#砂時計の砂が落ちきる前に(56)
〜あらすじ〜
空は澄んだ色をし太陽が砂時計とカラビナウォッチを照らし出す。時が経っても変わらぬ時計。
彼女の人生は砂時計から始まることになる。砂時計とカラビナウォッチ…
2つそれぞれの時計の意味は何か…
彼女の幼年期から青年期を経て、成長し恋をしていく。
朝6時。携帯のアラームが鳴る。
アラームを止め体勢を変える彼女。
目の前に床の布団で寝てるはずの光が隣で寝ていた。
布団を剥ぎ飛び上がる彼女。
寒く丸くなる光。
美月は言った。
『な、なんでベッドで寝てるんですか!?』
眠そうに答える光。
『あっ、おはよう。だって寒いんだもん。美月ちゃんが湯たんぽになるかなぁーと思って。』
『あっ!おはようございます!…………じゃ、ないですよ!約束守ってくれないと困ります!』
呆れる彼女。
二人は階段を下りた。
家事を手伝う、美月と光。
不思議と光が家に溶け込んでいるのに気付く。
歯磨きをする彼女の隣に光も並び歯磨きをする。
"コイツ…ある意味凄いかも…”
鏡越しに光を見る。
支度をし光を送る彼女。
光は美月に話しかた。
『美月ちゃんが住んでる所、めちゃくちゃいい所だね!朝日が眩しくて、透き通った空気、大自然に囲まれて!しかも、この集落に住んでいる人が皆、知らない俺にも『おはよう』って言ってくれる。生まれて初めてだよ。あーっ!美月ちゃん!アレ凄い!!雲の海だよ!すげぇー!めちゃ綺麗!初めて観た!まじ、すげぇー!』
目の前には朝日が照らし一面、雲の海が広がっていた。
助手席で、大興奮する光の姿に笑みが出る美月は言った。
『私も先輩と一緒でしたよ。引越して来てビックリしました。皆んな私にも挨拶してくれて、沢山料理を作ったらお隣さんがお裾分けしてくれたり、皆んな優しくて…自分の子どもでも無いのに、いけない事をしてるのを見つければ叱って…集落皆んなで子育てしてる感じで…逆に子ども達も高齢者の人も若い人も皆んなお互いがお互いを支えて合っているんです。なにより…この地に来て初めて肌で四季を感じる事が出来た感動を今でも思い出します。あっ!あと、雲の海は《雲海…うんかい》って言うんですよ。』
運転する彼女を見つめる光は美月と、この地に益々惹かれていった。
病院に到着し、車を降りる光は言った。
『送ってくれてありがとう!先生には来週中って言ってたけど、今週中に引越します!って伝えて!じゃ、いってきます!』
自然と光につられて美月も言う。
『行ってらっしゃい。』
病院へ入って行く光を見つめる彼女。
"あっ…つられて言っちゃった…“
家に戻った彼女は、光の伝言を伯父に伝えた。
すると思ってもいない事を言われる。
つづく。




