第90話「典型的な魔族」
だが、若干サラティスの方が有利であった。
恐らくホーンビューナーは契約魔法を不意打ちの形で使ってきたのだろう。
最初からそれを警戒しているのでサラティスには通用しない。
魔法での戦闘は攻め方が甘いと感じた。
そもそも、チットダム族は戦闘に特化しているような種族ではない。
魔族との戦闘に慣れているサラティスからすれば苦ではない。
「どうなってる。くそが」
すーと汗が地に落ち、溶け込んでいく。
ホーンビューナーは焦り、怒り、困惑していた。
火、風、土、水。
多彩な魔術で翻弄し倒そうにも、相手も同様に魔術を使ってくるし全て攻撃が潰される。
ホーンビューナーにとって人間は使い潰すだけの道具であった。
ホーンビューナーにとって体の強い魔族は嵌めるのが容易な頭の足りない駒であった。
だが、目の前の人間のガキはどうだ。
人間の分際で対抗してくる。
契約魔法を警戒してかける余裕はない。
「典型的な魔族ですね」
「何だと」
サラティスは一歩一歩前に歩き出す。
「弱い人間を見て自分は強いと錯覚する」
風魔法を連発するが風魔術で弾かれる。
「自分より弱い魔族を見下す」
サラティスは止まらない。
「強い相手と対峙したことがない」
「く、くるな!」
一つ間違えば死ぬ。
なのにどうして、平然として、平気で歩いているのだ。
「強い者が好き勝手する。それは魔族の価値観、文化を否定するつもりはありません。だからこそ、貴方は私より弱い。なら、分かりますよね?」
『バチバチバチ』
鈍い音と、肉が焦げる匂い、星空が目の前に現れたかのような光。
風の打ち合いは終わった。
ドタ。
地面に体が倒れこむ。
それは反射などが起こらない、意識の無い体が倒れる音であった。
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お陰様で90話到達と、20万字突破しました。
ほぼ溜めていないので、書きながらの三ヶ月。
気付けば、三ヶ月で20万いってた。そこまで書いたのか?意識してなかったので驚いております。
これからも投稿続けていくので、何卒よろしくお願い申し上げます。




