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かみさまのいるせかい  作者: MIH
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テイマーでもおならでもない恩恵

友達がAIで作品のOPを作成してくれました。

YouTubeで”かみさまのいるせかいMV”で検索してみてください。

よろしくお願いします。

 翌日不貞寝から二度寝したオレは午後になってダークに脇腹をダガーで刺されて起きた。服には刺さらないからわざわざ服をめくって刺してきやがったのだ。刺さなくても起きるってー。目は開けたけど起き上がらない。床で寝転がり続けるオレに珍しくダークが口を開く。

「せっかく千載一遇のチャンスを与えてやろうというのに、・・死ね。」

「ヒドイ。ってチャンス?」

「今から冒険者ギルドでプーニャとかいう娘がPTから追放される。」

「え。」


 ダークが調べてきた情報ではプーニャさんが今所属するPTは盗賊ギルド(シーブズギルド)に買収されていてPTから今日追放する事になっているらしい。依頼から今日町へ戻ってきて、すでに人さらいも奴隷商人も盗賊ギルド(シーブズギルド)さえないとは思ってもいない。PTメンバーがいなくなるといろいろうるさいが、追放して無関係になっていればいなくなっても白を切れる。落ち込んだプーニャさんを路地裏で人攫いが攫って奴隷商人が奴隷にして裏口から領主の館のドリーム空間に売りつける、という計画だったらしい。だがまぁ、せっかく追放してくれるならありがたくこちらが貰っておこう。でもまだちょっと眠い。


「そーふぃー。おねがーい。冒険者ギルドまでつれてってーー。」

「まったく・・。おにいさまはワタシがいないとダメなんですから。」


 ソフィーが魔法剣を出していつもの様にオレを引きずり始める。オレはギルドに着くまでもうちょっと寝よう。オレが今包まっているマントは特別にシルヴィに頼んで作ってもらったもので、なんと!地面を引きずられても痛くないのだ。小石があっても大丈夫。すげえぜ。

ずるずると道を引きずられていく。町の人が遠巻きに見ているが騙されてはいけない。この町のやつらは海賊姿でも夢ならしょうがないとか思っちゃうやつらだ。地面を引きずられる人がいても気にしない・・・・はず・・・いやちょっと引いてるか?微妙なラインか?海賊よりはマシだと思うんだけどなぁ。


とりあえず、冒険者ギルドの前までは到着した。聞き耳を立てて中の様子を探る。タイミングを間違うとやっぱ追放やめたとか言われたら困るのでしばらく待つ。追放劇は始まってるようで結構キツイ事を言われている。それでも彼女は冒険者をやめないようだ。その一言を聞いてギルドに引きずられながら入っていく。

タイミングを逃さない為にまずは決めておいた勧誘セリフを大声で宣言してから目を開く。

そこには・・・運命の人がいた。緑ではあるけれど、そのサラサラな髪の毛は光にすけて薄く・・・大きな黒いタレ目がこちらを見つめている。キレイ・・とか可愛いとか・・・言葉では言い表せないほどの芸術品のような美しさの中に、少女から女性へと成長する一瞬が切り取られたような不完全な脆さと完成された色が混在している。いろいろセリフは考えていたハズなのに、思考が口から滑り出る。

「まずは・・・そう・・・その魅力的なお尻をオレの顔に乗せて・・・・おならをするんだ!!!」


 ソフィの靴の裏がオレの顔に振ってきた。


失敗失敗。一昨日からずっと海賊が自分の夢を聞かせてくるから思わず口がすべったぜ。

一応周りを確認するが、元のPTメンバーも別に邪神の使途って訳じゃあなさそう。冒険者ギルドからペナルティはあるかもだけど、死刑にはならないな。


ソフィの足の裏から抜け出してようやく起き上がる。

「今のはナシで。あらためてプーニャさん。PTを追い出されたようなので是非ウチのPTへ入っていただけませんか?」

「え?・・・ええ?ええ。」


混乱しているプーニャさんにダークがすすすと近寄り囁く。

「とりあえずここではなんですからばしょをかえましょう。ちかくのやどやにへやがとってあるんですけどね。いえ、ほんとなにもしないから。おはなしだけだから、ね、ね、ちょっとだけ、ちょっとだけだから、さきっぽだけだから。」

でたーー!ダークさんの必殺さきっぽだけだから!ちょろい女の子はひっかかり、ちょろくない女の子もいつの間にか部屋に連れ込まれている!まさに必殺。オレがやったら一発で捕まるしなんならソフィにマジで刺殺されるので別の意味で必殺!。昔ひっかかったシルヴィが微妙な顔で見ているが気にしない。

いつの間にか連れ帰る時にちゃんと認識阻害で連れ去られるのが認識されないようにしているのが完璧だ。来るまではあまり乗り気な感じじゃなかったのに、ダークが連れ帰るのだから気に入ったのだろう。なんだかんだ言ってコイツ可愛い女の子大好きだからな・・。



 というわけで歩いて宿の部屋へと帰ってきた。ほんとにナニもしない。お話するだけである。

「えー。混乱してると思うから、とりあえず自己紹介からね。オレ達は王都でEランク冒険者PTやってる闇の住人(ナイトメアパーティー)っていいます。まぁ主に試練の塔の攻略とか魔王退治の相談とか美味しいスイーツの開拓とかやってます。あ、コレスイーツの町で今の所闇ランキング3位のさくさくアップルパイ生クリーム大マシマシです。お召し上がりください。」

 シルヴィが部屋へ戻ってからすぐにお茶を準備してくれている。もちろんアップルパイは人数分出した。ソフィとダークはすでに座っている。美味しいお菓子とお茶をしばし堪能する。プーニャさんは美味しくて泣いていた。あの孤児院の状況だし、PTでもお荷物扱いだったんだから分け前とか少なかっただろう。甘いお菓子なんて余裕はなかったハズだ。とりあえず、自己紹介を続ける。

「オレはアルク=カーバンクル。趣味は寝る事で仕事は眠らせる事だね。」

「ソフィア=カーバンクル・・・吸血鬼の真祖の生まれ変わりにしておにいさまの魂の片割れ。最近彼女になって将来は妻になる者よ。」

「え?」

「我はダーク=シャドウ=シャイニング。PTの闇にして光。・・・あ、あの、、、、スカウト・・やってます。」

「わたしわ~シルヴィアーナ=シン=クラフトマイスターです~。PTで~なんでも作ってます~。料理から~武器から~魔道具から~ちょっとわたし働きすぎじゃないですか~楽しいし、スイーツは美味しいからいいんですけど~別にいいんですけど~あ、わたしが一番おねーちゃんなので~PTリーダーを頼まれて~!しかたがなく~!やっています~。」


「え、えっと・・・プーニャ=アニマエールといいます。先ほどPTを首に・・・なりました。一応・・・・テイマーで・・・この子は唯一の相棒ぷー太郎です。」


喋りながらしょぼんしょぼんと落ち込んでいく。


「えっとオレ達は王都である人からキミの事を聞いてスカウトにきたんだけどー・・・うーん。混乱すると思うけど、とりあえず話だけ聞いてね。オレ達にキミの事を教えてくれたのはキミと同じおならの恩恵をもらった女の人でね、オレは昔からおならの恩恵の女の子に並々ならぬ興味を持っていて探していたんだ。その人は今男爵夫人で年齢的にもどうにもならなかったんだけどキミを探し出して教えてくれたんだ。」

「わ・・わたし・・が・・・おならの恩恵だから・・なんですか?」

「あーいや、ゴメンね。それはまぁオレ個人の趣味の話なんで気にしないでくれると嬉しい。」

スパーンと後頭部にソフィの扇子が吸い込まれていい音を立てる。ダメだしされなくてもダメなのは分かってるから。でも説明しないわけにもいかないんだよう。

「それでその人からキミの事を助けてほしいって頼まれてね。もちろん頼まれなくてもスカウトに行く事は決まってたんだけど、その人の言う事にはね、おならの恩恵の本当の力を教えてあげて欲しいと。その人は元々ふつーの平民で普通に町で暮らしていたんだけど10才でおならの恩恵をもらったんだ。他にはナニもないおならの恩恵だけ。でもね・・たまたまその人は恩恵をもらう前から占いが大好きで。だから恩恵をもらった時に気が付いたんだ。ただ占いが好きなだけだった女の子がおならの恩恵の力で人の、世界の運命が見えるようになった。今まで世にいたハズのおならの恩恵の女の子は恥ずかしくて隠すか、誰にも言わないで恩恵とかない仕事をしていたから気が付かれなかったし笑われてきたけど、おならの恩恵はその人の持つ”才能”を物凄く強化する。恩恵でもない趣味の占いで運命が読めるようになったり、魔法の恩恵を持っていないのに色々な強化魔法でPTを支えたり。おならの恩恵は本来そういう恩恵なんだって。」


「でも・・じゃあわたしは!テイマーの恩恵が強化されるんじゃないんですか!どうして!。」


「まぁそれはその人から聞いた話。それでね、王都から急にやってきてPTに誘ってきて、普通に怪しいと思うんだよ。信頼ってのは信用ってのは本当大事。だから、今からオレの秘密を少し明かしてプーニャさんの信用を得たいと思います。」


「・・・え?」


「オレにはこの世界に満ちている神の力が見えるんだ。だから分かる。プーニャさんの恩恵はね、テイマーでもおならでもないんだよ。」


「       え?」


「プーニャさんは”おならテイマー”の恩恵をもらってるんだよ・・・。」


「えええええええええ。」

オレには見える。プーニャさんのお尻にまとわりつく今まで見た事もない光輝くおならテイマーの神の力が。


「とりあえず実践してみよう。そのウサギを使って。」

「ぷー太郎を?」

「うん。そのウサギテイムされてないよ。」

「   」

「確か南の方のレア魔獣でなんの力もないけど、おなラビットっていう兎の魔獣がいてさ。おならの匂いが大好きなんだ。だから、プーニャさんのおならが気に入って付きまとってるだけでテイムされてないよ。」

「そ。。。。そうなの?」

「うん。信じられないかもしれないけど、言う通りにやってみて。そのウサギの顔をお尻に当ててね、おならをしながら”おならテイム”って言ってみて。それでテイム出来るから。」


プーニャさんは30秒ほど迷っていたけど言われた通りにすると驚いた顔を見せた。おならテイマーの恩恵がそれで正しいと教えてくれているんだろう。

「”おならテイム!”」ぷっ


可愛い音と共にうさぎがだらしない顔を見せる。どうやらテイム成功のようだ。



ーーープーニャsideーーー

恥ずかしかったけれど、言われた通りぷー太郎をお尻に当てると私の中の恩恵がやり方を教えてくれる。恩恵をもらっていつでも出せるようになったおならをなるべく小さく出しながら呟く。

「おならテイム!」

ぷー太郎がおならを嗅いだ瞬間なにか魂が見えない糸で繋がったような、本当の相棒になれたような一体感が広がる。・・・これが本当のテイム・・・。

改めてぷー太郎を抱えて顔をのぞき込む。

「よろしくね。」

挨拶をした瞬間ぷー太郎が丸まりわたしの顔に突進してきた。

「ぶっ」

呻くわたしの頭に声が響く。

”ぷー太郎ってどうゆう事よ!私女の子よ!もっと可愛い名前にしなさいよ!あともっとくっさいおならでいいわよ!”

「ええ・・えええええ・・。女の子なのー?」

”どっから見てもぷりちーな女の子でしょーー!!可愛い名前考えなさいよー!”

「だってやたらお尻にすりよって腰を振ったりするからー求愛行動だと思ったんだよー。うーーーんじゃあ、ぷー子にしよう。かわいいよー。」

”なによそのダサイ名前!エリザベスとかヘカテリーナとかもっと優美な名前にしなさいよ!ってあああああ魂に名前が刻まれたーーぷーこ・・わたしはぷー子・・。もういいわ・・おならしなさいよ・・。”


「ぷっ・・・く・・ふふ・・・。」

わたしは耐えきれなくなって笑いだした。おなかいたい。

「ずっと・・・一緒にいたのに・・女の子だったなんて・・・なによ・・・おならテイマーの恩恵って・・・・・」


いつぶりだろう。心から笑えたのは。


「わ・・わたしの・・・苦労は・・がんばりわ・・・・・・・なんだったのよー。」


両親が戻ってこなくなって、孤児院にお世話になって。ずっと・・・ずっと・・・張りつめていた糸が切れた。目の前にはどこか眠そうな目で優しそうに笑う、たぶんわたしの王子様。わたしの夢は・・・今から始まるんだ!


「わたしは!プーニャ=アニマエール!夢は”信頼する仲間”と!笑って!助け合って!冒険をして!いつか両親のような冒険者になる事!運命の人と一緒に!。」


おならが好きなのはちょっとどうかと思うけど、たぶん運命の王子様に笑顔でお願いする。


「わたしをPTにいれてください!。」


ーーーーーーーーーーー


その笑顔を見た時、恋に落ちた。会う前から好きだったし、一目見た時から好きだったけれど・・・運命の出会いってあるんだなぁと思いながら口は勝手に動いていた。


「さっき会ったばかりだけど、ずっと前から好きでした!ボクの彼女になってください!!!」

ちょっとソフィの圧が怖いけど一応見守ってくれている。

「ええええぇ。」

「軽く言ってるように聞こえるけど本気です!」

「あ、うん。本気なのは分かってるから大丈夫。・・・でもダメです。」

OTL

「私達まだ出会ったばかりじゃないですか。PTメンバーとして、仲間として、もっとわたしをよく見て、よく知ってください。わたしもあなたをもっと見てもっと知るでしょう。だから。まずはお友達から、お願いしますね。おうじさま。」


ソフィがうんうん頷いている。プーニャさんは合格だったらしい。まぁ夢なんてものは簡単に叶わないから夢なんだ。いつか顔の上にお尻を乗せて直おならを嗅がせてくれるって信じてる。散っていった海賊達と違ってオレの夢はきっと叶うハズだ。プーニャさんの笑顔を見ながらそう思いました。






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