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#砂時計の砂が落ちきる前に  作者: 海底の真珠
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#砂時計の砂が落ちきる前に(58)

〜あらすじ〜

空は澄んだ色をし太陽が砂時計とカラビナウォッチを照らし出す。時が経っても変わらぬ時計。

彼女の人生は砂時計から始まることになる。砂時計とカラビナウォッチ…

2つそれぞれの時計の意味は何か…

彼女の幼年期から青年期を経て、成長し恋をしていく。

ついに、この日を迎えた。

5月9日午前10時。一生忘れもしない日。

『おはようございます!』

水上光の声だ。

まるで我が子のように光を迎える伯父と伯母。

美月がこの地に来た時と同じだった。

伯父と伯母が迎えてくれた日のことを思い出す彼女。

さっそく部屋を案内する美月。

そして、畳にを指差し光に言った。

『白のガムテープから入って来ないで下さいね!これが境界線です!こっちが私、そっちが先輩!そっち側を先輩が使って下さいね!約束破ったらペナルティーで相手の言う事を聞く!いいですか!?』

真剣に話す彼女に笑う光。

『ふーん。面白そう!シェアしてくれてありがとう!』

光は早々に準備をする。

下から伯父が彼女を呼ぶ。

『みっちゃん!ちょっと来てくれ!』

彼女は一階へ下りた。

『みっちゃん!集落の人が光くんの歓迎会を開いてくれるから、12時に公民館へ光くんを連れてきてくれないか?』

集落の人はいつも計画を立ててくれる。

成人して引越しする子との送別会。

逆に引越してきたら、歓迎会。

結婚したら、お披露目会。

彼女も歓迎会で集落の人に温かく歓迎してもらった一人。

12時、光を連れ公民館へやってきた。

ふすまを開ける光。

集落の子どもから高齢者まで沢山の人が笑顔で迎えてくれた。

クラッカーが鳴る。

目の前の壁には、

《ようこそ!水上光くん!》の手作り横断幕が飾らせていた。

光は照れながら、ウェーブがかかった髪に手を当て頭を下げながら前へと進んだ。

自己紹介をする光。

集落の人は皆、静かに話を聴いた。

ー『僕は、この町、この地域を絶対に守ります!そして、皆さんの笑顔ずっと続いて行くように様々な事に幾度なく挑戦し立ち向かい若葉先生の様な医師になりたいと思います!必ずやってみせます!よろしくお願いします!』

選挙の演説かと思う程、熱く話した彼に集落の人は皆、盛大な拍手を送っていた。


無事、歓迎会も終わり帰宅する。


伯父が彼女に話しかける。

『光くんは…名前の通りだな。この県を、この町を、この集落を光らせてくれると思う。』

そう話した伯父は診察室へ向かった。

この時の美月は伯父が言った言葉の意味がわからなかった。


診察室を覗く美月。

そこには真剣に話す伯父と真剣に話を聴く光の姿があった。

覗く美月の後ろから、そっと伯母が彼女の肩に手を乗せ話しかけた。

『多分…伯父さんが、やっと見つけた"(ひかり)"なんだよ。』

美月は黙ったまま二人の姿を見ていた。




つづく。

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