#砂時計の砂が落ちきる前に(27)
〜あらすじ〜
空は澄んだ色をし太陽が砂時計とカラビナウォッチを照らし出す。時が経っても変わらぬ時計。
彼女の人生は砂時計から始まることになる。砂時計とカラビナウォッチ…
2つそれぞれの時計の意味は何か…
彼女の幼年期から青年期を経て、成長し恋をしていく。
中学一年の終わりがさしかかった2月。
一日の授業が終わり、いつもと変わらず教師が学校便りを配る。
月一回は学校便りが配られる。
いつも通りに配られた学校便りに目を通す彼女。表面は読み終わり裏面を読み始めた。
2年C組、水上 光
全国フォトコンテスト 自由部門『大賞』
"水上…蓮くんと同じ苗字だ…”
"水上光”この人物が彼女の砂時計を狂わせる事になる。
久しぶりに彼を思い出した。
右手で肘をつき頬を支え外を見る彼女。
"蓮くん、元気かなぁ…”
彼との思い出にふけていた。
担任が喋りだす。頬ずりし話を聞く彼女。
終会が終わり一斉にカバンを持ち部活へ行く生徒。早くもクラス内でカップルが誕生し二人手を繋ぎ教室を出る生徒。友人と帰る生徒。色々だった。
彼女はクリアファイルに配られた便りをカバンへ入れ、いつも通りに図書室へ向かった。
だが、図書室の前で足が止まってしまった。
"水上”
ずっと抑えていた彼への気持ちが溢れ出してしまい、図書室前から玄関へと方向を変え歩き出し帰宅することにした。
帰宅後、封印していた“カラビナウォッチ”を引き出しから出し、見つめる彼女。
そして彼女の記憶は蘇り大粒の涙が“カラビナウォッチ”に落ちて広がり涙で包まれた。
『約束。』
苦しくて、辛くて、どうも出来ない気持ちをもう一度、抑え、再会出来ると心に言い聞かし、再び時計を閉まった。
静まりかえった彼女の部屋は引き出しに閉まった時計の秒針音が響く。
気持ちを切り替える為、台所へ向かった。
珍しく、母親が話しかけて来た。
『美月、勉強ばかりして、将来何になりたいの?』思わぬ質問にビックリ彼女だったが、堂々と話し始めた。
『看護師になる』
"なりたい。”ではなく、"なる。”
強く話した彼女の声が母親の手を止めた。
母親は振り返り、彼女にもう一度聞いた。
『将来何になるの?』
彼女は真っ直ぐ母親を見て話す。
『看護師になる』
母親は目を逸らし、無言で料理を進めた。
翌日、朝から全校集会。
寒い体育館に全校生徒が集まり、長々と話す校長。
『長ぇーよ。いつまで喋るんだよ。』
『こっちは寒いっうの。』
『喋り出して11分経過ーー。』
小声で話し始める先輩達。
彼女も同じ気持ちだった。
長々と話し終わったら次は表彰式。
『先月全国フォトコンテストが開催され、自由部門を最も素晴らしい作品として選ばれ…………』
“長い説明。早く表彰すればいいのに。”
『2年C組…水上光』
『はい。』
彼女は女子だと思ったが、名前を呼ばれ答える声は男子の声だった。
どんな人物なのか気になった彼女は、ステージへ歩く男子生徒へ目が行った。
静かにステージ前へと向かう。
ステージ前の階段にさしかかり、校長に一礼。ステージ上へ上がり表彰状、綺麗な色のトロフィーを持ち生徒の方へゆっくり振り向く男子生徒。




