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かみさまのいるせかい  作者: MIH
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【閑話】わたしの王子様

短いですが、主人公の夢は叶います。(叶わない)

「プーニャ、キミにはこの”ガランドの守り手”から抜けてもらう。」


 PTリーダーのガンツさんが依頼を終えた後のギルドでそう切り出した。

「・・・」

 私はなにも言えない。PTに入れてもらって一ヵ月。自分では頑張ってきたつもりだが、ずっと足手まといだったのは事実だ。だが、加入の時は足手まといでも大丈夫と言ってくれていたのに・・と思ってしまう。大丈夫なわけがないのに。


「一ヵ月、テイマーの恩恵を信じてメンバーでテイミングの補助をしてきた。直接戦闘力が低くても多くの小動物がテイムできれば役に立つと思ってやってきたが、ボアやウルフの低級の獣、魔獣全てテイムできなかった。最初からいるそのウサギ以外はゼロだ。テイマーの武器適正の鞭も近接の仲間を巻き込むし、ハーフエルフだから薬草の知識とか期待したけど特に詳しくなさそうだし。」


 両親は冒険者でもういない。町で生まれて育ったのだ。エルフとかハーフエルフとか関係ない。お母さんはいつも緑の匂いに包まれていたけれど、その記憶ももうおぼろげだ。ダメだしはまだ続くようだ。逃げ出したいけれど、一ヵ月役立たずの私をPTメンバーとして接してくれたのだから、辛くても聞かなければならないだろう。結果は最初に言われてるんだけどなぁ。


「受付のマーサさんが言ってたもう一つの恥ずかしい恩恵もちょっと期待してたんだけど、おならが出せる恩恵でどうやったら強くなれるんだか(笑)、昔その恩恵でスゴイ人が居たのは本当かもしれないけどムリムリ。」


 両親が居た頃から受付をしていたマーサさんは色々気にかけてくれていくつかPTを紹介してくれたのだけど、私が役に立った事は一度もなかった。だから、PTの追放も初めてという訳じゃない。そろそろ話も知れ渡り今後入れてくれるPTは現れないだろうというだけだ。


「知っての通りオレたち”ガランドの守り手”はすごい恩恵のメンバーがいる訳じゃないし、地元のガランドの町を守れるくらいが精一杯のPTだからさ、役に立たないメンバーを養うような余裕がもうないんだ。・・・プーニャは若いし可愛いんだから、冒険者じゃなくてもきっとやっていけるよ。」


 役立たずなのは知っている。養われたい訳じゃない。冒険者への憧れは、両親が残してくれた宝物なのだ。自分でもどうにもできない現実に歯を食いしばる。自分に自信が持てるようになりたい。誰かの役に立ちたい。誰かの隣で笑い合いながら冒険をしたい。お母さんが言っていた王子様が現れて助けてくれないだろうか・・・。ぷー太郎を膝の上でなでくりながら現実逃避をしているが、どうやら冒険者の引退を勧められているらしい。


「一ヵ月もありがとうございました・・・。一人で・・・もう少しだけ頑張ってみます。」

「・・・・そうか・・。」




 運命の扉が開かれたような感じがして顔を上げるとギルドの扉が開かれて何人か女の子が入ってきた。

ずる・・・ずる・・・

 なにかを引きずるような音が響く中・・・床に寝転がり宙に浮く剣に引きずられた男の子は嬉しそうに、楽しそうに、ギルド中に聞こえるように私に話しかける。

「いらないというならば!ウチが貰おう!塵芥な凡人にはムリでも!オレには出来る!キミの才能を開花させ!S級冒険者にも勝てるテイマーとして!    オレの隣にいてほしい。」


 いままで一度も感じた事がないおならの恩恵が運命の出会いだと囁く。なぜか床に寝ているけれど職業や恩恵ではなく”わたし”を求めてくれているのが分かる。この人が・・・わたしの・・・・・・


 金髪の美少女が扇子で口元を隠しながら宣言する。

「あなた達が手配した”人攫い”も”奴隷商人”も捕まえて衛兵に引き渡してあるわ。聴取が終わったらあなた達の番よ。」


 顔を青くして逃げ出そうとしているガンツさん達に一切興味を示さず・・・床にいる男の子は両手を空へ掲げて愛を囁く。


「まずは・・・そう・・・その魅力的なお尻をオレの顔に乗せて・・・・おならをするんだ!!!」


金髪美少女が思いっきり男の子の顔を踏みつけた。


わたしの・・・おう・・じ・・・・さま?


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