#砂時計の砂が落ちきる前に(52)
〜あらすじ〜
空は澄んだ色をし太陽が砂時計とカラビナウォッチを照らし出す。時が経っても変わらぬ時計。
彼女の人生は砂時計から始まることになる。砂時計とカラビナウォッチ…
2つそれぞれの時計の意味は何か…
彼女の幼年期から青年期を経て、成長し恋をしていく。
美月は、持ってるチューハイを地面に落としてしまった。
そして、何故だかわからないほどの大粒の涙が溢れ出す。
泣いている美月に気付く光。
そして美月の前にしゃがみ、そっと両手で美月の涙を拭いた。
『急にごめんね…困らせちゃったね。ゆっくりでいいから返事待ってる。よし、明日からまた仕事だから帰ろうか。』
そう話す光は、美月が落としたチューハイを拾い立ち上がった。
その時、美月が光のジャケットを引っ張り話し出す。
『まだ帰りたくない。』
子どもの様に話す彼女に、
『いいよ。』
優しい声で答える光。
何を話すわけでもない。ずっと二人はベンチに座っていた。
どのくらい時間が経ったのだろう。
美月は光の肩にコクっと頭を乗せ寝てしまった。
しばらくすると、美月のジャケットの中から携帯がなる。
なり止まない携帯。
美月を起こす事を躊躇するも携帯が気になる。
光は、美月の携帯を取り出し画面を見た。
『水上 蓮』からの着信だった。
電話に出る光。
『もしもし。』
慌てる蓮は話す。
『光さん!?美月の携帯ですよね!?美月は?美月はどうしたんですか!?代わって下さい!』
静かに蓮に答える。
『今、美月ちゃん寝ちゃったから俺が電話に出た。今、きらら公園に居るよ。大丈夫。もう少ししたら起こして…』
ーープーップーッ…
電話が切れた。
光は携帯を元に戻しため息をついた。
数分後、息を切らし蓮が公園に来た。
光は、美月をそっとベンチに寝かせ、ジャケットを脱ぎ美月の体にそっと掛けて立ち上がり、蓮を見て言った。
『来ると思ってたよ。』
蓮は光に向かって話をしながら歩き出した。
『俺が美月を家まで送りますから。光さん帰って大丈夫です。ありがとうございました。』
光の目つきが変わる。
『お前、美月ちゃんに自分の想い伝えたのか?』
光の言葉に足が止まる蓮。
質問に答えない蓮に腹が立つ光は言った。
『美月ちゃんが、どれだけお前を待って、どんだけの想いをして今に至るか知ってるのか!?俺は中学からずっとみてきた。美月ちゃんがお前の事を好きになったこと、将来会えたらデートするって約束したこと、過去に色々あったこと、全部話してくれた。ずっと美月ちゃんに向き合ってきた。そして、さっき俺は…ずっと言えなかった自分の想いを美月ちゃんに伝えた。』
つづく。




