第456話「気をつけますよ」
「一般的かは断言しにくいですが、ギルドでそういった捜査専門の方がいらっしいますね」
「どの世も恋路は変らぬですね」
「あ、そうだ。サラにお手紙来てるわよ」
「ありがとうございます」
いつも通り家からの手紙だ。
「……」
内容はいつも通り、近況報告や領の動きなどである。
「あ、フィーナ、エスちゃん」
二人はひょこっとサラティスを見る。
「今年のお休みはどうされます?お父様から確認してくれと……ん?」
「どうしたの?」
改めて内容を確認する。
まるでフィーナが来ることは決まっているかのような書き方がしてある。
「いえ。気のせいですかね」
「私はまたお世話になろうと思ってるわ。念の為お父様には今年も行くかもとは伝えてあるからうちの方は問題ないわ」
「分かりました。エスちゃんはどうです?」
「ご、ごめんなさい。せっかくのお誘いしていただいたのに。今年は少し帰らないといけない用がありまして」
「分かりました」
エステリアは穏やかで聡明である。
なので忘れがちであるが、まだまだ子供なのである。
家族と長期間会えないのは心寂しいだろう。
「サラ一応確認ね」
「はい」
「ケイトさんの件なんだけど、ゲルダマさん相手に勝算があるのよね?」
フィーナはサラティスがそれなにり動ける、かなり動けることを知っている。
だが、その相手のことは知らないのでどこまで通じるかの判断基準を持っていない。
「そうですねー……。お話に聞く限りゲルダマさんは去年三位ということで、今年の優勝候補に間違いありません」
エステリアはあわあわと慌てる。
「去年決勝を見たじゃないですか。あれを見た限り、うちの騎士以下かなと」
「あー。つまり、セクドさんの練習以下ってことなのね」
フィーナは安心し頷く。
「お話聞く限り、サラちゃんが勝てると思いますが、くれぐれも怪我だけはなされないようにしてくださいね」
「そうよ。痕なんて残ったら大変よ?ケイトさんは気にしないでしょうけどね。大人になって社交の場で何か言われるわよきっと」
フィーナの言う通りであろう。
ケイトやセクド、ジェリド。仮に痕が残るような傷を負ったら、心配して気遣ってくれるだろう。
何より傷の有無で態度が変わるような人間ではない。
だが、他の貴族全てが同じではない。
そういう話が好きな悪趣味な貴族は残念ながら少なくはないようだ。
サラティスのいない所で傷持ちの嫁だなんだとケイトが絡まれる可能性はある。
心労をかけるのは本意ではない。なので十二分気を付けようと思った。




