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#砂時計の砂が落ちきる前に  作者: 海底の真珠
29/66

#砂時計の砂が落ちきる前に(28)

〜あらすじ〜

空は澄んだ色をし太陽が砂時計とカラビナウォッチを照らし出す。時が経っても変わらぬ時計。

彼女の人生は砂時計から始まることになる。砂時計とカラビナウォッチ…

2つそれぞれの時計の意味は何か…

彼女の幼年期から青年期を経て、成長し恋をしていく。

髪はウェーブがかかった様な髪質、目は大きく、黒縁メガネ、かなりのイケメン…

その、"かなりのイケメン“は友達情報。

だが、彼女の中では"水上蓮”を超えるイケメンは居ないと思っていた。

黒縁メガネのイケメンは全校生徒の前でニコッと微笑む。その姿に彼女の同級生の女子は騒つく。

彼女の前に座る女友達が話しかけてきた。

『ねぇ美月!イケメンじゃない♡?』

"この人が、水上光かぁ。イケメンでもない。蓮くんがイケメン!”

小声で彼女は返事をする。

『そうかなぁ?子犬ちゃんみたいな髪でクリクリおめめだよ!イケメンとは違くない?』

『美月!見る目ないねー』

"はいはい、タイプでも何でもないから何とも思わないけどね”

他の女子生徒も友人と同じ様な会話をしている。


全校集会後も教室内では女子が"水上光”の話で盛り上がっていた。

担任教師が教室へ入って来る。

『さっき表彰され大賞受賞をした作品を配る。印刷上、どうしても綺麗に写す事が出来ない為、作品を実際に観たい人が居たら正面玄関ホールに飾られているから、観に行って来なさい。』

そして、前から順々に配られる。

【作品名"恋"】

藁半紙に白黒で写されていたのは、女子が何かをしている姿が写し出されているが、よく見えなかった。


終会後、いつもの様に図書室へ行き、勉強をする彼女。

静まりかえった広い図書室に誰かが入って来たが、黙々と看護に関する勉強を次から次へとやっていた彼女は全く気付かなかった。

『いつも一人で勉強してるの?』

手を止め、声が聞こえる方へ向くと既に彼女の隣に座っていた。

"水上光“だった。

彼女は再び目を戻し勉強を始め一言だけ言った。

『はい。』

彼は彼女に話しかける。

『わからない事あるなら教えるよ。』

再び手を止める。

『ありがとうございます。でも大丈夫です。』

また再び手を動かし勉強する彼女の姿に笑顔でいる彼。

彼は、ずっと彼女の隣に座り顎を手に乗せ彼女の横顔を見ていた。

"なんなの!?この人!なんで、ずっと居るの!“段々、うざくなり始める彼女。

彼女は、参考書、ノートを閉じ片付け始め、口を開く。

『あの、私に何か用ですか?』

彼女の問いに、笑顔でいる彼。

"この人、絶対おかしい!なんで笑ってんの!?人の話聞いてんのか!?”

思春期だから尚更苛立つ彼女。

『話聞いてます!?何も用が無ければ私は、もう帰ります!』

立ち上がりカバンの中に道具を入れる彼女。

彼も立ち上がり彼女の身長より20センチくらい高い彼は上から目線で話し始める。

『用ならあるよ。』

苛つきマックスの彼女は下から彼を見上げて言った。

『じゃ、用って何ですか!?』

にこっとした彼は何も言わなかった。

『何も無いみたいなので私帰ります!』

彼女はカバンを持ち彼を背に向け振り返る。

その瞬間。

彼女の左手を引っ張り、キスをした。

『俺、キミに恋しちゃった。』

一瞬の出来事だった。

笑顔で話す彼。

何が何だかわからない状況で、とっさに彼の手を振り払った彼女。

『笑えない!意味わからない!』

彼女は走り図書室を飛び出した。

"何コレ!?キス!?何で!?コレってファーストキス!?”動揺を隠しきれない彼女。

彼女が飛び出した図書室には、彼女が忘れて行った消しゴムを手に取り、ニコッと笑う彼の姿があった。


"有り得ない!絶対有り得ない!まじ、何なの!?あの人!!私のファーストキスを返せ!!“


完全完璧に彼女の砂時計は狂い始めた。



つづく。

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