお父さーーん! 居たら返事してください!」

 暗闇と残骸の中を声だけが木霊した。もしかしたら、

声が小さくて僕が聞き取れて居ないのかもしれないと考えて、耳をすませてみる。

ブブブブブ、という昆虫の羽音が聞えている。嫌な予感しかしない。

でもまさか……。エクラノプランの搭載ミサイルだけどまさか……。

チラッと右目だけ開けてみると、僕の頭の上には蚊の顔と羽を持ったグレーの肌の

生き物が六匹も居た。僕はおでこの辺りに右手を当て項垂れる。

「侵入者発見」

「これより機能停止させる為攻撃開始」

「ギギ」


 解るー解るよーエクラノプランには艦対艦ミサイルP-270モスキートが

六つあったけれども……。僕は安直だなーと思いつつ、迎撃方法を

どうすれば良いか考えた。まだアイリの親父さんが死んだと言う証拠はない。

となると吹き飛ばすのは無しだ。この状態で他に武器はないのか?

 

――――ウィンドウヲ開キマスカ?――――


 一々この棒読み機械声ムカツクなあと思いながら

「はい」

 と短く答えるに止めた。蚊人間達は徐々に空から降りてくる。

ここで余計な時間を取られる訳にはいかない。


――――現在使用出来ル武器ハアリマセン――――


 ホントいつかこの喋ってる機械を破壊してやる。

僕はそう誓いを立てて取り敢えず囲まれているこの状態から抜け出すべく、

目の先に居る蚊人間へ間合いを詰める。


「うわっ」

 思わず声を出してしまった。昔少林寺をやっていた時の感じで拳を突き出し、

囲みを抜けようとしたが一気に突き抜けてしまった。

パワードスーツ的な感じなのを思い出し、敢えてもう一度同じ所へ戻る。

このスピードに慣れれば、この先役に立つ。拳を突き出すテンポを少し早く、

そう念じながら目の前の蚊人間との間合いを詰める。


「一つ!」

 どうやら感覚は当っていたようだ。目の前に居た蚊人間は吹き飛んでいた。

昔取った杵柄でも役に立つじゃないか! 

蚊人間はそんな僕に怯えて後ずさりする。

流石に空を飛ばれたら対処出来ない。僕は前屈みになり突撃する。

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