第479話「ど、どうして?」
友には申し訳ないが、友の息子はかなり娘の影響を受けているようであった。
幼い頃から婚約者として接し、仲良く遊んできたのだ。
影響は多大に受けることは自然のことだろう。
だが彼の教育方針とはかなり異なる方向に成長しているようだ。
聞いた話だと、最初は諸々反対したりもしたようなのだが気付けば言いくるめられていたようだ。
それにサラティスに甘い。
サラティスのお願いにはとことん甘い。
そう評するセクドも負けず劣らず甘いのだが。
菓子作りを禁止され、その後禁止が解除された頃、こっそりとアレシアにセクドは相談したたこともあった。
サラティスがケイトに悪い影響を与えてないかこっそりと見てくれないかと。
菓子を作ることは決して悪いことではない。
だが優先順位を違えるようでは良くはない。
アレシアは笑いながら大丈夫だと教えてくれた。
なのでそこからは、気にしていなかった。
そして、ダヴァンからの報告によるとどこで覚えてたのか、サラティスは料理がかなりできるそうだ。
だがダヴァン曰く、サラティスの作る料理は街の大衆食堂で出されるような料理なのだそうだ。
その点、ケイトは繊細できっちりとした物を作る。
さらにお菓子作りでいうと、サラティスは細やかな調整が苦手らしくケイトの方が断然に上手い。
まさかその菓子作りが今の今まで継続していたのには驚いた。
「お父様?」
「あ、ごめん」
ふと我に戻り会話に身を溶け込ませる。
翌日、サラティスは朝の訓練を終え風呂に入り出掛ける準備を済ませる。
「サラティス様、準備は宜しいでしょうか?」
「ハルティック、問題ありません」
「では、一度おさらいです。本日はアイスティアの孤児院にて関係者と面会。その後、畑や周辺を視察。その後はお屋敷に」
「はい、そうですね」
「承知しました、行きましょう」
今日はハルティックと二人で向かうことになる。
孤児院に獣牽車が到着すると、手厚いお出迎えを受けた。
「サラティス様ー」
子供達に囲まれる。
騎士達は当然傍にいるが、子供を遮ったり剣を向けたりはしない。
普段アレシアに言われているからだ。
勿論サラティスも一切気にならないので、素直に歓迎を受けいれる。
「お忙しい中、誠にありがとうございます」
孤児院の院長が代表して挨拶し、深々と頭を下げる。
他の職員も習い頭を下げる。
「サラティス様ー」
「皆元気そうで何よりです」
サラティスは子供達に手を振り、笑顔を向ける。
子供達の熱気に包まれる。
「聖女様ー」
「な」




