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第8話「コレクションの初夜」

「さあ、三島先輩。まずは全部、脱いでください」


 静まり返った第三会議室。

 詩織の穏やかで透き通るような声が、冷たい蛍光灯の下に落ちた。その表情には怒りもサディスティックな険しさもなく、ただ玩具箱を開ける無邪気な幼子のような、底知れぬ狂気の光が宿っている。


「な……何を言ってるの……? そんなこと、するわけないでしょう……!」


 玲香は自らの胸元を両腕でかき抱き、震える足で後ずさった。

 だが、背後には冷たいすりガラスの壁。逃げ場など最初から存在しなかった。


「ふふ、拒否するんですか? いいですよ。じゃあ、まずは人事部のメーリングリストに、栗原課長とのあの素晴らしい動画を送付しましょうか。蓮見さんの動画は、本部長の個人アドレスへ……それとも、電車でのあの鮮やかなスリの手口を、警視庁の匿名通報窓口に?」


 詩織は薄型タブレットの送信ボタンの上に、すらりとした細い指先をふわりと乗せた。

 迷いのない、躊躇ゼロの動き。玲香が男たちを追い詰める時に見せていた冷酷さを、何十倍もの純度で研ぎ澄ませた絶対的な暴力。


「や、やめて……っ! わかった……脱ぐ、脱ぐから……ッ!」


 玲香の喉から、ひきつった悲鳴が漏れた。

 社会的な死への恐怖が、女としてのプライドを瞬く間に粉砕していく。


 玲香は小刻みに痙攣する指先で、オフィスカジュアルのブラウスのボタンに手をかけた。

 一つ、また一つとボタンを外し、薄手の布地を肩から滑り落とす。冷たい空調の風が、汗ばんだ白いデコルテを撫でた。

 続いて、タイトスカートのファスナーを下ろす。スルリと足元に落ちたスカートを踏み越え、黒いストッキングを爪先で引き裂かないよう、震える手で太ももからゆっくりと剥ぎ取っていく。


「下着もですよ、先輩。隠し事はなしです」


 詩織の冷たい瞳に射抜かれ、玲香は奥歯を血が出るほど噛み締めながら、背中のホックを外した。

 豊満な乳房が露わになり、最後に黒いシルクのショーツを引き下ろす。


 オフィスビルの密室で、完全に全裸にされた玲香。

 社内中をその美貌と肉体で手玉に取り、男たちを踏み台にしてきた魔女が、いまや無防備な一塊の肉となって、年下の後輩の前に晒されていた。恥辱と恐怖で全身の毛穴が粟立ち、玲香の白い肌は紅潮と冷汗で湿り気を帯びていた。


「素晴らしいわ……本当に、息を呑むほど美しい」


 詩織は恍惚とした吐息を漏らし、ゆっくりと玲香の正面へ歩み寄った。

 細く白い指先が、玲香の顎に触れ、首筋、そして鎖骨へと滑り落ちる。氷のように冷たい指先が皮膚を撫でるたび、玲香の身体はびくりと跳ね上がった。


「触らないで……っ、汚らわしい……!」


「あら、汚らわしいのはどちらかしら? 男たちの浅ましい欲望を煽って、他人の人生を粉々にして笑っていた……こんなに淫らで、残酷な身体なのに」


 詩織の掌が、玲香の豊かな乳房を真下から鷲掴みにした。

 指先を肉にめり込ませ、柔らかな果実を押し潰すように執拗に揉みしだく。


「ひゃうっ……!?」


「声が出ましたね。……身体検査を始めましょう。先輩がこれまで、どんな嘘をこの身体に刻み込んできたのか……私がひとつ残らず検めてあげます」


 詩織は玲香の身体を乱暴に回転させ、会議用テーブルに両手を突かせた。

 前屈みの姿勢を強要され、玲香の白く引き締まった臀部が、詩織の真正面へと無防備に突き出される。


「待って、やめて……! そこは、見ないで……っ!」


「ダメですよ。ここが一番肝心なところでしょう? 満員電車で男たちの股間に押し付けて、罠にかけてきた……あなたの獲物を狩るための凶器なんですから」


 詩織の冷たい両手が、玲香のふくよかな太ももを左右へと強引に押し開いた。

 蛍光灯の冷光の下、玲香の最も秘められた割れ目が、赤裸々に晒し出される。男たちを狂わせてきた艶やかな粘膜が、恐怖と恥辱に晒されながらも、抗いがたい異常な刺激によって、すでにうっすらと透明な蜜を滲ませ始めていた。


「あはっ……見てください、三島先輩。あんなに私を軽蔑していたのに、後輩の女の子にこんな格好をさせられて……もうこんなに濡れている」


「ちがっ……これは、恐怖で……っ、あんたなんかに感じてない……!」


「嘘つき」


 詩織は囁くと同時に、唾液で濡らした自らの細い人差し指を、玲香の濡れそぼる秘裂の奥へと一気に突き入れた。


「んん――ッ!?」


 玲香の背中が弓なりに反り上がった。

 熱く湿った膣腔を、詩織の冷たい指先が無慈悲に掻き乱す。男たちの無骨な剛直とは違う、細く、鋭利で、急所を的確に抉り取るような執拗な蠢き。

 ぐちゅ、ぐちゅと、静寂に沈む会議室に下品な水音が響き渡る。


「あ……っ、いや……抜いて……っ、指を、抜いてぇ……!」


「抜けませんよ。先輩の身体は、私のものなんですから。ほら、ここ……男たちを誘惑する時、いつもここでイッていたんでしょう?」


 詩織の親指が、前方の敏感な突起を強く押し潰すように擦り上げた。

 逃げ場のない快楽の電撃が、玲香の脳髄を直接灼き尽くす。後輩の女に犯されているという絶対的な屈辱。それがかえって、玲香の歪んだ神経を狂乱の絶頂へと押し上げていく。


「だめ……っ、わたし……こんなの、壊れちゃう……ッ!」


「壊れていいんですよ。私が、新しく作り直してあげますから」


 詩織は背後から玲香のうなじへと顔を埋め、柔らかな皮膚を噛み締めるように吸い上げた。

 指先がさらに激しく奥を突き上げ、粘膜の奥を擦り潰す。


「あ、あぁぁぁ――ッ!!」


 玲香の喉から、理性をかなぐり捨てた絶叫が漏れた。

 テーブルに爪を立て、太ももを激しく痙攣させながら、玲香は後輩の指に絡みつくように大量の愛液を吹きこぼした。絶頂の余波に震え、そのまま床へと崩れ落ちる。


 事切れたように息を乱す玲香を見下ろしながら、詩織は濡れた自らの指先を唇に運び、ゆっくりと舐め取った。

 その瞳には、完全な獲物を手に入れた獣の、昏く底知れぬ歓喜が満ちていた。


「……ごちそうさまでした、先輩。本当に、極上の味でした」


 詩織は床に散らばる玲香の衣服を足先で踏みつけ、耳元へ屈み込んで甘く囁いた。


「明日からの通勤電車……楽しみにしていますね。私が後ろから、ずうっと先輩を見ていてあげますから」


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