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アディマライド~英雄のツヅキ~  作者: 多神 久郎
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第四話 開戦!エクラノプラン

コウたちはついに目標のエクラノプランを捉えた。

だが最悪な事に相手はその名の由来になった飛行機に似て

水面ギリギリを高速で移動し、尚且つ水中移動をも可能にした

真の怪物だった。


コウたちは勝ち目を見出せるだろうか!?

「アイリ、銃を頼む!」

 僕はアイリにそう言って銃を渡すと、海の中に飛び込む。

そして水中を見て回る。

澄んだ水の中をデカイ一つ目の物体が近付いてきた。


……最悪だ。飛行時間も長く、水の抵抗も少ない体なんてチートだろこれ。

こっちとしては水面擦れ擦れを飛んでてくれれば狙いようもあるけど、

水の中に潜られたらあんな荒い照準の銃じゃ、とてもじゃないが当てられない。

そうなれば最終的に根負けするのはこっちだ。

その上最悪なのはあの体の色だ。

目を瞑られたら周りの色と同化されて視認すら無理になる。

何か良い知恵は無いのか……。


 僕は急いで海面に顔を出し右手を立てた後、化物の方向へ向って倒す。

これで気付いてくれればと思った瞬間、その方向へ向けて銃撃が行われる。

振り返ると皆が手を振っていた。


凄いなぁたった数時間船で一緒に作業しただけで

あんな合図に答えてくれるなんて。

人間てそんなに悪くないかもしれない。

などと思って胸が熱くなったが、その前にあの化物をどうにかしないと!

 もう一度潜るとどうやら得物は僕たちに決めてくれたようで、

まだうろうろしている。出来ればあれを追いかけることが出来たら。


「お嬢駄目です!」

 海面に顔を上げると、後方が賑やかだ。

なんだろうと思ってみると、アイリがこっちに飛び込んできた。

あまりの出来事に唖然とする。

流石にチートでも海の中で自分とアイリの二人の面倒を見るのは無理だ。

何とか彼女には船に戻ってもらおう。

そう考え飛び込んだところまで泳いでいくと、何かが飛び出てきた。


「コウ! 乗って!」

 一瞬目を疑った。目の前に鎧を脱ぎ捨てて、耳に貝殻を付けたアイリが居た。

乗るってどこにだ!? とドギマギしていると、

アイリは僕の横に来て背中を指差す。

そして御尻の辺りを見ると、鱗があって……尾ヒレがある……

あー人魚か


…………人魚…………!?


「早く!」

「あ、はい!」

 僕は声に押されてアイリの腰の辺りに恐る恐るつかまる。

すると物凄いスピードで水の中を泳いでいく。

いや、ちょ、僕普通の人間で一応息しないと死ぬんですけど! 

そういう風なジェスチャーをしてアイリは理解してくれたようで、

僕は何とか海面に顔を出せて息を吸えた。彼女はそのまま泳いでいる。

これは急がないと。泳ぐのが得意だろうけど、それも無限じゃない。

今出来るのはこの支給品の剣か……。心許無いけど行くしかない。


「アイリ、頼む!」

「はい!」

 再度アイリは海の中に深く潜る。僕も苦手だが必死に目を開け息を止める。

どうやら目標は流石に深くは潜れないらしい。

だが距離を巧く詰めないと、飛び上がられたらアウトだ。

……ならもう一度賭ける! 僕はアイリの肩を叩く。

そうすると一度水面に浮かび上がってくれるた。


「アイリ、何とかあいつの背びれ辺りに近付いてくれないか?」

「もしかして」

「ああ、このまま鬼ごっこじゃあっちに分がある。特に今は船を狙っている。

目標を僕にして体内に進入、その後アイリのお父さんを探す」

「そんな……!? 危険すぎるわ!」

「百も承知。だけどそうじゃないと報酬が貰えないしね? 餌になるよ!」

 アイリに笑ってそう答えた。勿論当然強がりである。

幾らステータスMAXと言えど、無敵ではないのだ。ダメージは受ける。

だけどこのまま船ごと呑まれるよりは、リスクが低い。

僕を標的にすれば、船を呑みこまずに撤退する可能性もある。


「……解った、御願い!」

「任せろ!」

 アイリはそう言うと、水面ギリギリで泳いでくれた。

僕はアイリに足や手が震えているのを気付かれないように、ぐっと堪えていた。

暫く水面の上に僕を出しつつアイリは泳いでいると、僕の手を掴んだ。

それと同時に深く息をしてアイリの手を握る。そして海の中に入った。

どうやらアイリは敵の真上に移動してくれたようだ。

何とかアイリと息が合い、エクラノプランの背びれを捉える事ができた。

そして腰の剣を抜いたが、僕を振り落とそうとエクラノプランは

細かく左右上下に暴れだす。

何とか踏ん張るが、とても片手で耐えられるものじゃない。

そして息を止めるのも限界が近付いてくる。


「ぶはっ!」

 運良くエクラノプランは海から上がってくれた。

だが今度は高速で移動している為、息が吸い辛い。

でも水の中よりはまだ少し体が動く。剣を背びれの付け根に突き立てる。

しかしエクラノプランの肌は硬く、剣を弾いてしまう。

根気強く何回も同じ所に突き立てるが、薄い傷ついた位だ。

それでも確実に標的は背びれの僕に向いている。

本当は両手で刺したいが、贅沢は言えない。

片手で只管突き立てるしかないんだ。


 僕は無我夢中で背びれを剣で突きたて続ける。

やがてガキッという音と共に切っ先が壊れた。


不味い! 


そう思い前を見ると海に潜ろうとしていた。

素早く折れた剣を仕舞い、大きく息を吸う。

僕が背びれに強くしがみ付いて海中に突入した為衝撃が加わって、

痛みがあったらしく一瞬動きが鈍る。それを見て更に力を加える。

アイリも追いついて、一緒に背びれを後に引っ張ると大きく暴れ始めた。


チャンスだ! 


 アイリと頷き合うと同時に精一杯引っ張る。

剣で突いていた場所から少しずつ血が漏れてきた。

僕はもう一度切っ先が壊れた剣を取り出し、

剣を横に寝かして足で踏んで背びれに近付ける。

エクラノプランはさっきより強く暴れだす。


「くあっ!?」

 僕はエクラノプランが急浮上し空中で暴れた為振り飛ばされた。

運良く甲板に辿り着き受身を取り転がりそして船員室の壁で止まる。

直ぐに立ち上がり甲板の先まで走った。


僕らの前でエクラノプランは暴れまわっているアイリを乗せたまま。

このままじゃアイリが危ない。


どうする?


 どうすればあのでかブツからアイリを助けられる!? 

剣スキルは役に立たない銃スキルは今は使えない回復魔法は意味が無い。


……そうだ……


後一つあった! 


あのスキルに賭けるしかない!


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