#砂時計の砂が落ちきる前に(13)
今日の授業内容は『将来の夢』についてだった。彼女の心は弾む!
『将来なりたい職業はあるか?』クラス全員に聞く先生。
『ハイハイ!』一斉に手を挙げる生徒達。
彼女も手を挙げる。『ハーイ!先生!ハーイ!』めっちゃ目立つ様に椅子から立ち上がる。周りは『ウケる(笑)そこまで言いたいのかよ(笑)』笑われても全く気にしない。むしろ笑われてる方がいいから…。
やっと名前を呼ばれた。
『オレ、看護師になりたい!絶対なりたい!』力一杯に発言する彼女。
思いもよらない言葉が返って来た。
『今のままだと看護師は無理だ。なりたいなら勉強しなさい(笑)』先生にもクラスの生徒にも笑われてる…彼女は『ハーイ!勉強しまぁーす(笑)』笑って返す。内心は切なく哀しかった。
大工になりたい、医者になりたい、保育士になりたい、教師になりたい…沢山の夢を耳にした。看護師になりたい生徒は彼女を含め6人だった。
先生が、提案を出してきた。『小学校生活最後の行事で、皆んなの将来の夢を在校生に劇にして発表しないか?』
生徒達は『やるやる!』『楽しみ!』『面白そう!』いろんな声が上がる。彼女もその一人。看護師になれる!ウキウキしてた。
ずっと笑顔で居る彼女を見る彼。
休み時間、彼女から彼に近付き、『昼休みたまには図書室行かない!?』
彼女からの初めての誘いにビックリしながら彼は言った。『お、おっ。いいよ!給食食ったら図書室で待ってるぞ!』
『うん!オレも急いで食べて行く!』彼女は嬉しそうに話した。
ダッシュで食べ始める2人。周りは笑っていた。『お前ら、2人は早食い競争かよ(笑)』
2人は、ほぼ同時と言っていいほど食べ終えた。先に彼が教室を出る。彼は彼女にニヤッと笑い扉を閉めた。だけど、彼女にはどうしても譲れない事があった。
『歯磨き』
やっぱりそこは女の子だった。ちゃっちゃっと磨き、ニコっと歯を出し笑い磨き残しが無いかチェック。
歯磨きを終え、走って図書室に向かう。
足取りは軽くめちゃくちゃ嬉しかった。久々の図書室。
図書館の扉を開ける。本の匂いが居心地が良かった。『あれ?』彼女は気付いた。
彼が居ない。




