#砂時計の砂が落ちきりる前に(35)
本日はあらすじを載せていません。
いつも、私の小説をご覧頂きありがとうございます。
皆さんは“恋”してますか?もしくは“恋“をしてましたか?
上手く表現が出来ず苦しい気持ちになったり、時には嬉しくルンルン気分になったり、様々だと思います。
ここの35話から、段々と少しずつ"恋”について考えたり、人間について考えたり、人生について考えて行く彼女の物語になっていきます。
少しでも広く皆さんに読んで頂けますように…
+。:.゜感謝:.。+゜
心臓が早くなる彼女はその場から動けず彼の姿を見ていた。
再びゆっくり砂時計の砂が落ち始めると同時に彼女は席に戻り、ノート、ペンをしまう。
そして、魔法にかかったかの様に不思議と足が歩き出す。
無言で椅子を引く彼。
無言で隣に座る彼女。
"神様、仏様…コレって何(恋)ですか…?“
ノートを開き、ペンを持ち、彼が取ってくれた本を初めから開き始め《解剖学》を勉強する。
黙々と勉強する彼の姿を横目で見る彼女。
"いつものチャラさが無い“
彼はペンを置き彼女を見て言った。
『そんなに見られると穴が空くよ。』
ペコっと頭を下げ謝る。
『すいません。』
再びペンを持ち勉強を始める彼。
広い図書館の空間が狭く感じる。
"いけん!勉強しなきゃ!推薦がかかってる!!“
気持ちを切り替え、ようやく勉強する彼女。
"カラビナウォッチ”をカバンから取り出してみたら既に18時を回っていた。
"ヤバッ!帰らなきゃ!”
急いで片付ける彼女。
彼も彼女につられて片付ける。
本を元にあった場所へと向かうと隣には彼が居た。
『届かないでしょ?はい!貸して。』
本を彼女から取り元の場所へと戻してくれた。
『ありがとうございます。じゃ、帰ります。』
『俺も帰るから途中まで一緒に帰ろうよ。』
二人は図書館を出た。
真っ赤な夕陽と共にヒグラシが鳴いている。
ゆっくり歩く二人。
そして彼女は話しかけ会話が始まる。
『先輩、高校選びましたか?』
『うん、選んだよ。』
『どこの高校を選びましたか?』
『私立のテンダー学園。』
"えーーーっ!!一緒!?落ち着けー!!“
『何でそこの高校ですか?』
『美月ちゃんが、この学園に入ると思ったからーーーーーーーーー♡』
"やっぱり…コイツはチャラ男だ…ドキドキした自分が恥ずかしい…道端で穴を掘って隠れたい気分だ…“
彼は止まる事なく喋り続けた。
『だって、美月ちゃんはその学園に入れば5年間で看護師の国家資格受けれるから、多分美月ちゃんはココ(テンダー学園)に入るだろうなぁーってね!俺は、総合学科にするよ!そうしたら、美月ちゃんと一緒にいれる♡だから、推薦出した♡』
返す言葉がない彼女。
ずっと喋り続ける彼。
"どんだけ喋るんだろう…“
分かれ道に来た彼女は、深々と頭を下げ言った。
『ありがとうございました!』
そして彼女は歩き出した。
帰り際、彼女は【テンダー学園】の事をどのように両親へ話そうか考えていた。
帰宅した彼女は夕飯を済ませ、両親に推薦の事を話し始めた。
担任教師と校長が一つの高校に絞ったこと。
高校入学から5年間で看護師の受験資格が貰えること。
私立だから学費が高いこと。
全て話した。
父親が口を開く。
『明後日、伯父さんが来るから、お前の頭で行けるか自分で聞いてみろ。推薦で落ちたら看護師を諦めろ!それだけだ。』
母親は睨む目で彼女を見ていた。
『わかった。でも、絶対諦めないから。』
彼女は立ち上がり部屋に戻った。
そして、拳をつくり壁を叩く彼女。
父親の言葉、母親の睨む目がずっと頭の中に焼き付き苛立っていた。
彼女の左拳から薄らと血が出ていた。
"クソッ!!“
反抗期にも入り始めた彼女だから、どうしようもない。
苛つきながら図書館に持って行ったカバンを逆さまにし机の上に出した。
見覚えの無い半分に居られたメモ用紙があった。
メモを広げ見る彼女。
"大丈夫!迷うな!前を見て進め!“
彼女が勉強に集中しているとき、彼はそっとカバンの中へ入れていたのだ。
彼女は我に返った。
"そうだよ!大丈夫!迷っちゃダメだよね!前を見て進まなきゃ!”
彼が書いてくれた言葉が彼女の背中を押してくれた。
つづく。




