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エピローグ

二話連続投稿です。短いです。

 さて、グリード・アッシュルカは十年ぶりにアッシュルカの国へと帰国をした。

 グリードを探すためだけに国外に出ていたものたちの多くは、もう用はないとばかりにアッシュルカに帰るものも多くいた。もちろん、そのまま他国に居座るものもいるが。この十年で他国に移住したものもいるわけで、少しは閉鎖的な状況からアッシュルカは変わっただろう。

 「グリィイイイイイド!」

 「グリィイイイドちゃあああああああああああああああん」

 「グリー!!」

 「我が弟よぉおおおおおおおおおおお」

 ちなみに、十年ぶりに戻った途端、家族一同に抱きつかれてもみくちゃにされたグリードであった。あとはじめて会う弟妹たちにも囲まれたものである。

 そしてグリードが無事帰還することが出来たということで、アッシュルカでは一週間にも及ぶ祭りが開かれた。

 行方不明であった王族がこうして見つかり、無事であったということで国民たちもそれはもう笑顔になった。

 「グリード様がこうして私の隣に帰ってきてくれて、このリュシーはとっても嬉しいですわ」

 「俺も、戻ってこれて良かった。正直いつまであんな状況で生きなければならないんだろうって思っていたし」

 グリードとリュシーはそういって二人で会話を交わす。

 帰還してから沢山の人々に囲まれていたグリードだが、珍しくその日は少人数であった。

 「俺もずっとあのままかと思っていたので、こうして連れてきてもらえてグリード様に凄い感謝しています!」

 そしてグリードたちの横でにこにこと笑っているのは、ケイティである。執事服を着て二人の傍に控えていた。

 アーティクル侯爵の魔法により女のふりをさせられ、侍女服をその身にまとっていたケイティであるが、もちろん、そんな趣味はなく、魔法がとけた今は男として生きている。

 グリードがアッシュルカに連れて帰ってくれたことを本当に感謝しているらしく、笑顔である。

 そして、アッシュルカに連れて帰られたアーティクル侯爵はといえば、グリードとケイティと同じ目に合わせることが決定していた。まぁ、要するに自由を奪って、思考するしか出来ない状況に陥らせるのである。それでアーティクル侯爵が壊れようと知ったことではないアッシュルカの面々である。

 「そういえば、ミラージュ王国、クーデター起こったんだって?」

 「ええ。ミラージュ王国からアッシュルカは完全に撤退しましたもの。それでクーデター起こるとは思いませんでしたけど。まぁ、それだけ我が国の技術に頼っていた面が大きいのでしょう」

 閉鎖的な国で、他国とほとんど交流のなかったアッシュルカは、十年前グリードを探すために自国の者を外にやる際に、彼らが動きやすいように手土産を与えていた。魔法大国と呼ばれるアッシュルカの技術、それに十年も慣れ切っていた者たちから、それを奪ったのだ。国民が不満に思うのも仕方がないことなのかもしれない。

 「アーティクル侯爵家は、断絶。グリード様を貶めようとしていた者たちは家を追放。怒り狂った王子殿下方と王女殿下方と聖獣様をなだめるために賠償金も要求してありますし、色々とあの国は大変でしょうね。皆様、向こうの態度次第ではミラージュ王国なんて滅ぼしてしまいそうですし」

 そんなわけで色々とミラージュ王国は大変である。まぁ、知らなかったとはいえ大国の王族を奴隷として大変な目に合わせていたのだからそれは仕方ない事だろう。

 「あー……皆怒っているもんな」

 「グリード様ももっと怒りをぶつけていいんですわよ?」

 「いやー……皆色々やらかしているし、もう十分かなと。それにあのお花畑妹たちがやらかさなきゃ俺は最高裁判なんて受けられなくて、色々露見しなかったわけだし」

 「まぁ、そうですわね! とりあえず皆様に任せておけばいいですわ! グリード様はゆっくりしていてくださいませ。折角かえってきたのですから」

 そんなわけであの裁判の当事者であったグリードとリュシー(あとケイティ

も)は、ほとんどミラージュ王国の事に対してかかわっていなかった。やっているのは怒りを感じている周りである。

 「ああ、そうだな。それにしても記憶もなかったし、自分が誰かもわかってなかったのに、こうしてかえってこれて、ゆっくりできるのはいいな」

 「ええ。私もこうしてグリード様とまたのんびりと過ごすことが出来て嬉しいですわ」

 そんなわけで、グリードとリュシーはミラージュ王国が色々大変な中で、平和にのほほんと二人で笑うのであった。




 ――――悪役令嬢は裁判にかけられました。

 (裁判にかけられた結果、彼は自分を知ることが出来、故郷に帰る事が出来たのでした)

 

これで完結です。色々と駆け足になりましたが、楽しんで書きました。

子だくさんの末っ子というのは最初から頭にあった設定ですが、何で殺されなかったかと考えた結果、聖獣との契約とかそういう話にしてしまいました。ちょっと詰め込みすぎだったかもしれない。

ちょっと変わった悪役令嬢ものとして書いてみましたが、読者様が楽しんでくださればいいなと思います。

感想などもらえれば嬉しいです。



2016年1月5日 池中織奈


補足

ざっくり書いたグリードがミラージュ王国に居た原因。

さらっと簡単に書きすぎて別の解釈した方が居たみたいなので。


転移させた男は、リュシーに惚れていて、リュシーと結婚したいけどグリードが邪魔。

しかしグリードは聖獣に好かれていて殺したらまじないで自分が不幸になってしまう。そのため記憶を封じてグリードを行方不明にした。そのうち何か理由で死んでくれないかな(自分の手を汚さずに)と思っていた。

その間にリュシーの婚約者になりたかったロリコンだが、リュシーが思いのほか「グリード様以外と結婚しませんわ」と言い張っていて、プラスしてグリードがなんだかんだで生き残っていた。


文章追加したほうがわかりやすいかな?とちょっと悩みます。





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